自転車キンクリート


概要
82年に日本女子大の学生が集まって結成。「躍進するお嬢さん芸」のキャッチで人気急上昇。その後、外部から男優の客演も迎え、本公演以外にもプロデュース公演を数多く打つなど、活動の幅を広げている。

構成員
主な作家
飯島早苗
主な演出家
鈴木裕美
主な役者
飯島早苗
鈴木裕美
池田貴美子
歌川椎子
柳橋りん
吉利治美
依田朋子
主なスタッフ
劇団の公式ホームページ
不明(たぶんない)

過去の公演

劇団リストのページへ

しっぽを掴まれた夏(90.8)

(下の文章の文責:一寸小丸さん)


自転車キンクリート/15回「しっぽを掴まれた夏」8月14日7時半〜9時半
新宿・紀伊国屋ホール(03−354−0141)当日桟敷2800円
作/飯島早苗 演出/鈴木裕美 客演/吉田紀之(ザズーシアター)

ふーん、飯島さん、そーゆーこと考えてんの。まあ、ビジネスマンの時代だ
からなあ。しかし、会社人間とフリーターとのそれぞれの青春、それぞれの
恋愛っつーなら、全然書き足りないよお。まあ、今ってゆう時代を切り取っ
たんだろけど、なんだかテレビだなあ。欲求不満てんこもりだ。芝居なんだ
から・・・、でも、あの路線はあれで好きです。もちっと深くエグってよ。

見終わって「北村想は井上ひさしになって、ひょっこりひょうたん島を書い
て欲しいんだけど、飯島早苗は向田邦子になるのかも。それは
それで、いいかもしんない。」

---
自転車キンクリートの今回の芝居について、賛否両論、と言うよりは、否定
の方が多いようなので、ちょいと発言だい。

「じてキンと私」と「今回のじてキン」(50行もあるよ)

池袋のシアターグリーンがグリーン賞を創設したのは、もう10年以上前。
初期の受賞者には3○○、SET(この時、審査員特別賞に離風霊船)など
があります。参加資格はホンの提出だけなので、スゲー素人劇団が出ること
もありました(それでも昔はレベルが高かった)。んで、84年頃(今もで
すが、ひとブロック5劇団を1800円の共通券で見れる)、私の友達が参
加したんで見に行き、同じブロックなんでついでに見たのがじてキンでした。
友達の劇団はキラークィーンと言って(今でもある)、最近花組芝居に出て
いる木原実さんなどがいました(立原さんと言う人がじてキンの徳井さんに
そっくりなんですが、別人でしょうか・・・)。で、私が感じたことは、キ
ラークィーンはいい役者がいっぱい(他にディープ菅原と言う、風間さんタ
イプのがいる)で、一方じてキンは、ど素人集団でした。だけど、キラーク
ィーンのホンは最低で、じてキンのホンは最高でした。その後、どちらが評
価されたかはご存じの通りです。芝居は役者だけど、劇団はホンだ、と言う
持論をそのとき私は確立したのでした。

で、じてキンのホン(飯島さんの)とはどーゆーものだったのでしょう。そ
れは、当時のはやりでもあったのですが(野田さんとか渡辺えり子さんの影
響です)、さまざまなストーリーが錯綜し、時間や空間を飛び越えるもので
した。お嬢さん芸を、ダイナミックなドラマツルギー(んな大げさなもんじ
ゃないけど)でつないでました。めまぐるしく変化する鈴木さんの演出も効
果的でした。きっと、それがルーツなんだと思います。それなのになぜ、あ
んな「できの悪いテレビ(私は言ってないよ、そこまでは)」になっちゃっ
たんでしょう。

