青年団


概要
1994年の岸田戯曲賞を授賞した平田オリザの主宰する劇団。平田は自らの劇場(こまばアゴラ劇場)を持ち、地方や他国の劇団の東京招聘にも積極的。「静かな演劇」の旗手としてマスコミ露出も多い。

構成員
主な作家
平田オリザ
主な演出家
平田オリザ
主な役者
松田弘子
山村崇子
平田陽子
志賀広太郎
山内健司
大木透
永井秀樹
主なスタッフ
美術:鬼頭路加
装置:杉山至+突貫屋
照明:岩城保+ZEST
劇団の公式ホームページ
青年団

過去の公演

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Vol.19 南へ (90.9)

(下の文章の文責:一寸小丸さん)


青年団Vol.19「南へ」9月7日(初日)7時半(1:20')
駒場・こまばアゴラ劇場 前1800円 当2000円 17日まで
作・演出/平田オリザ 03−465−4806

まぶしい日差し。南へ向かう客船。デッキに集う人々。軽快な音楽が流れて
いる。白いサマーチェア。白いテーブル。まだ南の島は見えない・・・。
エンエン日常的な会話が小声で語られる。小声と言っても芝居としてはで、
要するに普通の声。1m先の人に話しかける声。なんの事件も起こらない。
いや、始まって1時間、ちょっとした事件。でも、だからどーってーことも
なく・・・終わる。そりゃあもの足りないさ。でも、キャラクターがキッチ
リ書き分けられており、ホンの良さだけで持ち応えた。不思議な芝居だった。

終演後3分で、役者がビンビールとコップをもって登場、振る舞い酒。で、
いただいちゃったもんだから、

小丸「ひ、平田さんですか、私、通りすがりの客です」
平田「あ、ど、どーも」
小丸「パソコン通信って、知ってますか」
平田「えっ?まあ・・・」
小丸「しかしナンですねえ、この路線は続けるんですか」
平田「どっ、どの路線ですか」
小丸「ですから、静かにしゃべるやつ」
平田「ええ、静かなのと、同時にそれぞれがしゃべるのは続けますよ」
小丸「ああ静かだと、テンションの上がってる奴と、そーでないのがハッキリ
わかっちゃいますね」(こーゆーことを平気で言うバカ)
平田「テンションいこーる大声で叫ぶって芝居が多いですけど、違いますから」
小丸「そーそー。ゴマカシがききませんから。ちゃんとテンション上がってる
の3人ぐらいでしたね」(たく、言いたいほうだいだから)
平田「ええ、そーゆー意味ではまだ若い劇団なんで・・・」
小丸「ところで、このビル平田さんのものなんですか」
(1階ロビー、2階劇場、5階稽古場・事務所)
平田「ええ、まあ」
(パンフレットに、「ここは私の劇場であり、ここは私の稽古場であり、
そしてここは私がものを書く場所だ」と、あった)
小丸「とんでもないですね。平田さん、お客を入れようと思ってないですか」
平田「そ、そんなことないですよ。入って欲しいです。静かな芝居やる前は千人
ぐらいだったんですが、この路線になって半分になって、でも700位に
回復してきてるんですよ」
小丸「今回、キャパ70で、今日は40ぐらいですか・・・。ちなみに酒は毎日
でますか」
平田「ええ。芝居が客にサービスしてないもんで、その罪ほろぼしなんですけど。
でも芝居でお客にこびることもないと思うんで」
小丸「そりゃそーです。もの足りないわりに、最後ニンマリしてしまいましたよ」
平田「爆笑すればいいってもんでないですから。笑いがもれるぐらいを・・・」
小丸「あと、あまし普通なもんで、私も参加しそうになりましたよ、おいおいって」
平田「よく言われるんです。照明も客席まで当ててますから」
小丸「ねーえ。不思議な芝居でしたよ。おおっと、お先に失礼しますよ。これから
チャリで練馬まで帰ってレビューしなくっちゃなんないから」
平田「よろしくお願いします」
小丸「そんな、お願いされる程のたいそうなもんじゃあ」
平田「どーも、ありがとうございました・・・」

