東京乾電池


概要
自由劇場の柄本明と綾田俊樹を中心に結成。その後、岩松了が作・演出を担当するようになり、『蒲団と達磨』で岸田戯曲賞を受賞。岩松は、いまは脱退している。

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東京乾電池

過去の公演

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Vol.36 お父さんのお父さん (90.11)

(下の文章の文責:一寸小丸さん)


東京乾電池 Vol.36 「お父さんのお父さん」11月3日7時(1:35')
下北沢本多劇場 前2800円、当3000円 11/1〜11
作・演出/岩松了 03-476-1495 客450(定員384)(男女=3:7)

階段に座るだけじゃ足りなく、壁際に立つ十数人の客を見て、柄本「こ、こんなに
入ったの何年ぶりでしょう。ほんと、よございました。」

岩松了の「お父さんシリーズ第3部・完結編」。出来、すごくいい。

お父さん(柄本)のお父さん(北見治一)は離れで一人暮らし。病院で知り合った
28歳の娘さんが親切に世話を見てくれる。そこでお父さんは、この際だから籍を
入れちゃえばいいと考えてる。その娘は夫と死別して7年。お父さんのお父さんは
土地もあって、遺産のことを考えると彼女を幸せにできる。彼女も悪いようには考
えていない。しかし、世間の目を考えるとお父さんのお父さんは踏ん切れない。近
所の電気屋のセガレを紹介したりしてる。お父さんは歯痒いのさ。

お父さんの職業は先生。生徒、奥さん、同僚や同僚の奥さんが、それぞれに問題を
かかえながら、日常は慌ただしく過ぎてゆく。

さりげない日常ってホンにするの大変だと思う。計算しつくされたホン。柄本が応
えて、ホンと戦っている。柄本の出来で、全体が決まる。今日は、テンション高く、
良い良い。でも、途中で挿入される歌とか、懲りまくってるし、ゲストの蛯子能収
さんの動けない動きなんかも、しっかり計算されている。ていねいだよ。

見終わって「寝ましたけど、ちゃんと寝過ごす前に起こしてくれる。おもいっきり
笑いましたし、感心しました。」



Vol.2 真夏の果実 (91.7)

(下の文章の文責:一寸小丸さん)


東京乾電池プロデュース Vol.2「真夏の果実」7月15日7時(1:29')
新宿/シアタートップス 前ベンチ\2800、前指\3000 当\3300 7/13〜21(12ステ)
作/ベンガル 演出/綾田俊樹 03-3476-1495 客160(9割)全椅子

柄本明率いる東京乾電池のベンガル・綾田が島崎めぐみ等を迎えてプロデュー
スする公演の2回目。ベンガル・綾田の熱演だけで勝負。

カンちゃん(綾田)とビンちゃん(ベンガル)は40才の双子の兄弟。カンち
ゃんはインドにかぶれてて、シタールを奏でる自由人。ビンちゃんは丹精込め
て納豆と黒酢を自作する自然食品派。庭に野壷を作り、地域社会のつまはじき
となるが、全然気にしていない。ふたりとも結婚しそうにない。

でもカンちゃんの恋人が家に出入りしている。小糸ちゃん(島崎)は水晶玉の
霊力を信じ、あれこれ祈ったりしている。小糸ちゃんの愛をカンちゃんは負担
に感じ始めており、逆にビンちゃんは、彼女が気になってしょうがない。そん
なこんなで、兄弟喧嘩は今日も絶えない・・・。近所もうるさい。もう寝よう。

ベンガルっぽいムチャクチャな話しを、綾田さん風に淡々と綴っていく。うま
いし、描かれる世界は確かなものだけど、私にとってはもの足りない。

見終わって「私の隣の女の子はスゴク笑ってたけど、その隣の女の子は全然笑
わなかった・・・。な、感じだな。」



みず色の空、そら色の水 (93.9)

(下の文章の文責:まねきねこさん)


9/23(木・祝)7:00-9:00PM 雨   新宿・シアタ−トップス  東京乾電池特別公演
  「みず色の空、そら色の水」 作・演出:竹内銃一郎   客席90%

 すてき、大好き。なんでもある小宇宙。緻密さと不自然さのバランスのよさ。
 
 お話し。高校の演劇部の合宿。「三人姉妹」。宿、別荘の心中した亡霊のうわさ。
 合宿の夜のわいわい。先生と生徒の恋、不倫。不安。焦燥。あこがれ。怒り。
 そして、時間と場所をへて思いだす夏の日、少女のとき・・。
 哀しさと歓びをのせてまわるメリ−ゴ−ランドお芝居。

