マシュマロ・ウェーブ


概要
もとは早稲田大学の学生劇団。イカ天バンドのスイマーズもこの劇団から派生したユニットとか。1994年、爆弾小僧が3年ぶりに復活し、新たな活動段階に入った。(その後、爆弾小僧はふたたび離脱)

構成員
主な作家
爆弾小僧
山下哲
主な演出家
木村健三
主な役者
爆弾小僧
木村健三
山下哲
主なスタッフ
劇団の公式ホームページ
マシュマロ・ウェッブ

過去の公演

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猛烈医学・ウミベデサルト

−−【猛烈医学・ウミベデサルト】−−マシュマロ・ウェーブ−−

大変です。ちょっと絶望的なくらい面白い。

毛色のまるで違う2話のオムニバスです。

1本目は、「猛烈医学」。猛烈に下らないお話です。

爆弾小僧演じる中野は、慶応大学赤ひげ手術同好会?の主催者。子
供の頃から手術大好きで、いまは文学部に籍をおきつつ、患者を探
しては手術に励む熱血青年です。その後輩、木村健三演じる藤原は、
バカのでくのぼうですが、中野を敬愛し、助手を務めています。そ
う、同好会といっても会員はこの二人だけなのです。

そこに絡むのが、山下哲演じる蘇我。医学部の学生で、大病院の跡
取りのインテリお坊っちゃんです。中野とは子供の頃の手術仲間で、
また一緒に手術をしたくてたまらないのですが、藤原が目の上のた
んこぶ。何とか中野と藤原を引き離そうと画策します。そんな3人
が繰り広げる、どこまでもバカバカしい友情とロマンの物語。

手術が好きとかいっても、実際どこがどう好きなのか全くわからな
いのですが、それでもとにかくもう死ぬほど手術が好きなんだとい
うことが、ビンビン伝わってきます。手術のシーンの爆弾小僧の演
技なんか、もうすごいのすごくないの。やってることはバカバカし
いのですが、とにかく猛烈にマジメにやるので、バカがマジメを突
き抜けて、マジメがバカを突き抜けて、もう大変な騒ぎです。マジ
メとバカが渾然となった、とにかく猛烈な世界。

2本目は、「ウミベデサルト」。漢字なら、「海辺で猿と」。こち
らは、ちょっとシリアスなストーリーです。

爆弾小僧が演じるのは、動物と話のできる知恵遅れ?の少年。自分
で作っている新聞の取材のため、サル園にやってきます。そこにい
たのが、人間になりたいサルのセンキチ(山下)。交流を深める二
人。ある日、飼育係(木村)が、サルは海に入ることでしっぽがと
れて人間になれる、という話をします。それを信じた少年とサルは、
檻を抜け出して海辺へと向かいます。そして……。

「猛烈医学」の方はわかりやすいお笑い作品でしたが、こちらの方
は、より困難なチャレンジをしています。キャラクターや行動のひ
とつひとつはおかしいのですが、それを載せるベースの部分には、
せつなさと呼んでいいものが流れています。そして、このとりあわ
せが、何ともいえないいい味を生んでいるのです。おかしさがせつ
なさを突き抜けて、せつなさがおかしさを突き抜けて、おかしせつ
ない微妙に不思議な世界。

まじめバカとおかしせつなさ、このふたつを連続してやってみせる
んですから……。この人達、かなり相当、とんでもない。

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【猛烈医学・ウミベデサルト】 マシュマロ・ウェーブ
 作:爆弾小僧 演出:木村健三 (2話とも)
  爆弾小僧 木村健三 山下哲 松本光生(FUJIYAMA NIPPON)
 1995.5.10-12 草月ホール 5.12 Fri Sw 楽 最前列 満員
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猛烈王 (95.12)

爆弾小僧は天下無双だ。

今回の公演は出演者が多かった分だけ爆弾小僧の出番が少なく、彼
のすごさたるや、たとえば他の劇団のいくつかの舞台では名優と思
われた久松信美などがスモークの彼方に霞んでみえるほどなのだか
ら、全体としてはその分だけ物足りなくはあったのだけれど、それ
はそれでまた爆弾小僧のすごさを引き立てることにはなったわけで
ある。

ためしにこの公演から爆弾小僧を抜いたらどうなるかをイメージし
てみればいい。はいどうぞ、ほらね。

爆弾小僧の世界は、子供の世界だ。「ウミベデサルト」において彼
が演じた知恵遅れの少年がその典型であるが、子供の脈絡のないエ
ネルギーの噴出には、常識とか制度とかあらゆる停滞したつまらな
さを、不意に揺るがしてしまう猛烈な力がある。それが、ある種の
演劇やお笑いが標榜する「常識への挑戦」とか「制度への反発」と
かとは全く異なっているのは、端的に言って後者は大人の態度であ
るのに対し、前者は子供の態度だからだ。後者はおりこうさんで、
前者はバカである。子供とバカは手に負えない。