つうことで、ビール5杯と日本酒1杯だけで、おとなしく帰った小丸であった。

追伸:もしどなたか行かれる方がおりましたら、聞き忘れた質問「でも、こーゆ
ー芝居だと役者が疑問持っちゃって、ついてこないでしょ・・」ってのを
やっておくんなさいな。メンバーの定着率なんかを・・・。



Vol.21 ソウル市民 (91.7)

(下の文章の文責:一寸小丸さん)


青年団 Vol.21「ソウル市民」7月1日7時半(1:23')
駒場/アゴラ劇場 前1800円 当2000円 6/26〜7/2(9ステ)
作・演出/平田オリザ 出/18人 03-3465-4806 客150(超満員)

アゴラ劇場の小屋主でもある(そのビル主でもある)平田氏が、83年結成。
日常的な自然な会話が特長の劇団。「ソウル市民」は2年前の作品であり代
表作でもある。再演。この後、仙台、盛岡、弘前を巡演。

時は日韓併合の前年でございます。私はソウルにある日本人のお屋敷に仕える身
でございます。お屋敷には、旦那様と、後添えとなられたお若い奥様と、お坊っ
ちゃまと、お二人のお嬢様と、旦那様の弟様、若い書生さま、日本人の二人の女
中さま、それに私達朝鮮人の二人の女中が仕えております。様々な人々が出入り
なさいます。印刷屋の夫婦(奥様の方が旦那様となにやらご関係がおありのご様
子)、大工、そしてその日は、書生さんの古いお友達という手品師が訪ねてまい
りました。気がつくとその手品師(千里眼をお持ちという)が家からいなくなっ
てしまいました。荷物を残したまま。不思議なことでございます。その助手と名
乗る風変わりな女性も訪ねてまいりました。そうそう、またお坊っちゃまが家出
なさいました。さて、お夕食の用意をしなければなりません。

なにも起こらない。日常が淡々と進む。もちろん、市民の悪意のない差別意識も
描かれる。しかし、全ての解釈は観客に委ねられる。淡々と終わる。

見終わって「ギュー詰めの地獄の桟敷席で見る芝居ではないと思う。」



Vol.24 北限の猿 (92.11)

(下の文章の文責:一寸小丸さん)


青年団 Vol.24「北限の猿」11月26日4時(1:40')
駒場東大前/アゴラ劇場 前2200円 当2500円 11/18〜30(19ステ)
作・演出/平田オリザ 03-3465-4806 客50(7割) 木曜マチネだもんね

アゴラ劇場とそれが入居しているビルのオーナーである平田が、83年1月に結成。
以前は普通のハデな小劇場芝居をやっていたらしいが、数年前から現在のような日
常会話風セリフ回しの「何も起こらない演劇」の方法論を行なっている。北限の猿
は初演ではないようなのだが、よく知らない。

○小丸が開場と同時に席につくと、既に舞台は明るく、一人の男が板についてい
る。セットは大学のラウンジみたい。中央にテーブルと8脚程のイス。周りに
ロッカー。5分後に女登場。男に軽い挨拶し、テーブルにつく。8分後、別の
男が挨拶し通りすぎる。10分後、女退場。15分後、女戻ってくる。その後、
二人がいなくなり、別の3人が通りすぎ、ちょっとした会話をかわし、またイ
スにつきと、日常的な風景が開場時間の30分に演じられる。

