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ピンクの象と五人の紳士 (94.2)


真っ青な空の背景を前に、空き缶がひとつ、カランと乾いた音を立てて投げ込まれる。次々に登場するタキシードに身を包んだ紳士達は、それぞれに空き缶遊びをしているのだが、どこがおもしろかったのかをうまく思い出せずにいる。それが、この芝居のオープニングである。

何の身分も持たず、何の関連も持たない五人の紳士達は、心臓手術の臓器提供をめぐって看護婦と患者のおばを交えて議論を行う。だが、登場人物の誰もがここがどこであり自分が誰であるのかを把握しておらず(わかっているのは、相対的な関係ばかりである)、議論はどこか滑稽に宙に浮くしかない。なにせ、ドナーであるはずの男5は確かに生きてここにいるのに、彼の死体がベッドに横たわってもいるといったありさまなのだ。

やがて皆が、この病室から抜けだそうとすれば途中でピンクの象に出会い、必ず元に戻ってきてしまうことを知り、混乱におちいる。そして、死体は実は手術を担当するはずだった医者であり、ピンクの象は、アル中であった彼が生前よくみた幻想であったことに気付く。つまり、ここは既に死んだ医者の、アル中の幻覚の世界だったのだ。

女達はなお、この無限ループの迷路を信じようとせず、脱出を試みて去ってゆく。男達はそれを無力に見送ると、舞台には巨大なピンクの象が出現する。幻覚の世界がますます強まったのを知り、男達はあきらめをもって座り込む。

不意に男1が立ち上がり、持っていた缶を立てて缶蹴りをはじめようとすると、不意に子供のころの、楽しかった思い出がよみがえる。

「なぜ楽しかったのかは思い出せないけど、とにかく楽しかったってことを、思い出したよ。」

そして幕は降りる。

絶対的な基準が何もない不条理な世界が、紳士達の独特の知性的でありながら間の抜けた会話で綴られている。迷子になった紳士達の、閉塞感。そして、余韻を残したエンディング。なんとも不思議な芝居だった。

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ピンクの象と五人の紳士
俳優座劇場プロデュース
1994.2.9Wed-2.17Thu(2.10Thu)
俳優座劇場

作 別役実
演出 岸田良二

三谷 昇 男1
草野 裕 男2
豊川 潤 男3
西本 裕行 男4
田村 勝彦 男5(ドナー)
込山 順子 女1(看護婦)
野中 マリ子 女2(おば)
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(下の文章の文責:まねきねこさん)


2/12(土)7:00-8:25PM 雪 六本木・俳優座劇場 俳優座P
 「ピンクの象と五人の紳士」 作:別役実 演出:岸田良二 客席4割

 よりどこない、無気味だけど可笑しい。ディック?。ドラッグならぬアル中で。

 お話し。死んでないのに、いわれない心臓ドナーにされた紳士5。ベット
 で死んでるのは俺?。似てないけど・・。
 要領よくかけません。私が、あなたが、だれでどこにいるのか不定の世界。
 脳味噌ぐるぐるねこ。今回は、舞台のすべてが実は・・の設定があって、
 一見わかりやすくなってる。
 無気味だけど、奇妙にすっとぼけた可笑しさは、いつも通り。


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にしかど(nskd@enpe.net)