M.O.P


概要
大阪の人気劇団。正式名称はマキノ・オフィス・プロジェクト。マキノは94年度の芸術選奨新人賞を受賞。

構成員
主な作家
マキノノゾミ
主な演出家
マキノノゾミ
主な役者
木村緑子
三上壱郎
小市慢太郎
主なスタッフ
劇団の公式ホームページ
http://www.g-mop.com/

過去の公演

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Vol.21 HAPPY MAN 異聞(92.7)

(下の文章の文責:一寸小丸さん)


M.O.P.Vol.21「HAPPY MAN 異聞」7月29日7時(2:18')
新宿/シアタートップス 前2500円 当2800円 7/28〜8/2(7ステ)
作・演出/マキノノゾミ 06-455-8878(ボーダー) 客150(ほぼ満員=桟敷も)

京都の劇団。今年初め、Cカンパニーのプロデュースにより「HAPPY MAN〜さよ
なら竜馬」を前田耕陽、西牟田恵、杉山良一、鈴木鉄馬らで紀伊国屋で上演。オ
リジナルメンバーでの東京初公演だ。

「HAPPY MAN」のシリーズは、幕末の青春群像を描くもので、坂本竜馬を
中心とした物語が8度、上演されている。本作は桂小五郎に光を当てている。

●幕末の頃、新しいニッポンを夢見る若者達。「愛」と「平等」の理想を追い求め
駆け抜けていく。一方では、武士に成り上がり、新撰組となった若者達。傷つけ、
裏切り、血と汗の青春をぶつけあう。「俺は生き残ったぜ。死んでいった者達よ、
これが新しいニッポンだ。いい国じゃないか。な、いい国と言ってくれよぉ。」

ひとことで言うと「めめしい」です。なしてそんなに泣きが入るだかねぇ。へらへ
らしてて軽々しかった前田耕陽の方がリアリティあったと思うのは、私だけだろな。

んでも、終盤で感動してしまった。それはたぶん、芝居に感動したんじゃなくて、
幕末に感動してんだよね。だってかなわないよ。23とか24で死んだ、とか言わ
れると、ぐっときちゃうもんなあ。そのへんは、うまい作りだよなあ。

役者さんの水準高いとは思うんだけど、特にすごいとは感じなかったんだよなあ。
テンションも、も少し高くなるべきだから、「もっと、もっと」って念じながら見
ていた小丸だった。だんだんイラついてきたのだった。低いテンションで泣きが入
るのって、つらいんだもん。じっとこらえてツッパルのがかっこいいのにぃ。「熱
演と、言われる程の芸のなさ」と言ったのはつかさんだけど、形だけじゃなく、目
とかギラギラさせて、やりたおして欲しかった。ガジラと比べると、少し弱いと思
う。目が狂ってないもん。みんな、いい人っぽいんだ。

後半はそれでもテンション上がって行った。でも、前半の特に木村緑子の吉田松陰
はあんまりだ。なんか、平栗あつみのコピーみたいな芝居だ。後半の明里は、なか
なか良かったんだけど、でも「うまい」んだよなあ。完ぺきな表現が新劇なんだも
ん。平栗さんもモロ新劇だけど、木村さんもも少し突き抜けて欲しいなあ。ま、そ
れでも木村さんのうまさは光ったけどね。

マキノノゾミはいいセリフを書くなあ。いいホンとは言えないけど。演出も疑問。
場面のつなぎ(特に暗転の処理)は大いに疑問。暗転したほうがいい。最初の場面
で、竜馬がオケの水をかぶってしまい、オケには水が残っていないはずなのに、ヒ
シャクで水をすくっているさな子と竜馬をチェックする小丸は細かい。

でも、「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・京都」を作り続けるTHE・ガジラ同様、
単純明快な幕末の青春グラフィティを、これからも上演しつづけて欲しいもんです。

見終わって「みんなイイ顔してんなあ。テンションさえ上がればぁ・・・。」



Vol.22 ピスケン (92.9)

(下の文章の文責:一寸小丸さん)


MOP Vol.22「ピスケン」9月28日7時(2:37'0')
池袋/東京芸術劇場小1 前2800円 当3000円 9/26〜30(7ステ)
作・演出/マキノノゾミ 06-455-8878 客400(ほぼ満員)

同志社大学の演劇サークル「第三劇場」のプロデュースでつか作品を上演していた
マキノや清水秀一らが、'84年に「劇団マキノオフィス」として「熱海殺人事件'84」
で旗揚げ。同年11月、木村緑子らも参加し「広島に原爆を落とす日」上演。'89
に本格的なオリジナル作品「HAPPY MAN」を上演。好評を博し、以後改訂再演が続い
ている。今年の1月にCカンパニープロデュースで紀伊国屋で公演も果たし、その
後、7月に新宿トップスで初の自主東京公演。来年9月のトップス公演が決まって
いる。今回は東京国際演劇祭への参加。12月に名古屋、大阪公演がある。

