NODA・MAP


概要
夢の遊眠社を解散した野田秀樹が、1年の英国留学の後、結成したプロジェクト。公演ごとに役者を集め、ワークショップからみっちりと芝居を作り上げてゆく。総合力では現在の小劇場界の最高峰。チケットもそれなりに高いけど。

構成員
主な作家
野田秀樹
主な演出家
野田秀樹
主な役者
野田秀樹
主なスタッフ
劇団の公式ホームページ
NODA・MAP

過去の公演

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キル(94.1)


 基本的な筋は、モンゴルのテムジンが服によって世界を征服しようとする物語である。しかし、話は豊饒な広がりを持ち、筋だけでは語れない。また、せりふに日本語の音韻の特質が見事に生かされている。

 役者は皆すばらしく、特に渡辺いっけいの演技は特筆すべきである。
 山西惇、鷲尾真知子、深沢敦もいいし、野田秀樹はさすが。

 舞台美術もいいし、照明・音響、どれをとっても、申し分ないレベルである。

 カーテンコールが5回もあったが、それにふさわしい内容だった。

 しいて難点をあげれるなら、7000円というチケット代だけ。


 世界に優しい羊の水が満ち、君はそこから世界を見ている。
 君とは異なるものによる征服と陵辱。
 肉親から疎外された、祝福されることのない誕生。

 世界が君を憎むとき君も世界を憎み、君は世界に斬りつけた。
 君とは異なるものの征服と陵辱。
 君とは異なり、君を憎むものたちへの限りない復讐。

 世界は朦朧と蜃気楼に包まれ、君は陽炎のように揺れるだろう。
 君とは異なるところに立つ脆弱。
 離れた遠くを目指すたびに、拠り所を失い続ける旅立ち。

 世界はついにその姿を現わし、君は立ちすくむ。
 君とは異なるものの発見と対峙。
 斬るべき敵も征服すべき世界も、やはり君自身でもあったのだ。

 世界はまた羊水のうちにあり、君は夢に包まれた。
 君自身としてこれから生きる君への祝福。
 そのとき君は、ついに本当に、誕生するだろう。

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キル
NODA・MAP
1994.2.26(Sat)
シアター・コクーン

作/演出 野田秀樹

堤 真一 テムジン
羽野 晶紀 シルク
小田 豊 イマダ/蒼い狼
新橋 耐子 トワ
渡辺 いっけい 結髪
鷲尾 真知子 人形
野田 秀樹 バンリ/真人バンリ
深沢 敦 案人ガイド/ヒツジ・デ・カルダン
苅部 園子 フリフリ
西牟田 恵 J・J
山西 惇 旅人ポロロン
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(下の文章の文責:まねきねこさん)


1/9(日)7:00-9:50PM 晴れ 渋谷・シアターコクーン 野田地図
   「キル」     作・演出:野田秀樹  立ち見あり満員

 カラフルなのは、出演者と衣装のせい?。ワカラナイけど楽しい野田芝居。
 
 お話し。モンゴルのデザイナー、蒼き狼。その父、子、孫にいたる夢と興亡
 の物語。って、ちと違うか。一見、単純そうで。サイドストーリー?や
 入れ子?構造など、ちとわからない。でも、難解さでうーんと頭抱えること
 なし。ねこの眼のようにくるくる変わる舞台と、役者の個性が素敵。
 ことばでこんなに遊べ、物語となるかの野田芝居。舞台に身を任す心地好さ
 とくに、前半が◎。後半はまったく遊眠社を思わせる。けど、睡眠不足ねこ
 は集中力×で・・。来月はチャンとみるぞ。

 役者。いっけいさんがいい。きちんとしながら、どんどん好きにやってる。
 切ない役どころもおいしい。苅部さんは終始わきだけど、確かな存在感。
 良く通る声がいい。
 来月、これがどこまでこなされているか、楽しみ。