1〜2年前に青山円形劇場で見て以来でした。演目もストーリーも覚えてい
ません。それぐらいつまんなかったんです。あのころから飯島さん、悩んで
たんですね。だって、こーゆー世の中ですから。ドラマなんて成立しません
よう。近未来がはやったこともありました(82年頃)。時空を飛ぶのも、
野田さんでさえ、やりません。なんつうか、芝居のネタが、現実に追い付い
てない程、世の中がムチャクチャなんです。で、鴻上さんは、もう純愛しか
ないってことになるんでしょうが、男はそれでいいけど、女は(飯島さんは)
純愛なんて、恥ずかしいんでしょうね。で、その結果が「しっぽを・・」だ
と思うんです。全然書き足りません。しかし、私は期待してます。あそこを
問題にした飯島さんはえらいと思います。こーゆー時代に触れました。まだ
触れただけですが、きっとエグってくれると思います・・・2年後には。

こーゆー時代に委細かまわず、メルヘンだとか、ドンパチだとかって簡単で
しょう。あるいは、過去とか未来とかに今を反映さすのもあります。でも、
この時代、やれ世紀末だ、平成だじゃなくて、この金ピカの90年代にあい
くちをつきつけるような、ずっとタイトな芝居を書いて欲しいもんです。飯
島さんはそこを狙っていると信じたいのです。ほっといたら向田邦子になっ
ちゃいますが、できればもうちょっとおぞましいのに・・・。だって、フジ
テレビの「東京ストーリーズ」の「ダイナマイト」は面白かったよお。

山の手事情社も実験してた。じてキンの実験はずいぶん前からで見逃しても
らえないかもしれませんが、どちらも2年先を期待しましょうってことでね。
んで、第三舞台はどー出るか・・・楽しみだなあ。あと、野田さんやつかさ
んの新作(つかさんのあの古い価値観が心配。上野千鶴子と対談でもやれば
いいのに・・・)。いや〜、変革期だなあ。


トランクス(92.1)

(下の文章の文責:一寸小丸さん)


自転車キンクリーツカンパニー餅枌洵綾「トランクス」1月23日7時(2:16')
新宿/紀伊国屋ホール 3000円 1/19〜26(10獣) 大阪(3獣)
構成・演出/鈴木裕美 脚本/飯島早苗 03-5489-4434 客480(満員)

82年に日本女子大の学生が集まって「躍進するお嬢さん芸」のキャッチで人気急
上昇したのが自転車キンクリート。その制作会社が自転車キンクリーツカンパニ
ーで、じてキンの不動のメンバーにとらわれない自由な公演をプロデュースする。

今回は、じてキン常連の男優陣による「男達の物語」(を飯島が書いた)。久松、
吉田、樋渡、徳井にSHA.LA.LAの入江が加わって・・・大騒ぎさ。(ゲ/大川豊)

うまい、楽しい、かっこいい。久々に三拍子そろったぜ。やりぃ。泣ける泣ける。

「かっ、かのじょー、カワイイッすね」「イッパツやらしてよ」「バカッ」「いいテ
ク持ってるよ」「ボッ、ボクは、その、熱心ですから」「るせー、ツベコベ言わずに
やらせろよぉ」「あっ、こいつ酔ってますから気にしないで下さい、お茶しま」「最
近やってないもんで」「そう、久しぶりなんです、生身は」「ボクはプロは嫌いな純
情派っす」「これ見てこれっ」「なにすんだ」「あっ、イクッ」「こんなとこでっ」
(これってヒンシュク? でも飯島(若い女性)が書いたんだい・・・こーゆーの)

高校生から30になるまでの、バカヤロウ達のなんだかんだだ。ナニしかないバカで
も大人になるんだよ。大人になってもバカなんだよ。必死こいてバカやってんぢゃん。

一昨年の「しっぽ〜」で現代を切り取ろうとしてた飯島。その入口に立っていた。そ
のドアを見つけたとこだけ評価できた。今回、しっかり中に入った。会話で面白いの
が飯島だ。みごとだ。でも飯島さん、もひとつ奥に部屋があるんだよ。そこを見つけ
てください。きっと書いてね。わーい、楽しみだなあ。飯島も、成長してんぢゃん。

見終わって「ひさまっつぅー。ばかだねぇ。好きよぉ。ぱちぱちぱち。拍手するぅ。」


ソープオペラ(92.7)

