パルコ劇場


概要
パルコ劇場のプロデュース公演

構成員
主なスタッフ
劇場の公式ホームページ
http://www.parco-city.co.jp/play/

過去の公演
劇団リストのページへ

ラブ・レターズ(加藤健一+久野綾希子)(93.8)

(下の文章の文責:一寸小丸さん)

343/512 MAF02065 一寸小丸 R/パルコ劇場「ラブ・レターズ」
( 4) 93/08/31 14:21

パルコ劇場プロデュース「ラブ・レターズ」8月30日7時(1:45'-15')
渋谷/パルコ劇場 前3000円 当3500円 8/26〜30(5ステ)
作/A.R.ガーニー 訳・演出/青井陽治 03-3477-5858 客450(満員)

男女二人による朗読劇。日替わり公演。この日は加藤健一 VS 久野綾希子。

朗読劇には悲しい思い出がある・・・多くは語るまい・・・。

●金持ちのドラ娘は高ビーでワガママし放題。頭悪いけど魅力はある。成長する
にしたがい、自分の思い通りにいかないことが精神に負担を与え、病院に通う
ことになる。芸術の才能に目覚めるけど、それとて認められるものではない。

いいとこのお坊っちゃんは、平和な幼年時代を過ごし、法律を勉強し、海軍と
かに入り、何も考えずに生きている。純粋と言えばいえる。国に戻り、弁護士
とかになり、州議会に進出し、さらには上院議員となる。結婚し、三人の子供
を設け、理想的な家庭を目指して無理している。本人の気がつかないストレス
を抱えている。

二人は幼き日から、手紙を交換していた。泣いたりわめいたりを綴ってきた。
離れ離れの時も、お互いを見つめ合ってきた。男は形ばかりの名声と家庭を得
た。女はすべてを失っていた。そして出会った。求め合った。女にはそれが全
てであった。しかし、男は次の選挙が控えていた。男は去った。女は捨てられ
た。でも、手紙は続いている。選挙に勝利した後、男は女を訪ねようとした。
女は死を選んだ。男は愛を告白することで自らを救おうとする・・・。

みたいな話しのように私は感じましたけど、怒られるでしょうね。なんか、とんで
もねー男女に思えるけど、それゆえに感動させられます。単純といえるけど、その
純粋さこそアメリカ人的ですしね。大人が書いた大人の物語です。

二人の役者はうまかったです。椅子に座ったまま、シンプルに読んでいるのですけ
ど、幼い日々から、大人となった後(男は幼さを残していた)も丁寧に描いていま
す。女優は、ワガママ奔放さや、病的な心理状態、屈折まできちんと。

あえて言うなら、男優はその無垢ゆえの残酷さを、女優はその追い詰められた状態
を強調した方が「死」の意味が深まると思うけど、それは避けたんだろうかなあ。

エンディングに男がモノローグする。その時、だんだん照明が長いフェードアウト
になるのだが、けっこーださい。女優がとてもリアクションしていたのに、暗くて
見えないもの。特に一番最後に「ありがとう」と女優が言うのだが、その時、どん
な顔をしていたのかがとても重要だろうに、最前列中央の私に見えないのだもの。
「ありがとう」と笑ったのか、泣いたのか、ほっとしたのか、許したのか、悲しか
ったのか、絶望したのか、苦しかったのか・・・、久野さんはそれを本に向かわず、
客席に向かって言ったのに、暗くて見えなかった・・・悔しい。

見終わって「朗読劇には悲しい思い出がある・・・多くは語るまい・・・。」



ラブ・レターズ(愛川欽也+奈良岡朋子)


 パルコ劇場で1990年夏以来続いている男女ふたり芝居。
 僕がみた7/2(土)ソワレは記念すべき第69組目、愛川欽也と奈良岡
 朋子の実年コンビ。

 幼馴染みのアンディとメリッサが、小学生の頃から死ぬまでに交わした膨
 大な数の手紙を次々に読み上げていくというスタイル。最初は小学生の手
 紙ということで、さすがに違和感があったのだけれど、年をとるにつれて
 どんどん良くなっていく。最後の方は、なんか感情移入してしまった。