例えば「2次元劇団エジプト」における劇団のあり方というのはま
さにそれであって、彼らが2次元で芝居を演じるのは、「常識への
挑戦」「制度への反発」といったおりこうな戦略とはまったく無縁
の、「3次元でやることに気付かなかった」というとことんバカな
理由によるのである。バカは可笑しい。

しかしもちろん、同じバカでもマシュマロ・ウェーブと2次元劇団
エジプトとは同じではない。「2次元劇団エジプト」という脚本を
書けてしまう爆弾小僧はれっきとした戦略家であり大人なのである。
赤の他人の私が言うのもなんだが。で、そのれっきとした大人があ
えて子供へと向かおうとするその姿勢にこそ、れっきとした大人で
ある私は惹かれてしまうのであって、その困難な試みを奇跡的に成
功させている爆弾小僧の夢中にイノセントなバカ姿を見ていると、
笑いを通り越して思わす意味なく涙まで浮かんでくる。

      (猛烈王/マシュマロ・ウェーブ 1995.12.2-5 本多)



(下の文章の文責:まねきねこさん)


12/2(土)3:00ー4:30PM 晴 下北沢・本多劇場 マシュマロ・ウェーブVOL.39
 「猛烈王 Aブロック 三つ子物語/ウミベデサルト」 前売2500,当日2800
  後方中央より 客席7割(280人)

 もう10年なの。たしか、みどりちゃんとかいう早大の劇団OBが結成したマシュ
 マロ。最初の5年くらいは、へたうまシュールなショートコントを年2本の割合で
 ジァンジァンなどで上演。そののち、キャラメル公演などに潜伏、ここ1、2年でまた
 演劇表舞台。初期の切れた演技が圧倒的だった爆弾小僧(生きててよかった)も
 復活。喜ばしい。今回は昔でてた(いつか?)、ジテキン・久松信美、ラッパ屋・岡山は
 じめ、元EDメタリック・松本光生も登場。和久田さん、木林森(旧・小林)さん(両
 人TBプラネット)、出てないのは、ちと残念。

「三つ子物語」
 お話。死刑囚の兄を助け、クロサワ映画に出ちゃおと、三つ子が奮闘するというもの
 なんかもう幸せ。爆笑ねこ。一言じゃ、そっくりさん達の混乱スラップスティック。
 けど、もんきりの仕掛けなし。なりゆきでへろへろ変わる設定。芝居のうそといいか
 げんさ、想像し翻弄される楽しさ、一杯。◎。何より、役者とホンによってできてるの
 も○。つくり込まれた・へたうまさ、すごい。
 勝手に切れてる、爆弾小僧は変わらず絶妙な面白さ。久松、岡山さんが、芝居になっ
 ちゃてる感じ(うまく言えない)で、ちと△。

「ウミベデサルト」
 お話。人になりたい猿と、ちと頭の足りない少年の交流。
 少年:爆弾小僧の無垢さに心が洗われる。て、どうするとも思うねこ。入魂というか
 演技◎。猿:山下哲が好き。仕草とかリアルじゃないのに、おどおど具合とか、ほんと
 に猿らしくて愛らしい。彼、また劇団作らないかしら。トランジスタ・ヒッピーズ
 (5年位前まであった。アリスフェスも出た。)の最後のころのへなちょこ感覚が好
 きだったねこ。(Aブロックは、12/2M,3S,4S)



(下の文章の文責:まねきねこさん)


12/2(土)7:30ー8:55PM 晴 下北沢・本多劇場 マシュマロ・ウェーブVOL.39
 「猛烈王 Bブロック 二次元劇団エジプト/カンキリ君/代官山の意地」
  前売2500,当日2800 中段上手より 客席ほぼ満員(380人)

 Aブロックは単純面白い。Bブロックはマニア度を増した印象。Aが好き。

「二次元劇団エジプト」
 「壁画」を芝居化する地方劇団が、立ち上がり成長するまでの物語。
 演劇とはなんでしょう、とまず評論家(久松)。芝居の進化を、逃走する赤ん坊にな
 ぞらえるラストは鋭いとか思うが、良くは分からない。内容は変わらずへなちょこ
 笑えるけど、ちと考えちゃう。劇団の最初のインパクトが、最後まで持っていけなか
 ったかな。面白いけど。プロデューサ(爆弾小僧)の名前に笑う。いいのかな。

「カンキリ君」
 びんぼー?な少年が、遠足のお弁当に缶詰をもらったけど・・というもの。
 少年:爆弾小僧のカンキリ演技につきます。

「代官山の意地」
 小じゃれたバー、湾岸を舞台にした、相撲取りの恋の物語。
 旧作再演。こんなだったか、記憶なし。アダルト雰囲気に珍入する、相撲取り:小橋
 豊、岡山はじめが◎。変にかわいい、爆笑。まげを掴むと死ぬっすって、何だよ。お洒
 落な相撲取り、久松信美が美声年。爆弾小僧の美女はうーん。勝負の後、ニューであ
 っさり再生てのがいい。最後はきれいにしめて、○。(Bブロックは、12/2S,3M,5S)


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にしかど(nskd@enpe.net)