(下の文章の文責:一寸小丸さん)


自転車キンクリート「ソープオペラ」7月25日2時(2:22')
新宿/紀伊国屋ホール 3500円 7/2〜27(26獣) 大阪(4獣)・札幌(3獣)
作/飯島早苗 演出/鈴木裕美 03-5489-4434 客440(満員)

82年、日本女子大在学中の7人のメンバーが中心となり結成。「躍進するお嬢さん
芸」というキャッチフレーズとともにヒット。幼稚園から一緒の女の子達の明るい
ノリが注目され、公演のたびに男優を客演させる。今回は第三舞台の小須田さんの
他、吉田・久松・徳井・川原(ショーマ)らが参加。

●「ぜいたくな悩み」大行進。

●仕事の関係でアメリカに渡っている夫婦3組。アメリカのそれぞれの家庭での日
常的トラブルの数々。各々が抱える困難は、自身にとっては大問題。たあいもな
い争いが起きている。突然、ある家庭で本物の大事件。奥さんが記憶喪失。彼女
の大学生時代以降の記憶が消えた。学生時代の友人が結婚して訪ねてきたことの
影響かも。夫、あわてる。どおすることもできない。トラブルな一日が過ぎてい
く。

コミュニケーションの不足に起因するトラブルが示され、わがままな悩みのオンパ
レードだ。記憶喪失という「完全なコミュニケーション断絶」(なんせ妻は夫を知
らない)により、お互いの絆の再確認の作業を強いられる。そーでもないと、てめ
ーらのもろさを認識する機会って、ないもんなあ。

ソープオペラ的昼メロ話しが続く。どおってことないぞ。小須田家だけの話しでも
充分伝わるだろうに。だって、他の2軒の話しって、ほんとに昼メロなんだもん。

吉田さんは相変らずいい。つうか、ハデな芝居が板についてんのって吉田さんだけ
だ。他の人だと、不必要にオーバーに感じるぞ。見てて疲れる。もちろん吉田さん
も充分激しいんだけど、一貫してるし、キャラクターにまで昇華してるもんね。ま
わりが影響されちゃってるように感じたのだ。

見終わって「じてキンはいつも期待どおりに楽しい。油断していた小丸さんは、エ
ンディングで不覚にも・・・。でもさ、期待以上であるような裏切り
は、ないんだよなあ。」



ピロ−ト−ク(93.6)

(下の文章の文責:まねきねこさん)


6/5(土)2:00:15 紀伊国屋ホ−ル  自転車キンクリ−ト
        「ピロ−ト−ク」  作:飯島早苗 演出:鈴木裕美 F16席

   ジテキンは、吉田、京、りんの3人のだれか出てれば、満足なわたし。
  だぁ−。今回はだれも出とらん。不安じゃ。
   で、今回は、結婚と浮気をめぐった「わたしたちの気持ち」だ。
  「気持ち」と笑える会話、それぞれ楽しませてくれる。2つの間の
  隙間風が、ちっと気になるけど。まあいいや。
   歌川と客演の柳岡、近藤が、場をもりあげる。柳岡は、山の手とおなじ
  演技(^^)。終盤、ポイントの留守電。飯島うまい、にくいね。
   ところで、登場人物は30前後の思歙瀋蝓。このあたりの男って
  一番、芝居観ないんじゃないかな。すると、客のほうとしては、「私」
  または「そのうちのわたしたち」の気持ちになっちゃうな。うん。


絢爛とか爛漫とか(93.8)

(下の文章の文責:まねきねこさん)


8/14(土)2:00-3:45 晴れ  TOPS   自転車キンクリート
  「絢爛とか爛漫とか」 作:飯島早苗 演出:鈴木裕美  3列上手

 苦悩するは京さん、ひとり。ゆるいけど、後味よいのは彼のキャラのおかげ。
 舞台。縁側に面した座敷。古賀(京晋佑)の部屋。外は桜などが舞って綺麗。
 下手の花や小道具が季節ごとに変わる。細かい。花はけっこう演出に寄与してる。
 例えば最後は、寒椿。椿の赤は命の色。古賀の再起と呼応して明確な表現。
 座っての芝居が多いので、舞台が高い位置。ありがたい配慮です。前だと首痛い
 けどね。