 しんみり、ええはなしや。(^^)

 これって、若い俳優もずいぶんやってるみたいだけど、それだと後半がか
 なりきついんじゃないだろうか。最後の方の手紙なんか、二十歳そこそこ
 の役者でリアリティが出せるとはとても思えないもんなあ……。西村知美
 とか小田茜(!!)とかでだいじょうぶなのか??????????
 松本伊代に中山忍、渡辺満里奈に鶴田真由もやってるなあ……
 どなたか若者バージョンをみた方、いらっしゃいませんか?

 まあともかく、いい話です。他の役者でもみてみたいです。

 作:A.R.ガーニー 訳・演出:青木陽治 PARCO劇場にて随時公演


出口なし! (94.7)


======================================================================
    【 出 口 な し ! 】      パルコ・プロデュース
--------------------------------------------------------------------
多重人格を扱ったサイコ・サスペンス。舞台役者の野村東馬は、偶然芝居
をみにきた精神科医の福本イネにアルバイトの誘いを受け、来院する。そ
こで頼まれたのは、神宮音彦教授の資格試験のために、多重人格者になり
すまして診察を受けるという仕事。だが、本当の目的は全く別のところに
あった……。多重人格の問題に多面的なライトを当てながら、本当の人間
らしさ、本当の治療への問題提起にまで踏み込んだ傑作。役者4人がそれ
ぞれ好演、中でも唐沢の健闘が光る。
======================================================================
 7/9 ソワレ            PARCO 7/31まで

 《感想》

 ・おもしろい。超おすすめ。(←舞台ネタ)

 ・まずは当日券情報を。受付の人の話では、補助椅子が8、立ち見が20で
  最低28人は入れるとのこと。詳しくは、劇場(03-3477-5858)へ。

 ・「笑いはなし」とのことだったけど、序盤は唐沢中心に結構笑いを取る。
  下手なコメディー1本分くらいは笑えてしまう。でも、もちろん、メイン
  は人間の精神の深淵に迫るサスペンス・ドラマである。

 ・多重人格というネタは、舞台演技との相性がいいのだろう。役者の生命と
  もいえる演じ分けの能力が、一つの舞台で存分に発揮できるからだ。最後
  列からの観劇だったので役者の表情はほとんど見えなかったのだが、それ
  でも、唐沢・益岡両人の演技は素晴らしいと感じた。宮本は、台詞のミス
  がやや目立ったものの、アクの強さはさすが。最近フライデーされて超話
  題の森口は、地味な役だが、唐沢との掛け合いはなかなかのもの。

 ・「多重人格」を題材としてみるとき、そこには人間の精神に関する非常に
  多くの貴重な示唆が含まれています。彼らを研究することは、学問的に非
  常に有意義です。また、彼らを社会生活に順応させるためには、治療も必
  要です。しかしいずれの場合にも、多重な人格のひとつひとつを人格とし
  て尊重する姿勢が重要なのは言うまでもありません。そしてそのような視
  点に立つとき、何が彼らにとって本当の治療であり本当の解決であるのか
  というのは、なかなか答えをみつけるのがむずかしい問題です。このあた
  りは、ベストセラーになったダニエル・キイスの「24人のビリー・ミリ
  ガン」を読めば、痛いくらいにわかります。この芝居でも、そうしたこと
  がテーマになってきます。そしてその描き方が、非常に見事です。

 ・以下は、芝居の内容に触れますので、これから見る方は飛ばして下さい。
  ニセ医師の神宮音彦と、ニセ患者の野村東馬は、それぞれ、「元エリート
  サラリーマンの南河内」「三越柴祐子の恋人の一郎」という、「本来の」
  人格から派生した、多重人格のひとつにすぎません。そのことを、彼らは
  ふたりっきりの密室で、お互いに教えあいます。そのとき、このふたつの
  「虚の人格」の間には、しっかりとした確かな信頼と友情が芽生えます。
  また、神宮は自分がニセ医者だと知った上で、本物の医者である福本に対
  して、医師の在り方、患者にとっての真の治療といった問題を、熱っぽく
  語りかけます。「虚の人格」が、正常な人格に対して、真実の人間らしさ
  というものを訴えるのです。このあたりの構成が、見事です。