●大正末期のことでございます。大正デモクラシーの夢潰え、退廃ムード漂う
カフェー青猫に突然現われし二人の男。一人は誰あろう、明治末に極悪非道
の限りを尽くし、悪党の名を欲しいままにせし稀代のピストル強盗「ピス健」
こと守神健次と名乗っておるのでございます。一方、その2年前に甘粕大尉
により暗殺されし自由奔放なるアナキストも現われたのでございます。この
男こそ大杉栄その人。なぜに死せる大杉が出没せしかは定かではございませ
ぬが、青猫の美しきマダムとの過去の所以により、残るアナキズムの思いを
語るのでございます。

さて、ピスケンを名乗るも実は臆病なりし男、マダムの熱き情熱に後押され、
たまたま知り合った正義の製薬会社社長の不幸を見るに忍びず、政治家と悪
徳商人を成敗すべく、爆烈弾を伴っての強行となる。官憲の追っ手の迫る中、
カフェーに辿り着いた彼は、取り囲む銃口の中へとマダムを伴い飛び出して
いくのでございます。

と言うわけで「俺たちに明日はない」です。映画のようにストーリーが淡々と進み
ます。そこそこ泣かせのシーンを織り混ぜ、時代背景の熱さを映して熱いドラマに
仕上げています。んだけど・・・寝ました。青春群像にしては、中身がありません
よ。幕末なら「新しいニッポン」てぇ目標を感じることができるのですが、ここで
は現実逃避の犯罪ですもんね。悪は滅ぼしていいとは限りませんもの。単絡です。
時代のあだ花を描くにしては、散漫になってます。

エンディングの銃声の前の間はどうでしょう。ドアを出た瞬間に私の頭の中では激
しい銃声が聞こえていたのですが、すごい長い間でした。うーん。もちろん、単に
間の問題ではなく、その前に盛り上がるべき緊張感が足りなかったという点もある
んですけど。うーん。カットアウトで暗転にしてから、間をおいて銃声とか・・・・。

木村さんのテンションは低い。芝居が新劇のように形です。みんな熱演ではあるの
ですが、なんか内側が伝わってきません。惜しいなあ。

見終わって「期待してたんで、なんか気が抜けちゃったよ。」


Vol.27 ちゃっかり八兵衛 (95.4)

(下の文章の文責:一寸小丸さん)


MOP Vol.27「ちゃっかり八兵衛」4月8日7時(1:59')
新宿/シアタートップス 前3000円 当3300円 4/4〜9(8ステ)
作・演出/マキノノゾミ 06-364-7099(ボーダー) 客130(9割)

人気急上昇中の京都の劇団。新感線、そとばこまちに続く実績と伝えられている。
主宰のマキノは、昨年の青年座書き下ろしで芸術選奨新人賞を受賞した。MOP
の東京での本公演は1年半ぶり。新作である。関西で6ステを消化している。

マゲものです。古典落語です。いくつかの定番落語を組み合わせ、7人の役者の
入れ替わり立ち替わりで演じます。ド頭の笑点大喜利風のマクラから、エンディ
ングのサゲまで、落語の公式に役者を代入したものです。役者の熱演により、一
人が演じ分ける落語以上の面白さを産み出してますが、にしても古典です。なん
でこんなのをマキノさんがやるのか理解できません。御本人は、西部劇やったり、
翻訳劇もどきやったりと、多様な劇作で頑張っているのでしょうが、久しぶりに
見た小丸は、なんか失敗でした。

●居残り八兵衛は、借金取り立て屋お季里(キムラ緑子)に迫られる。そこ
へたまたま偶然ひょんなことから、大石内蔵助やら松尾芭蕉やら水戸黄門
やら盗賊真田小憎やら太鼓持ちやらが事件と小判を持って訪れる。めでた
しめでたし。

小ネタが続きますが、メインとして打ち入り前の大石親子のエピソードを持ってき
ました。息子の筆おろしにとわんないとぱーちー。キムラ緑子・小市慢太郎の熱演
で感動まで誘っちまいます。たいしたもんです。キムラは普通の芝居だと、演技が
濃過ぎると思う私ですが、こーゆーマゲもの・熱艶ものでは、こってこての緩急で
はまりまくってます。本領発揮状態です。

ネタについては、笑福亭福笑あたりがやりそうなムチャクチャなアクション活劇の
感があり、テンポが良くて2時間飽きさせないのですが、なんか、お手軽ですよね
え。福笑が一人でやるよりも役者の変化が大きい分面白いとも思いますが、福笑だ
ったらもっともっとメチャメチャにしてくれると思いましたねぇ。

見終わって「一年半ぶりの東京本公演だからといって、特別視しないのは、かっこ
いいと思うけど・・・。」


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にしかど(nskd@enpe.net)