 お話し。昭和始め。小説家を志す青年古賀が、自分の小説を得るまでの物語。
 回りの男達があ−だこ−だするけど、スポットはひとり古賀に。わかりやすいな。
 皆おぼっちゃま設定、さらにあえて生活を描かない本にしてる。パソ通上の文学
 談義ですね。こういうのも好き。どろどろしたの観たけりゃ、他に行けば良い。
 
 役者。岡田正さんは良く知らないけど、皆(京、吉田朝、原川浩明)はいつもの
 演技。ほんと、どの芝居でもおんなじだなあ。過度の演出、演技も、楽しいから
 いいや。京さん、ひさしぶり。相変わらずいい男。心が晴れます。
  8/29まで


トランクス(94.3)

内容等については、他の方が書いてるので省略します。

ともかく、楽しめる芝居です。

ストーリーや人物設定が単純で浅薄だという批判は可能なのですが、単純
浅薄だからこそこのストレートな面白さが生まれたのだという側面も見逃
せません。
そして、単純浅薄でしかもこれほどには面白くない数々の作品のことを思
えば、この芝居の面白さはやはりほめたたえるべきだと思うのです。

内容を書くかわりに、劇中のBGMを紹介。
Smoke on the water / Deep Purple (オープニング)
Private eyes / Daryl Hall & John Oates
My Sharona / The Knack (皆でマイ、マイ、マイ、と絶叫した歌)
De do do do, de da da da / The Police
Video killed the radio star / Buggles
Coming up / Paul McCartney
Ai no corrida / Quincy Jones
Celebration / Kool & The Gang
Fantasy / Earth, Wind & Fire
Endless love / Diana Ross & Lionel Richie (樋渡さんの恋)
Arthur's theme (Best that you can do) / Christopher Cross
Black or white / Michael Jackson
Nothing compares 2 U / Sinead O'connor
Rythm nation / Janet Jackson
U can't touch this / M.C.Hammer
Humpin' around / Bobby Brown
Everybody dance now / CC & Music Factory だっけ?
Saturday night / Bay City Rollers (エンディング)
3曲くらい抜けてる気がするんだけど、どうしても思い出せない……
-----------------------------------------------------------------
自転車キンクリーツカンパニープロデュース 『トランクス』
3/25(金) 19:00-21:40 シアターアプル 5列目上手より観劇
-----------------------------------------------------------------


(下の文章の文責:まねきねこさん)


3/26(土)7:05-9:35PM くもり 新宿・シアターアプル 自転車キンクリーツP
  「トランクス」 構成・演出:鈴木裕美 脚本:飯島早苗 満席

 ちと、憧れ。の前向きでかっこいい男たち。なつかしい設定、曲も○。

 お話し。高校時代のバンド仲間。男5人、15年間のあれこれ。
 ぼろぼろか、へろへろになるよなあ普通、の女と仕事ごたごた。
 軽くギャグ飛ばして、でもちゃんと気配り、現実踏まえた男たち。
 えらい。タフ。男のなかの男です。ラストも夢ともいえるかっこよさ。
 憧れます。いまさら歳のねこですけど。

 演出快調。さすが「男らしい」鈴木裕美。飯島脚本も泣かせる。
 後半。女取られた樋渡と取った入江。でもってその女と結婚したい入江は
 できない体。どうしようもない悲痛。の脇では、久松、馬鹿騒ぎのおかしさ。
 いいです。泣かせます。つらいけど、好きな場面。

 その久松がまたいい。すごみとおかしみ◎。六本木でホスト経験もある入江は、
 本領を発揮してほしかった。
 それと。ゲスト。大川総裁。5年税金払ってないとか、借金王ばなし。あはは。
 
 会場入ると正月で面食らう。初演は1月(92)だったから、まだよかったん
 だけど。そいえば、2年前はまだバブリィ残り香。ラストの景気設定はどうだ
 ったかしら。
  東京3/27まで 大阪4/3〜6



ダイヤルMを廻せ(94.8)

(下の文章の文責:まねきねこさん)


8/16(火)7:00-9:25PM 晴 新宿・紀伊國屋ホール 自転車キンクリート
「ダイヤルMを廻せ」原作:F・ノット 脚本:飯島早苗 演出:鈴木裕美 満席?