 ・多重人格の問題に明るい展望があるわけではありません。この芝居のエン
  ディングも、表面的にはハッピーエンドですが、多重人格者の「治療」は
  依然として棚に上げられたままです。出口なし。このあたり、もっと知り
  たい人は、「24人のビリー・ミリガン」を読みましょう。三谷幸喜もこ
  の本を参考にして書いたに違いありません。続編もごく最近出たようです。
  これは、僕も読まなきゃ。

----------------------------------------------------------------------
  作・演出:三谷幸喜
  出演:唐沢寿明(野村東馬=ニセ患者)宮本信子(福本イネ=精神科医)
  益岡徹(神宮音彦=試験を受ける医者)森口遥子(三越柴祐子=研修医)
  1994.7.8-31 PARCO劇場  7/9ソワレ 最後列より観劇 客席満員
----------------------------------------------------------------------



(下の文章の文責:まねきねこさん)


7/24(日)2:00-4:00PM 晴 渋谷・バルコ劇場  パルコ・プロデュース
 「出口なし!」     作・演出:三谷幸喜 満席

 とってもおもしろい。うまくて暖かで、深い味わい。いいな。
 
 お話し。多重人格サイコドラマ。
 何も知らないで観た方がよりおもしろい。印象をちと書きます。
 観てると隠された真相は、予想できます。その伏線となる台詞、しぐさ、小道具
 がにくいほど巧み。わかってても、進むにつれぞくぞくしてきます。
 
 終盤、医師と患者の奇妙な信頼関係には、にやり。そして、ニセ患者(唐沢寿明)
 と研修医(森口遥子)の関係。どうしようもなく悲しいけど、暖かな感触。
 森口さんの表情を観てたら、切なくて泣きたくなったねこ。その時の気持ちが残る
 幕切れ。だれにとっても明るくはない終わりでも、この二人は信じられるような気
 がします。

 唐沢さん、益岡さんは熱演。引き込まれます。宮本さんは、やんわりとしていて
 凛としたとこも○。もっと舞台に出て欲しい。森口さんは、終盤の表情が素敵。
 これ、実は一番記憶に残っているねこです。



毛皮のマリー (94.10)

(下の文章の文責:まねきねこさん)


10/9(日)2:00-3:30PM 晴 渋谷 PARCO劇場 
 「毛皮のマリー」 作:寺山修司 演出:ハンス・ペーター・クロス 満員(立見10?)

 けっこうすっきり。なんにせよ、美輪さんの芝居って感じ。

 お話し。どこかしらぬ大きな部屋。麗しの男娼の女への愛憎。囲い育てられる
 少年の母への思慕。結局、母の思いが子に向いた時には、少年の心は離れちゃ
 ってたというお話しかな。5年位前、青蛾舎のを隣のジァンジァンで見て以来。

 舞台。全体鋼鉄なイメージ。下手壁を破って、頭上を通路が下手奥に。下手に
 格子の大壁。奥にも、中央が敗れた大きな格子。下手、一段上がった床には、
 マリーさんの浴槽。上手、床は一面の水。この水岸が、母子の心の境界となる
 演出のよう。

 猥雑さや泥臭さは、小。どことも知らぬ空間に、すっと怪しさが浮かぶ。
 マリー:美輪さんの芝居がかった感じ、カリスマ?も楽しい今回。麗し衣装で
 客席から登場したりもサービス。16で女になったの下りは、迫力。コギャル
 言葉、東北弁、男言葉を交えて、お茶目にぐいぐい物語に引っ張る。よいよい。
 醜女のマリー:磨赤児は、鋼の体といかつい顔。美輪さんと並ぶと、恐いけど
 見たいよう世界。プラチナブランド髪女装も、楽しゅうございました。


劇団リストのページへ
にしかど(nskd@enpe.net)