ザ・ニナガワ・カンパニー


概要

構成員
主な作家
主な演出家
蜷川幸雄
主な役者
主なスタッフ
劇団の公式ホームページ
不明(たぶんない)

過去の公演

劇団リストのページへ

1991・待つ (91.1)

(下の文章の文責:一寸小丸さん)


ザ・ヤングニナガワカンパニー「1991・待つ」1月22日7時(2:35'-15')
両国/ベニサン・ピット 前\2800,当\3000 1/18〜27
演出/蜷川幸雄 出演/若手27人 03-3635-4898 客120(満員)男25%

蜷川スタジオが3年間の沈黙を破り、「ザ・ヤングニナガワカンパニー」として
再スタート。集団創作は初めて。

2〜3人のユニットに別れ、様々なイメージを連鎖。飛び散る言語=大槻ケン
ジ、三島由紀夫、清水邦夫、ベケット、宮本輝、辻仁成、村上龍、川村毅、ブル
ーハーツ、アントニオ猪木、別役実、丸尾末広、遠藤ミチロウ、宇野イサム。

のっけから4kwの目潰しで、ジプシーキングスのホテルカリフォルニアだもの。
盛り上がるぜぃ。役者は若いんで、演出に負けてるのがほとんどだけど(でもパ
ワーあるぜぃ)、光ってるのもいる。ザズーに出てた大石継太は絶対買いだ。こ
うしてみると、勝村政信に続くやつだった。でも、もっといい子めっけた。誰か
教えてよ、伝言ダイヤルの女の子。長ゼリにドキドキした。あのセリフは誰の作
品でしょう。みごとに表現してた女優もエライ。大石と伝言ダイヤルのシーンで
元は取ったぞ。今後も期待できる(蜷川さん仕事減らして公演やってよ)。

見終わって「丸尾末広と宇野イサムって、どんな本だしてるの? 知らないのさ。
しかし、どれが誰の作品だか確認したい。役者の名前も。」



1992・待つ (92.1)

(下の文章の文責:一寸小丸さん)


ザ ニナガワ カンパニー「1992・待つ」1月21日7時(3:00'-15')
江東区/ベニサン・ピット 前2800円 当3000円 1/17〜26(13ステ)
演出/蜷川幸雄、高山直也、井上尊晶 03-3635-4898 客150(満員)

世界的な演出家である蜷川氏が、若い役者を集めて作ったグループがこれだ。昨年
に続いての2回目の公演。今回は某アイドルの高橋一也も参加したので客が若い。
前回同様、役者がそれぞれ用意した短編をオーディションの形で選んでいったらし
い。12編の小品が休憩をはさんで3時間。宇野イサムのオリジナルこそが面白い。

斬新にしてハデな演出によるオープニング。あまりのかっこ良さに「あっ、こいつ
らの中に、絶対維新派を見たやつがいるな。」と小丸は思った。すんごく楽しみが
広がった。がしかし・・・。最初だけだった。斬新な演出と目新しい装置の中で、
古典的な演技が続く。ど新劇だ。役者って保守的だなあ、なんて思った。あまりの
だささに小丸は冗談かと思った。そのクサイ芝居ったら、小丸は笑いをこらえてい
た。だけどしまいにゃ、なんでこんなとこまで来て、こんなパターン芝居を見てに
ゃいかんのだろう、って自分の境遇に疑問を持ってしまったよ。そのまま休憩に入
った。後半も変わらないが、少しまし。「パン屋襲撃」「古典的トレンディドラマ」
「再会のために」(小丸命名)のラスト3本でようやくだ。つうか、「これができ
るんだったら、なぜ早くやらなかったのぉ?」って思いが強かったよ。

役者は大石さんが抜きんでてるから、一人で出番を増やしていたのはしかたない。
馬場千登勢はかっこいいけど、ちょいとしか出ない。みんな下手だ。

見終わって「去年の無鉄砲な役者達はどこへ行ってしまったんだろう。」



Vol.3 1993・待つ (93.2)

(下の文章の文責:一寸小丸さん)


The Ninagawa Company Vol.3「1993・待つ」1月25日7時(1:57')
隅田川河畔/ベニサン・ピット 前2800円 当3000円 1/20〜30(13ステ)
構成・演出/蜷川幸雄 演出/井上尊晶 03-3635-4898 客120(9割)

(1993/1/26)write

昨年は某アイドルタレントさんの参加で、ひでえ出来だった。ヤングなお客さんが
役者の集中をジャマしたもんね。ま、おかげで役者の実力がさらけ出されたわけだ。
今年は、昨年程ひどくない。でも、1991に比べると、インパクトは弱い弱い。

役者間に差がつきすぎちゃったんだよね。大石・大川・鈴木・松田の四人とそれ以
外が違いすぎる。特に大石・松田は抜きんでている(去年もだったけどさ)。1番
印象に残ったのがオープニングだ。