 ちと古風な犯罪ミステリ。ぞくぞく面白い。久松さんが無気味でいい。
 
 原作と役者のせいもあって、なんでジテキンが?、ジテキンらしさは?、の
 本格ミステリ。けっこうコワイ。客出しのムーンライダースが浮いて聞こえます。
 特に夫役の久松さんがこわい。真意とか感情がしれない。影の顔などぞくり。

 でも、我慢できなかったのか、ぱたぱたと笑いをとる演出も。警部役のそとば・
 山西さんとかは、ばたばたとして思わず笑ってしまう。
 今回みたいに、よくできた外部の本や原作を使ったのも、もっと見せてほしい。
 面白ければ、お客としちゃいいです。12月も原作付きだけど、どうなるかな。
  
 前回公演の上演時間のことを、じんのさんがふれていた(16番会議室#333)けど、
 今回もちと長い(2時間25分)。今回、途中に10分も休憩があるのは、?。
 全体、もうすこし短くしてほしい。笑いも原作にあわせて、少なくていいと思う。


蠅取り紙(94.8)

(下の文章の文責:まねきねこさん)


8/4(木)8:000:20PM 晴 新宿・紀伊國屋ホール 自転車キンクリート
 「蠅取り紙」     脚本:飯島早苗 演出:鈴木裕美  ほぼ満席

 お墓に布団ですか。ちくり、親不孝に反省ねこ。秋に温泉でもつれてくかあ。

 お話し。子供もほとんど独立。還暦(もっと若いか)も近い両親。二人の海外
 旅行の見送りに集められた子供5人。ところが旅行先で母親が病気になって・・。
 #124おとーたまさん、#129Renaissanceさん、#133めぎさんのRがあります。

 子と年いった親の関係、30過ぎての結婚など、よくある、でも難しい題材が
 背景。重たくならないのは、いつものジテキン。なんだかと賑わう舞台。
 反面、ちとばたばたなのが残念。揺れる心理が巧みな脚本だから、しんみり
 見させてほしいとこも。
 話しは、よくある怪談って訳じゃない。将来への不安とか不義とか、暗い部分が、
 お化けなのかと勘繰りねこ。そのへんで恐かったのは、こずえ(吉利治美)の夫:
 麻倉(菅原大吉)。前妻(故人)への電話なんて、想像するだけでぞくり。

 母親役の池田さんがいい。全体引っ張る。見直しました。
  東京8/8まで


法王庁の避妊法(94.12)


--- 【法王庁の避妊法】 自転車キンクリーツカンパニーP ---

 女性であることを売りのひとつにしてきた劇団の作・演出が、
オギノ式の荻野博士について語ろうというのだ。それだけで、ど
うしたってある種のメッセージ臭がつきまとうことは避けられな
い。

 それだけに、こういう芝居をやるのなら、倫理臭さをすれすれ
のところで肩すかしにするような、そんな微妙な配慮というもの
が、いつにも増して必要になるはずだと思う。

 一方、事実をもとにしている以上は無視できない太い流れとい
うのがあって、荻野博士に関する史実は、このあらすじにおいて
イマイチ起伏を欠いているのだろう。だから、脇役のキャラクタ
ー達の思想的な立場対立のあざやかさでもって主人公と芝居とを
なんとか盛り上げなきゃいけない。