 とてもよいです。先の二兎社を観て以来の、指折りベストの一つ。
 タイトルがまずいい。すっとしてる。細かいところにも、目を配った作・演出。
 小道具(舞台模型、モデルガン、ビデオカメラなど)も、心と場面を効果的に代弁
 する。それと、竹内銃一郎作品らしい清涼な照明。うまいぞ、にくいぞ。

 数回さしはさむ広岡由里子(舞台美術担当、舞台に出ようとはしない。内向的な
 役)のモノロ−グが、一歩距離をおいたト書きに。流れるおおたか静流のブラ−ム
 ス・ヴォ−カリ−ズ。目と耳にやさしく、心に痛い。
 彼女は話せる自分のお話しがないと、うそを話し。それを嘆く。自分と重ねる。
 ねこにも語るに足る十代の話しがないなあ。思い出をもつなんて、最近考えようと
 もしなくなった。舞台を観てさびしい気持ち。

 突発するおおぎょうで、不自然な演技が笑いを誘います。でも、違和感がないのは
 不思議。ひとしきり笑って、切なくなったりも。むしろ自然な演出に思えます。
 竹内銃一郎作品特有の「花」の演出は、登場人物ひとりひとりが言わば「花」に。
 それぞれ個性ある花を咲かせています。
 役者では、加藤尚美。先生と恋する生徒。凛とした表情が印象に残る。



三人姉妹 (93.11)

(下の文章の文責:まねきねこさん)


11/27(土)2:00-4:30PM 曇 下北沢・本多劇場 東京乾電池
  「三人姉妹」   演出:柄本明     客席9割

 いらいらのいらチェーホフ。しがらみでぐるぐる。囚われの三人姉妹。

 そう。モスクワに行きたくもなるわ、彼女達。でも、なんでできないか。
 彼女達のしがらみ、夢見る気持ちがとても解る演出。
 くたびれて、なんかいやらしい周りの登場人物。いらいら気分になる
 棒読み、早口、せかせか歩き。彼女達の嫌悪感。そのあからさまな表情、
 台詞。「三人姉妹」暗黒面ですね。
 
 カトケンの「三人姉妹」は、恋愛劇だった。華やぐ現実遊離のTVドラマ。
 ショコラの味わい。
 こちらは。わざとらしくも現実的。「生きて行きましょう」がほんと切実。
 今夜の酒はにげえぜ。つまみは・・。なとりの乾きものか。ちっ。
 つれえよなあ、おい。な世界。こんな皮肉な味わいも、ねこ好きです。
 
 役者。柄本明。自分で創って自ら壊す。酔っ払ったチェブトイキンの
 とほほぶりが見物。
 それと。高校生以下は前売1800円、当日2000円(一般当日3800円)だそう
 です。(これぴあ、チラシに載ってません。駅前ポスタの貼り紙情報。)



椎茸の栽培 (94.5)

(下の文章の文責:まねきねこさん)


4/29(金)7;00:40PM 晴れ 下北沢・スズナリ    東京乾電池P
 ”椎茸の栽培” 原作:岸田國士 構成・演出:ベンガル  満席

 けらけら、笑っちゃう。変で、結局何だかわかんないとこあるけどさ。
 お話し。山奥。椎茸菌の2業者(綾田、ベンガル)。くさび式だ、おがくず式
 だといがみ合い。そこに、都会から自称椎茸研究家が。椎茸栽培は、金にならん
 と言い出して・・。
 原作のお話しあるんでしょうけど、好きにいじってる感じ。綾田、ベンガルの
 ぼけらった突っ込み台詞が冴える。これ、楽しめるかがポイント。ねこは大笑い。
 村人の若手はもひとつだけど、ちときてる役柄がいい。
 笑って楽しみたいひとにお薦め。(連休中は余席ありとのこと)



眠レ巴里/満月ノ夜 (94.10)

(下の文章の文責:まねきねこさん)


10/2(日)7:00:00PM 晴 駒場アゴラ劇場  東京乾電池特別公演
「眠レ巴里」作・演出:竹内銃一郎「満月ノ夜」作:東京乾電池 演出:三股亜由美

 日曜ソワレならと油断大敵の当日券。超満員(180?)。なれど中央通路で
 まあ見易し、ほっ。関係者も多そうだった、東京乾電池若手公演、2本立て。

 1話。竹内氏書き下ろし?。姉=中村小百合、妹=黒田訓子。たわいない二人
 の口けんかは、生き生きしていい。中盤から辛い現実が見えてきて、夢を語る
 二人が哀しい。ラストは夢の中。芝居はこうでなきゃ。二人とも、もー姉妹
 って配役で○。段ボールをつんだだけの美術が、明りで夜の街に見えたりする
 のがにくい。上演時間50分。話しが見えることもあるし、もっと短くても
 いいかも。
 2話。スチャラカな大仰演技、しぐさ。しょうがないなと、思わず笑いねこ。
 でも、けっこう細かな心の動きが出てていい。と観ると、やかましすぎかな。
 上演時間60分。 

 どっちも短かくて◎。こんなお気楽1時間くらいの芝居(10時劇場みたいの)
 が、もっと増えればいいのになあ。



桜の園 (94.11)

(下の文章の文責:まねきねこさん)


11/6(日)2:00-4:00PM 雨 下北沢・本多劇場 東京乾電池
  「桜の園」      演出:柄本 明    ほぼ満員?