開演・・・と言っても、客電が消えるわけでもない。突然、舞台中央前っつらの床
の一部(3尺四方)が開いて、中から役者(30人程)がゾロゾロと登場(全員、
ジャンパーやジャージなどのラフな格好)。一人が叫んでいる。

男「とにかく、早く出てきて。いいから、早く・・・。」
「集まって・・・。」
「(客席に向かい)それでは説明します。申し訳ありません。本日、急遽、一つ
の場面ができなくなりました。不完全なものをお見せすることになりましたの
で、お客様全員に200円ずつお返しします。」

すべての役者、場内整理の女性達が舞台上手奥に集まり、何事かを相談してい
る。その中央に蜷川氏。

男の合図で、女性達がお客に200円を配り始める。

男「えっと、音響さん照明さん、変更よろしくお願いします。」
「スタッフいるかあ・・・、制作呼んできて、・・・(などと、叫んでいる)」

そして、すべての役者、スタッフが上手奥の袖に走り去って・・・暗転

いやあ、面白かったなあ。お客さん達はマジで驚いていたけど。エヘラエヘラ笑って
いたのは小丸ぐらいだったかもしれない。「ハイッ、下さい。」とか言って手を出し
て、200円を受け取っていた小丸だった。この瞬間がたまらなく楽しい。

もちろん、本当にハプニングだったのかもしれません。小丸にはわかりません。でも、
なんつったってニナガワさんですからね。何が起こっても不思議じゃありません。も
ちろん、本当のハプニングに蜷川さん本人が舞台に登場してコソコソ相談するとは思
えません。あーゆーのは好きものの演出家のサガです。あたしゃ笑ってしまいました。

それと、役者の対応が極端です。客入れをやっていた松田さんのリアクションを中心
に見ていました。スゴイです。ハプニングという状況にちゃんと驚き(決しておおげ
さに驚くのではなく、ちょいと目を見開くぐらいの反応だ)、とまどい、躊躇し、あ
わて、不安がっているのです。松田さんを見ていると、さすがの小丸も心配になって
しまいました。しかし、その他の役者がいけません。200円配りがスムーズすぎま
す。慣れてます。困惑が見えません。余裕があります。初めての経験になってません。
この、松田さんとその他の役者の差が、小丸に「演出」を確信させました。そして、
その演出の面白さに対する印象が、この日の芝居全体の印象を良い方に向けてしまい
ましたとさ。ハプニングの見せ方のうまさこそ、そこいらの実験演劇との違いです。
アイディアではありません。見せ方です。センスです。うまかったですねぇ。

(もちろん、「不完全なものを見せられたんじゃ、200円もらっても納得いかん」
と怒った客もいただろうなあ。そりゃ、やむを得ない・・・どうせなら、小丸は
ゴネてみりゃ良かったかもしんない。全額返せ、とか・・・。どうなったろう。)

そんでもって、おそらくこの演出は、資生堂のスポンサードを受けることができ
たので、お客にそれを還元しようと考えた劇団側のアイディアだろう。「資生堂
の協力により舞台一面に土を敷くことが可能となりました」との掲示がありまし
たもの。還元の方法はいろいろあるだろうけど、「直接お金を返す」という考え
は好きです。その「返し方」もなかなかアイディアもんだったと思います。


その次に印象に残ったのは「大川さんの包丁さばきがうまいなあ」でした。この、主
夫・大川と、働くキャリア・松田との二人芝居は良かったです。大石さんがらみの芝
居はいつもながら楽しめました。宇野さんのホンも楽しい。

もひとつ印象に残ったのは「蜷川幸雄 劇団員募集!」のお知らせ。「画一化された
演技指導などに染まらずに、漸新(原文ママ)な発想で既成の価値観を打ち破る自信
と情熱で戯曲に、演出に、劇団に挑みかかるくらいの若者を希望」「演劇学校とは異
なりこちらから用意するものは一切ありません。自由な創造の場である空間と、我々
の持ち得る力の二つのみ提供します」「稽古場は常時解放されています。稽古日は特
に定めません。(9時〜21時 使用可)」・・・いいなあ。オーディション、受け
ようかなあ。締め切りは3月13日だ・・・。悩むぅ・・・。(と、出っ張った腹を
なでながら考える小丸であった)

やっぱ、91年のが一番良かった。蜷川さん自身が一番良く知っている。今現在を切
り取ろうというこの「待つ」シリーズは、いかに役者が「今」を持ってくるかにかか
っている。それを役者が提出できないから、パワーが落ちてるんだ。だから新たな才
能を求めているんだ。そりゃ、正しいよねえ。

見終わって「シメキリまでまだ1カ月ある・・・。」



劇団リストのページへ
にしかど(nskd@enpe.net)