 上記の二点はともすると相容れない部分があるのだろう。この
芝居では、後者が勝ってしまっている。だから、わかりやすくて
面白くて傑作だけど、正しくてクサくてかっこわるい。

 なんてヒネたことを書いてしまうのは、僕がすこし嫉妬してい
るせいもあるということを断っておく。じっさいのところ、この
芝居は産む性に対する僕の嫉妬をずいぶんとかきたてたので、そ
のことこそを書くべきだったのかもしれないといま思ってもいる
くらいである。

----------------------------------------------------------
【法王庁の避妊法】 自転車キンクリーツカンパニーP
 1994.12.10-19 新宿:SPACE ZERO 指3800
 12/16(金)ソワレ 10列目 満員
----------------------------------------------------------

(下の文章の文責:まねきねこさん)


12/18(日)2:00-4:45PM(休憩10) 晴 新宿・粛澎従渟 自転車キンクリーツC.P.
 「法王庁の避妊法」 作:飯島早苗 演出:鈴木裕美 満員

 いー芝居。気持ちがすっと胸に入って○。押し付けない問いかけと答えにも好感。
 
 お話し。昭和初期。オギノ式の荻野久作が、女性の排卵期の謎を解き明かすまでの
 日々。取り巻く人達の想いを中心としたドラマ。

 妊娠し、母となる。それに手放しの喜びや、どうしようもない悩み・悲しみを抱く
 人達。反する立場、気持ちを、わかりやすく丹念に。互いに思いやる暖かさも、胸
 にくる。素直に笑い、泣くねこ。ホンも演出も巧し。にくいにくい。ジテキン・ベ
 ストかも。

 自分の仕事が人の幸せに繋がる。なんと羨ましいこと。芝居を通して荻野氏に拍手
 。役者。適所適役。巧し。荻野役の佐戸井さん、明治生まれって律義さと芯ある研
 究者の演技がいい。不妊に悩み、後半キーともなるハナ役の戸川さん、泣かせる素
 直さ。よいなあ。
  東京12/19まで


無愛想な奥様 (95.4)

(下の文章の文責:まねきねこさん)


4/15(土)2:00-4:30pm 曇 新宿・シアターアプル 自転車キンクリーツカンパニ
 「無愛想な奥様」 台本:飯島早苗 演出:鈴木裕美    客席7,8割(400?)

 ツクシさん、ねこも観ました。後ろの席(16列)でも見易かったです。

 お話。家出して帰ってきた妻が別人。証明するものなんもなし男が、罠に掛かっ
 て絶体絶命というもの。
 「ナンセンス・コメディ」じゃなく、引き付けられるミステリ。おもしろい。
 いつも通り、芝居長くて、△。30分削ればもっとすっきりなのに。
 
 他人の目でしか、存在認められない。これ×の恐さ。ラストちゃんちゃん(大仕
 掛けあり)の後も、なんか不安感。まだ続きがあるような。
 ミステリぽくない、のどか雰囲気。にすっと恐さがはいるの、巧い。ぞくり。
 
 柳岡さんも、ちと大仰でちゃきなジテキン演技。警部役、こまつ座の辻さん。プ
 ロ警察らしさ+とほほおとうさんキャラで、味わい、○。(4/12-20)



ソープオペラ (95.08)

(下の文章の文責:にしかど)


〇〇〇〇〇〇 ソープオペラ × 自転車キンクリート 〇〇〇〇〇〇

じてキンは3度目です。昨年末の「法王庁の避妊法」は、FSTAGEの
年間ベストテンの作品・戯曲・演出各部門で3位にランクされまし
たが、これは私にとっては結構????な出来事でした。私はあの
作品が嫌いです。なぜ嫌いかというと、テーマの選択に教条的な匂
いがするのに、その掘り下げにおいてさらに説教っぽさを付加して
しまい、大げさでストレートな演技とあいまって、文部省推薦的ダ
サダサ芝居と化していたからです。あ、いいすぎました。すみませ
ん。

