弘前劇場


概要
最近なにかと話題の、弘前の劇団。

構成員
主な作家
長谷川孝治
主な演出家
長谷川孝治
主な役者
主なスタッフ
劇団の公式ホームページ
Hirosaki Gekijo

過去の公演

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職員室の午後 (95.6)

(下の文章の文責:一寸小丸さん)


弘前劇場「職員室の午後」6月23日(金)7時半(1:40')
下北沢/ザ・スズナリ 前2500円 当2800円 6/23〜25(3ステ)
作・演出/長谷川孝治 03-3469-0511(スズナリ) 客120(9割)

この5月に演劇情報誌「じゃむち」のライターである中西さんに、今、どこがイチ
オシですかね、と尋ねたら、遊気舎とともに名前が上がったのが弘前劇場。なら、
見てみようと、小丸は初見。

青森県弘前市を本拠地としている。78年に旗揚げ。87、88年に渋谷ジァンジ
ァンでの東京寺山修司月間に参加した後、こまばアゴラ劇場での大世紀末演劇展に
第二回(90年)以降、毎回参加。最近、東京ではアゴラ以外で公演するのは、こ
のスズナリが初めて。今年は東京で4回も公演する。当公演は弘前で6月上旬に
10ステ行なっている。

とにかくもう、水準の高い芝居であることは確か。青年団の芝居に「北限の猿」と
いうエンタテインメントな芝居がありますが、それ以上にハデです。思わず青年団
と比べてしまいましたが、似ているんですよねテイストが。ですけど、ずっとハデ
ですし、サービスしてますし、役者が目だってます。個々の役者がすごく印象に残
ります。そーゆーヒキョーなこともしっかりやってます。

例えばスキンヘッドの体育会系の教師みたいなヒキョーさです。あと、インテリっ
ぽい内気な先生は、まさにそれっぽいです。あれはステレオタイプというより、役
者がヒキョーな方向に走った結果だと思います。そーゆーの好きです。

●高校の第三学年職員室である。おない年(42歳)のベテラン教師が三人。ハ
イミスや若手もいる。教育実習生も二人。そこで交わされる、個性と主張のぶ
つかりあい。青森の地方都市の人間物語。

リアルタイム一幕一場。ある日の1時間40分が切り取られる。何が起きるわ
けでもない。小さな事件は起きる。生徒の万引き、事故・・・。すべては日常
の風景。事件は一つの背景。そこに生きる人々の、その瞬間の吸って吐いて。
(途中で暗転があったから、リアルタイムとは言えないか)

青年団を出すと、ちょっと先入観を与えてしまうので、ほんとは控えた方がいいか
もしれません。何も起きない・何も伝えない、って感じでは似てるんですけど、ず
っとハデですし、笑かしますし、言葉は洪水です。溢れてます。

青森弁がキツイのですが、外国語劇だと思えば、平気です。だいたい理解できます。
それでよしとしましょう。福島出身の東北語ネイティブの私でも、わかりましぇん。

作家のすごさがまずあります。なんでも、ホンを最初に標準語で書き、それを役者
が自分の言葉としての方言に直し、それを作家がもう一度、方言でホンに起こす、
という作業をしているようです。標準語でやられたものと比べようがないので、な
んとも言えませんが、リアリティはきっと方言の方が強まりそうですね。

役者はみんなうまい。特に42歳の三人のうち、子だくさんと体育教師じゃない人
がうまかった。練習が豊富なのかな。芝居の稽古の環境は、地方の方がいいのか。

さて、この芝居で何を伝えたかったのか、全くわからないが、一つのことをすごく
感じたので、私の個人的な印象を書きたい。つまり、「こんな先生達に教えられて
んだから、学校が面白いわけないよな。学校って不幸だよな。」ってこと。見てい
て、こんな先生達がきっと自分達の先生だったに違いないと感じました。職員室っ
て、すごい閉鎖社会だと初めて知りました。普通の会社における職場と違いますね。
んで、先生にとっては「学問」って過去のものですし、役に立たないものですから、
それで暮らすというのって不幸なわけで、いやな仕事ですね。教育制度が昭和のも
のであり、20世紀のものですから、21世紀に活躍する今の子供達って、かわい
そう以外の何物でもない。職員室もそうだけど、学校って救いようのない場だな。
なんてことをすごく感じて、いや〜な気持ちになりました。(これは芝居に対する
印象です。現役の先生方は怒らないでちょーだいませ。あたしゃヒネクレさ。)

それを狙った芝居だとしたら大成功でしょう。特に、それぞれの先生達がみないい
人であるところなんか、見事としかいいようがない。

エンディングは、なんだかしらないけど、えんえんと続いてました。さらっと終わ
った方がいいと思うのだが。どういう意図だったのか、全く見えなかったよ。

見終わって「こーゆー芝居はあまり好きなジャンルじゃないのだが、あと2〜3作
は、どしても見なくてはならない。青年団との合同公演も楽しみだ。」



五月の光線 (96.5)

かなり期待して観に行ったのですが、ちょっと肩すかしを食った感
じがしました。まあ要注目の劇団であることは間違いないと思いま
すけど。

とのっけから歯切れが悪いのは、体調最悪の状態で観ちゃったから
です。次回は万全の体調でちゃんと観たいもんです。

舞台(結婚披露宴の待合所)に次々といろんな人が出入りして、方
言まじりの会話をテンポ良く交わして行くあたりは、噂に聞いてい
たとおりで、面白いなと思いました。でも、各々の会話が割とバラ
バラな感じで、登場人物達の関係性がもうひとつ浮かび上がってこ
ないもどかしさがありました。

沈黙や暗転の挟み方とか音楽の使い方も、大胆で面白かったです。
でも逆に、大胆だと思ったということは、芝居の流れと自然にマッ
チしてなかったのだともいえます。

結局、いい意味でも悪い意味でも、粗野な印象だったのです。よく
青年団と比較されてますが、青年団はいい意味でも悪い意味でもも
っと丁寧ですよね。

今回のよりは、こないだの青年団との合同公演(『この生は受け入
れがたし』)の方が面白かったです。



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にしかど(nskd@enpe.net)