 ブラックな可笑しみの東京乾電池・チェーホフ。かもめ、ワーニャ叔父さん、
 三人姉妹をやって、これで4喜(悲?)劇そろいぶみ。お話しは略ね。

 客電はいったまま、臼暗がり舞台を役者うろうろ。いらいらさせながら、滑稽
 なとこも。くすり。明り入り、中央ベール越しに枯れた立ち木。役者は満開の
 桜だ、などと。桜の園、暗黒面の始まり。性急でいらつく、とげとげしい会話。
 無表情な役者。例えば、娘のワーニャ(広岡由里子)。真面目、けなげでしっ
 かり者、てのが普通。ここでは、すぐつっかかるいらいら姫。あいきょーなし。
 という具合。

 泣きと暖かみがないドライさ。不快というより、むしろすっきりして○。偽善
 を排した心地好さというところかな。



あな恐ろしや、ガジュマルの森 (95.4)

(下の文章の文責:まねきねこさん)


4/23(日)2:00-4:00PM 晴/雨 下北沢・スズナリ 東京乾電池若手公演
 「あな恐ろしや、ガジュマルの森」 構成・演出:綾田俊樹 客席8割(140)

 「夏の夜の夢」を南の島、そこの神様と島民のばたばた設定で。始めに、どっか
 工場のOL達と会社員のやり取り。キャラが本編とダブって、わかり易く面白い。
 課長->神様、ぱっとしない・結婚に憧れるOL->ヘレナ、てな具合。原作のセク
 シャルなとこ、妖しいとこ全然ないの、さっぱりしてて好感。最後、OLの夢だ
 ったの?は、ちと不思議さ残る。これもいー感じ。

 皆、台詞喋るので精一杯?。その上滑りぎみも可笑しさの内。かしましいOLの
 悪口とか、微笑みねこ。うるさいこと言っても、しょうがない。日曜お昼にうれ
 しい・お気楽さで、○。

 ぴあ券持ってたんで、ノルマ券買えなくてごめんねの山川智子さ
 ん。パックの助手?役。気さくそうなとこ、○。(4/18-23)


改訂版・質屋の女 (95.5)

(下の文章の文責:まねきねこさん)


5/27(土)7:00-8:30pm 晴 新宿・シアタートップス トップス、東京乾電池提携
「改訂版・質屋の女」 原作:P.シェーファー 作・演出:綾田俊樹、ベンガル 満員
 
 お話。質屋の亭主(綾田俊樹)と、若妻(伊沢磨紀)。最近、会話とか滞りがち。
 妻は毎日どこぞにふらふら。さては浮気かあと、亭主は探偵(ベンガル)に尾行
 を依頼する。結果は・・・。'90-6の再演。初演の「質屋の女」は木野花。なぜか
 作・演出は、ヘーゼル・ユパンキと謎の人クレジットでした。大筋とギャグしか、
 おぼえてないねこ。どこが、改訂かは、?。

 初日。大好きな三人が観れて嬉しい。最近、演出ばっかの綾田さん。思い込みハイ
 テンションおやじ演技、◎。説教途中での脱線うんちく話がいってて、真摯ですご
 い。受けるベンガルが、おおぼけぼッB二垂ノホbト、いい気持ちねこ。伊沢さん
 は、ホッピーがおいしいとか、嬉しそうな表情が、○。

 とぼけた笑いの中、骨子に、夫婦のディスコミュニケーション。以心伝心の回復療法なんて、
 気の利いたラスト。日本以外、そんなのあるかと思う。当たり前か。(5/27-6/7)

 開演間際の当日券、ベンチシートで。会社帰りとか観るのもいい、お気楽さあり。



みず色の空、そら色の水 (95.09)

(下の文章の文責:まねきねこさん)


9/10(日)7:00-9:00PM 晴 下北沢・本多劇場 東京乾電池(特別公演)
 「みず色の空、そら色の水」 作・演出:竹内銃一郎 前売3000,当日3300
 4列下手より 客席8割(280)

 清々しく晴れながら、哀しい涙色のみず色。毒とやさしさ。遊びも楽しい再演。

 '93-9TOPS公演再演。意外に違わないキャスト(下記)。役者年取った分、高校
 生とはかけ離れたグロさ、増した印象。これに限らず、年1、2回の東京乾電池
 若手+竹内銃一郎公演は、ねこにはちょっとした宝物。可笑しくてとても悲しく
 て、夢があって。大切にしまっておきたい気にさせるから。