この作品は、ずっといいです。面白かったです。

わりとストレートな演出が魅力の劇団ですから、テーマ臭さはなる
べく抑え目にした方がいいんだと思います。今回のでも、みんなで
集まって日米関係についてあれこれ話すシーンとかは、やっぱりシ
ラケてしまいました。逆に面白いのは、なにげない会話の部分です。
等身大、とか言われるのは本人達もイヤなのかもしれませんけど、
なにげなく面白い、ってセンにこだわってほしいものです。

登場する女性達はみな、優しい旦那とぜいたくな暮らしに囲まれ、
世間様からうらやましがられるような奥さん達です。はたからみれ
ば何の不自由もなく幸せだろうけど、それでもやっぱり悩んでいる
んだよ、というのには、結構切実なリアリティーを感じます。切実
さにしても、そういうなにげないところの切実さがいいですね。

役者はさすがにそれぞれ魅力的でした。陰と日向の好対照、吉田朝
・歌川椎子の夫妻が良かったのはもちろんですが、はじめてみた実
直な三枚目の三上壱郎・わがままプッツンの鴇沢麻由子の夫妻がと
ても印象に残っています。

●お約束の天気予報。

(1,はな) 晴れときどき曇り。
(1,マル) で夜は花火。
(1,はな) ではみなさま、ごきげんよう。(^_^)/

==============================
【ソープオペラ】 自転車キンクリート
 作:飯島早苗 演出:鈴木裕美
 1995.8.2-23 紀伊國屋ホール
==============================



(下の文章の文責:まねきねこさん)


8/20(日)2:05-4:55PM(休憩10) 晴 新宿・紀伊國屋ホール 自転車キンクリート
 「ソープオペラ」原案・脚本:飯島早苗 原案・演出:鈴木裕美 A席4000
  7列上手より 客席超満員(460)

 '92作の再演。キャストは下記参照。初演より15〜20分?長い。エピソード追加
 のせい?、より丁寧なせい?。キャストじゃ、水原・夫が初演:小須田さんのが
 印象強い。吉田さん、カラオケ嫌いに見えないん(ただの勘)だもの。

 お話。夢を形にしたり、置いて来たり。それなりやって来て、回りを見渡す30
 代。3組のアメリカ駐在員夫婦の小さくて大きな事件。
 
 役柄わかり易い。その悩みや喜びも、身近で体感できる。表情も細かでくっきり
 してて○。特にたまきは、いい役。健気で泣かせる。ラストの花火と復帰の演出
 は、鮮やかで見事。彼らの生活も現実的な夢でちょっと憧れ、いい気持ち。
 でもね。みんな悩んでて、その思いの量は受け取るにはちと多すぎ。あと、日本
 と世界の話などは、蛇足と思う。少し疲れたねこ。

 役者。みな輝いてて○。鴇沢麻由子さん。頼りになりそな、野放図さ?が気に入
 る。池田貴美子さん。前よりこわもてになったような。柳橋りんさん。髪型のせ
 いか、太ったような。京 晋佑さん。彼の笑顔は手放しで○。
 (8/3-23 22ステ、大阪9/1-3 5ステ)

 キャスト  初演'92 7/2-27(26ステ)         今回 
       紀伊國屋ホール(他大阪4ステ札幌3ステ)  
  水原達也    :小須田康人           吉田 朝
  水原たまき   :歌川雅子            歌川雅子
  椎名浩之    :吉田紀之(吉田朝)  椎名洋一:京 晋佑
  椎名杏子    :柳橋りん            柳橋りん
  鮎川幹夫    :川原和久            川原和久(ショーマ)
  鮎川よしえ   :吉利治美            吉利治美
  杉本伸良    :久松信美            久松信美
  杉本恵美子   :池田貴美子           池田貴美子
  葉山利次    :徳井 優       葉山一郎:三上壱郎(M.O.P.)
  葉山ゆり子   :依田朋子            鴇沢麻由子
  チラシの絵   :じゃがいも           カリフラワー
                (劇場配布のパンフより)


劇団リストのページへ
にしかど(nskd@enpe.net)