第六感事務所


概要

構成員
主な作家
芳賀隆幸
主な演出家
芳賀隆幸
主な役者
主なスタッフ
劇団の公式ホームページ
不明(たぶんない)

過去の公演

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Vol.9 借りてきた日常 (92.7)

(下の文章の文責:一寸小丸さん)


第六感事務所 Vol.9「借りてきた日常」7月16日7時半(1:53')
下北沢/駅前劇場 前2000円 当2200円 7/15〜19(7ステ)
作・演出/芳賀隆幸 03-5375-0297 客120(ほぼ満員)

小丸は初見。素性は知らない。

面白かった。ホンが良かったし、役者もいい芝居してた。感心しちゃったぞ。

●スットコドッコイな親父と、ぴょんぴょろりんなおっかさんという似たもの夫婦の
一人息子が、超一流の大学を出、超一流の会社に入ってしまった。だもんだから、
なんだか急に親子の会話がうまくできなくなっちまう。お互いに構えちまい、気を
使うが故にキンチョーし、ガッチガチに硬くなっちまう。単に疲れるだけだで、し
ょうがないんで月に一回だけ会うことにした。でも、その結果、その一日が余計に
プレッシャーになり、同じ屋根の下の1階と2階に分れて住んでて、顔も見れない。

そんなことではいかん、とそれぞれがレンタル家族を呼んで、親子の会話を練習し
ている。両親はレンタル息子を相手に、明るく楽しい親子ゲンカとかやってる。息
子はレンタル両親に怒られながらも、ざっくばらんな日々を送っている。

そんな息子が結婚することになった。両親は、レンタル息子に女性を連れてきても
らい、「告白の日」の練習を充分に積んでいる。でも、本番では全く口がきけない。
息子とて同様だ。若妻には理解できない。

新婚旅行から帰ってきた若夫婦をレンタル両親が出迎える。もちろん、若妻には耐
えられない。すぐそばに本当の両親がいるというのに。しかし息子にとっても本当
の両親との会話は苦痛でしかない。若妻には理解できない。

若妻に連れられた息子が、両親の前に立つ。月一の「親子の日」でもないというの
に。全くかみあわない会話。理解不可能なお互いのココロ。一歩踏み込めない遠慮
な関係の、ひずみが爆発する。そして・・・。

なかなかに良く書けています。レンタル家族の設定自体はありがちですが、深くつっ
こんでて、単なる設定に終わってません。ちょっと最後が深みにはまりすぎました。
女優のせいもありますが、無理がありました。でも、多くの役者は良く演じてます。
もっと出来るはずのとこはありますが、それぞれのキャラクターをきちんと作りこん
でます。パニックした瞬間の意味不明のギャグとか楽しいし、役者それぞれに個性が
強く好感がもてます。

見終わって「ホント、ホンの水準高いですよ。感心させられました。駅前劇場で年2
回っつうのはもったいないぞ。次もチェックするけど、アクトアライブ
あたりに出したいなあ。」



Vol.10 新撰組異聞〜近藤を待ちながら〜 (92.11)

(下の文章の文責:一寸小丸さん)


第六感事務所 Vol.10「新撰組異聞〜近藤を待ちながら〜」11月29日2時(2:09')
下北沢/駅前劇場 前\2000 当\2200 11/26-30(7ステ) 12/4-6(4ステ)相鉄本多
作・演出/芳賀隆幸 03-3460-9284 客80(7割)

毎年2回程の公演を駅前劇場で行なっている。小丸が今、双数姉妹の次に押してい
る若手劇団。今年7月の公演に続く2度目の観劇だ。7月のは「レンタル家族」を
扱い、親子間のコミニュケーション不全を、とにかく役者のうまさで見事に描いて
いた。芝居作りはオーソドックスだが、個性的な役者が揃っている点ではサンシャ
インボーイズに匹敵する(ホンは三谷さんが上ですが)。

今回は、10回目記念ということで、初の時代劇への挑戦だ。前回公演と全く違う
ものを描ける幅広さは評価できよう。役者も全然違う役を演じ切り、ちゃんと泣か
せるもんなあ。たいしたもんだぜ。

●幕末。新しい国家を目指す長州藩士キジマは、人々の人気取りが大事と一計を
案じる。武州の田舎から農民を連れてき、彼らを京都を守る幕府側の侍という
ことにして、次々とやっつけるという芝居を仕組む。長州藩の強さをアピール
する作戦。農民侍を「新撰組」と名付け、近藤勇・土方歳三・永倉新八などの
名前も創作する。ところが、人々の人気は、弱くても頑張る新撰組に集まり、
長州は反発を買うこととなる。

桂小五郎の命を受け、キジマは「池田屋事件」を画策する。新撰組により多く
の藩士が殺されるという設定である。その結果、人を切ったことなどないお人
良しの新撰組は、オオカミと恐れられる存在となる。その強さを伝え聞いた会
津藩の支援を受けることとなり、本物の御用侍として京都守護職の地位も得、
見回りにも熱が入ることとなった。

とは言え、元を返せばただの農民。キジマは彼らの行く末を心配し、田舎へ帰
ることを提案する。しかし、会津藩との約束で逃げることはできず、殺し屋集
団と呼ばれた今では帰る場所などない。緊迫する幕末のうねりが、キジマと新
撰組との最後の瞬間へと導いてゆく。

なかなかどうして、ありがちな幕末青春群像を、骨太の演技でやり倒します。もう
ちょっとで、モロ臭い芝居となってしまうところを、役者の役作りが救ってます。
ホンも役者をうまく書き込んでいる。それぞれの見せ場を作るために話しが長くな
ってしまってますが、ま、それはそれで仕方がない。水準の高い役者が揃ってるか
らね。特にキジマをやった小柳基というのはスゴイ。前回も剽軽なおとーさんを好
演していたけど、今回は苦悩する熱い役を見事に演じている。