 お話。60歳を過ぎた(2045年)老女が回想する、高校生の夏の日。チェーホフの
 三人姉妹の上演のため、夏合宿をする高校演劇部の合宿風景。あどけない日々、
 不倫の恋、友情、希望、悔恨・・。

 老女が逡巡して語る合宿の記憶は、60年間持っている舞台模型のように変わらな
 い。彼女の立ち振舞いは高校生のまま。グロくて見苦しい。けど、記憶は彼女に
 やさしく、心は澄み切っている。残酷で、可笑しくて、哀しい。絶妙さ、◎。
 舞台の彼女。リアルな老女でなく、あくまで高校生のままの姿。この芝居の夢が
 泣かせもする。いいなあ。

 遊び楽しい。考えてることをくさい芝居であからさまとか。意味無くエキセント
 リックとか。その後ふっと考え込む台詞がいいとか。「天城越え」で整理体操は
 、まあ婆あの回想だからかとか。ちょっと年行った女性に高校生やらすのは、
 婆あと、グロさシンクロか?とか。再演でも、いろいろ面白い。

 役者。目鼻立ちがくっきりして、お団子髪の斎藤直子。かわいい。お団子髪に弱
 いねこ。いろいろ悩んじゃう役の加藤尚美は、暗さがいい。自主映画に誘われて
 振られちゃって、モデルガンで男を打っちゃう子(ハシズメ)が好きだったねこ
 凛としてた初演の石井麗子のが好き。(9/3-10 10ステ研究生公演3ステもあり)

 部分キャスト 高校生役17人+5人初演('93-9/18-30TOPS 15ステ)時と違う配役
        のみ列挙。                    ^^^^
                     
                   初演      今回  
 2年 エンドウ・シズカ(部長)   鈴木千秋    山崎聡子
 1年 コバヤシ・マリコ(オーリガ) 日永尚見    篠原眞理子
    ハシズメ・ミホ (マーシャ) 石井麗子    日永尚美
    ニシダ・ヒロコ (イリーナ) 菅川裕子    斎藤直子
    アサミ・チグサ (ナターシャ)吉添文子(!)   菅川裕子
    マツムラ・シノブ(クルイギン)黒田訓子    高倉寛子
    キノシタ・カズミ(衣装)   吉田友紀恵   黒田訓子
    ウエノ・コウジ (照明)   二井内義哉   竹林義修・三橋良
                          (ダブルキャスト)
    タキグチ・ケンスケ(OB)  矢沢幸治    谷川昭一郎
    スギヤマ・マコ  (顧問)  三股亞由美   鈴木千秋
    モリオカ・トオル (顧問)  鈴木信幸    前田繁昭
    コンノ・リュウ((大学生)) 乗松 薫    竹林義修・青柳省吾
                          (ダブルキャスト)



氷の涯 (95.10)

(下の文章の文責:まねきねこさん)


10/21(土)7:00-8:50PM 晴 下北沢・本多劇場 東京乾電池(03-3476-1495)
 「氷の涯(はて)-双子と整形の悲惨物語-」 作・演出:竹内銃一郎
 中段上手から 客席ほぼ満員(380)

 柄本明と広岡由里子、入れ代わり二役二人芝居。お話。さえない中年男・ポドゴ
 ーリン(柄本明)は、オールドミスのオーリャ(広岡由里子)と浮気。とまどい
 ながら本気なオーリャ。ポの妻で、オの双子でもあるアーリャの眼から、どーの
 がれるか。一計案じたポは、大量殺人者の脱獄囚イワンを整形、替え玉にしたが

 しかけ、遊びいろいろ楽し。ソープオペラな話、演出もけっこう下らなくて○。
 双子と替え玉の仕掛け。後半とかいれかわり立ち代わり、ぐるぐる混乱ぎみねこ
 ぼーとしてくる・この気分好き。ラストでまた一捻り。微笑みねこ。つくりの仕
 掛け。前半は、理屈言い人物、セット、音楽とかチェーホフ劇風?。後半は、悪
 漢な人物とかブレヒト風??。台詞回し遊び。竹内氏+東京乾電池でお馴染みの
 日常、非日常混在もの。棒読み、芝居掛かりかと思うと、くだけたりへりくだっ
 たり。変化がいろいろで面白い。恋愛泥沼ものだけど、ドライな感じにも好感。

 役者。柄本さんは、いつものお呆け。下らない場面でも、真摯にみえてほんとい
 い。広岡さんは、役の変化をきちんとつけてて○。(10/16-25 12ステ)


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にしかど(nskd@enpe.net)