罪と罰

−−−−【 罪 と 罰 】 −−−−−− NODA・MAP −−−−

みなさん桜吹雪がきれいとか書いてますが、あれ、雪でしょ。桜じ
ゃ音を吸い込みませんもの。罪が清まりませんもの。

というのはいいとして、ドストエフスキーの原作の設定を日本の幕
末に置き換えた作品です。2時間強の舞台ということで、ストーリ
ーの骨組みだけを残して、原作のあの粘り付くような滅々とした心
理描写はばっさりカットされています。

また、大きな理想のためには殺人も許されるうんぬんの「大きな理
想」の部分が原作では比較的とらえにくいのですが、この舞台では
討幕という日本人に馴染みの深い理想を持ち込んだことで、すっき
り筋が通った感じです。

難解さが強調されがちなドストエフスキーのテキストを娯楽作品と
して再生させようという野田の意図は、その点では成功しているよ
うに思います。

加えて、役者陣の多彩さ、効果音作りの目新しさ、場面展開のスピ
ード感、などなど、さすがにみどころはふんだんにあります。

特に大竹しのぶの演技は素晴らしくて、とりわけ、罪の意識に大き
く心を揺さぶられて封印されていた女性的な要素が滲み出てくる後
半の演技はまさに天才的で、もうそれをみれただけでチケット代分
の価値はあったと一瞬だまされたほどでした。

大地に接吻しようとするときのあの涙を浮かべた表情、カーテンコ
ールのときのあの魂が抜け落ちた自失気味の笑顔、当分忘れられそ
うにありません。

とここまでほめましたが、実は私、この舞台、不満です。よくでき
た舞台ではありましたが、そこを超えてあふれてくるものが感じら
れませんでした。冒険的な気持ちが感じられなくて、みていてワク
ワクできませんでした。

野田秀樹には、もっとめくるめく壮大な物語を紡いでもらいたい。

余談ですが、私、最前列だったのですが、冒頭、役者が登場してく
るときに、役者さんの衣装からなにやら紙がひらりと私のひざへ舞
い落ちたのでした。広げてみても白紙だし、なんだこりゃと思った
ら、あのシーン。ははは(^^)。てなわけで、私の手許には8ッ折の
トレペがあります。トレペっていい音するんですね。

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【罪と罰】 NODA・MAP
 原作:ドストエフスキー 脚本・演出:野田秀樹
  大竹しのぶ 筧利夫 平栗あつみ 生瀬勝久 野田秀樹 吹越満
  梅垣義明 阿南健治 山西惇 田岡美也子 小林勝也
 美術:堀尾幸男 照明:小川幾雄 衣装:内藤こづえ
 振付:謝珠栄 舞台監督:廣田進 製作:北村明子
 1995.4.1-5.21 シアターコクーン 5.9 Tue Sw 最前列 満員
 大阪公演もあり(5.25-6.11 近鉄劇場)
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(下の文章の文責:まねきねこさん)


4/9(日)2:00-4:10pm 曇 渋谷・シアターコクーン NODA・MAP
 「贋作 罪と罰」 脚本・演出:野田秀樹     ほぼ満員?

 筧さん、機動隊長みたい。泣くねこ。芝居は直球。野田作なの!?。 

 お話。人と理想に恋した人達の恋愛劇。「掏≠フOにaA殺人も「正義」。
 あの「罪と罰」の高利貸し殺しと、幕末維新を絡ませたり。明喩、暗喩も。

 夢幻や言葉遊びは、影潜め。まっすぐ2時間を駆ける。人(役者)の舞台。転換
 とか、シンプルでかっこいい。トランクを墓石とか、遊びも楽し。前半、「音」
 の芝居とか、技あり。緊迫場面で心臓のリズムとか、体が緊張して気持ちよい。
 でもさ。なんか寂しい。野田さんには、物語の渦潮ぐるぐるを期待してるから・・。

 筧さん、いい。死ぬことはないんだ、とまっすぐ真摯な目で。まいる。「飛龍伝」
 の演技とダブって、思い出し泣きねこ。でもこれ、野田さんの芝居だよね。うーん

 ラストの「白」に桜さく夜など思い、恍惚ねこ。(4/1-5/21東京、5/25-6/11大阪)


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にしかど(nskd@enpe.net)