ちょいと女優が弱い。それがすごく問題だと思う。

今回の芝居はかなりオーソドックス。でも、基本は役者芝居です。まだまだ未熟な
とこ(転換とか山場のセリフとか)もあるけど、いい素材してる。盛り上がりの戦
いのシーンで久保田利伸とかかけちゃうセンスが好きだ。

見終わって「あああっ、早く次が見たい。この感覚は双数姉妹とここだけだ。」



Vol.15 かかし (95.07)

(下の文章の文責:まねきねこさん)


7/30(日)2:00ー4:00PM 晴 下北沢・OFFOFFシアター 第六感事務所(03-3419-7602)
 「かかし」 作・演出:羽生田信之(1話)、小柳基(2話)、松下修(3話)
 前売2200、当日2500円 3列目下手から 客席5割(40人) 

 初見の劇団。お話。都会のかかし、「看板持ち」をモチーフにしたオムニバス。
 1話。風俗店、呼び込み看板持ちのベテラン男。街を行く人達との束の間の交流
 を淡々と。2話。北とだけ文字をつけた看板を持つ男。困った人を救うのがノル
 マ。あとひとりとなった時、自分(自意識)と出会う。自己破滅(開放)をちと
 シュールに。3話。一流企業をやめ、ピンサロ呼び込みをなんとなく始めた男。
 ホステスと捨てられた夫。地球を守るためと言い、今はないキャバレーの看板を
 持ち続けるおやじ。彼らを見て、男は考え始める。なぜここにいるのかを。

 本、役者、バランス取れてる印象。安心して観れる。新鮮味ないけど、真摯でい 
 て、肩凝らない作りに好感ねこ。1話ラストの看板男:「どこかいきてえなあ」
 のぽつり台詞の寂しい余韻がいい。
 役者。平常、ハイテンション時もよくコントロールされてて、破綻ない感じ。3
 話で呼び込みの山本正保は、けっこう高揚するけど、余裕ありそう。その点、物
 たんないとこもあり。ちと、めちゃなとこも観てみたい。(7/27-30)



(下の文章の文責:一寸小丸さん)


第六感事務所 Vol.15「かかし」7月30日(日)6時(2:04')
下北沢/駅前劇場 前2200円 当2500円 7/27〜30(6ステ)
作・演出/羽生田信之、他 03-3419-7602 客100(ほぼ満員)

88年、小柳・羽生田により旗揚げされた第六感事務所は、最近は芳賀隆幸氏の作・演
出で年二回公演が行なわれていた。例年、春と秋に駅前劇場で。ところが、今年の春
に公演がなさそうだったので、どうしたのかと思っていた。小丸は92年の「借りてき
た日常」で、かなり好意的なRを書いている。その次の「近藤を待ちながら」も面白
かった。女優がかなり弱いが、キッチリまとまったホンと、断トツにうまい小柳さん
を中心とした男優陣で、高いレベルの芝居を作っていた。

たまたま4月に芳賀さんに会ったので、第六感事務所について尋ねたら、当分公演は
ない、との答えだった。理由は芳賀さんが脱退したからだ。芳賀さんが抜けたら、ほ
とんど解散じゃないのかと小丸は思った・・・。

なわけで、今回の公演のチラシを手にした時は、けっこー驚いた。しかし、作・演出
を三人の役者で分担するというのだから、期待できない。実際には、三本の短編を三
人がばらばらに書いて演出するというものだった。・・・しょうがないなあ。

●かかしとはすなわち「看板持ち」のこと。街頭に看板を持って立っている人。
あの看板持ちから連想される三本オムニバス芝居。

(1)テレクラの看板持ちと、葬式の案内看板を持つサラリーマンとの遭遇。
羽生田の作・演出。プロの看板持ちのワザが結局、示されなかった。

(2)小柳基による不条理的なアングラ芝居。ホンに描かれたことと役者がや
っていることはかなり不条理的だし、アングラっぽいのに、音楽と照明の方向
がかなり具体的で、そのずれは面白かったけど、わけわかんない。

(3)松下修による風俗店のエピソード。地球を守るため、看板を持ち続ける
男が登場。ボケじいさんとして描かれる。類型的なエピソード。

どれもこれもいまいち。3番目が一番いい。役者が生きていたから。前見た時は、小
柳さんが圧倒的で、他はまだまだだったけど、今回、他の役者の成長ぶりに驚かされ
た。女優は替わっていたけど、男優は以前の人達。みな達者になっていた。こんだけ
レベルの高い個性が揃う劇団はいない。言ってしまうなら、東京サンシャインボーイ
ズに匹敵する。それぞれがうまいし個性的。

なのになのに、ホンがなあ。芳賀さんのホンはよくまとまっていてカッチリしたもの
で、役者の個性を生かすという意味ではちょっと不満があった。その上こんだけ役者
が成長してしまうと、芳賀さんのホンはさらにもの足りなく感じられるかもしれない。
しかし、だからといって今回のホンは・・・。役者とホンがこんだけギャップがある
のも珍しい。EDメタリックシアターみたいだ。役者の演技が余っている感じ。

結局、今回の3本とも、中心になるキャラクターが1〜2人いて、そこに別の1〜2
人が登場して何かあって、退場するというパターン。芝居のパターンだ。それはつま
んない。せっかく役者が面白いんだから、一幕一場によるシチュエーションコメディ
が合っていると思う。同じ空間に8人ぐらいの役者がいて、それぞれが自己主張をす
る芝居だ。それができる役者達だ。それを見たい。今のパターンでやっていても、先
はないと思う。それはそれは、とても惜しいぞ。

見終わって「作家を探して下さいませ。」


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