ここで小丸が考えていたこと。なぜ私は青年団を嫌いなのか。それはこの「日常」の
ウソである。役者の能力にも左右されるが、とても日常会話には聞こえない「演技」
のセリフ回しと、低いテンションで演じられるコトバにある。今回もちゃんとテンシ
ョンを維持できていたのは、やはり山内健司さん(農学の人)のみであった。静かに
話すということは、テンションをかなり上げないと、絶対に客には伝わらない。日常
会話に見えるけど、あんな静かな会話は、むしろ不自然に思える。同時に複数の人が
話す場合には、他人の声がジャマになるから、ちょっと話し方が変化するハズ。そう
いう変化をやっているのは山内さんぐらいだもの。青年団の会話は決して自然ではな
いし、緊張感があるわけじゃないし、舞台の空白に何かがあると思うのは幻惑だ。そ
して、舞台側での情報の圧縮は、演劇のメディア特性の否定(毎度の説です)でもあ
る。もちろん、そのような新しい方法論の存在は認めるものであり、試みの意義は評
価するものである。でも、好きになれない・・・。今日もまた、過去数回の観劇同様、
退屈な時間を過ごさねばならないのかと思った・・・。

ところがである。ジャンジャカジャーン。すげえ面白かったぜぇ。これってアレだよ
なあ。岩松了が乾電池の若手を使いエンタテインメント芝居を作ってしまったみたい
なもんだよな。青年団の芝居は何か起こりそうで「何も起きない」はずなのに、次か
ら次へと事件が起きるんだもん。すげえ「劇的」だったぜえ。

○定刻。客電が消える。しかし舞台上は全く変化なし。約8分、その状態が続く。
一人の男がテーブルについているのみ。そして・・・女、登場。

●大学の生物学実験室に隣接したラウンジ。サルに関する動物実験の研究を中心と
し、動物社会学や農学、医学、動物心理学などの研究者達が交流していく。「だ
からさあ、快楽のためにセックスするのは人間だけじゃないわけよ。どう考えて
も彼らもやってるわけ。スッゴイのやってんだけど射精しないの。左の方でさ、
変な体位のがいたでしょ。あれメス同士なのよね。こすりあわせてんの。もちろ
んホモだっているわ。フェンシングみたいにね、合わせるだけで、人間とは違う
んだけどね。それと、子殺しというのも霊長類にはあるわけ。人間だけじゃない
の。ハヌマンラングールとかはボス猿の交代の時に、前のボスの子供を全部殺し
てしまうわけ。それでメス猿は新しいボスにお尻を振るわけよ。そういえば、バ
ナナが欲しくてお尻をつきだすメスもいるわけよね。まあ、つまるところ売春よ
ね。こうやって、うだ〜ってマタを開いちゃってさ。あらっ、おゲレツぅ・・。」

そんなこんなのとんでもない会話が赤面もんで続きます。現役の学生もいれば結婚し
てる研究者もいるわけです。20代の若者が集えば、起きることは起きるわけです。
「今度の冬に温泉に行きましょうね」みたいな会話の後ろに、一触即発の火花が散り
ます。あいつはいったい何なんだ、おめーはどーゆー性格だ、それはあぶねーぞ、で
す。エンディングの彼女の「まびき」にゃ、泣かされちまったぜ。

セリフはホンを読んでます。でも、大学の研究室ってことで、ホンを読んでるみたい
な喋り方やコミュニケーションのへたなやつってのが個性に見えてしまう。そういう
のがいそうな場所ですものね。人の話しを聞かないやつとか。設定がうまいんだ。

見終わって「これぐらいイロイロサービスしてもらえると、あたしゃ満足。」



暗愚小傅 (93.10)

(下の文章の文責:まねきねこさん)


10/16(土)3:00-4:00PM  雨  渋谷・青山円形劇場  青年団
  「暗愚小傅」    作・演出:平田オリザ    客席7割

 色づけは観るものそれぞれに。もしくは素材の楽しみ?。スタイルは好きだけど・・。
 舞台。客席完全円形。白、グレーのモノトーン。真四角の舞台に木目テーブル。
 天井。3方向巨大な梁。と赤い柱?。襖格子の舞台天井。
 通常の上下に、通路。玄関と奥の間につながる。距離感がでる設定。うまし。
 話題の非常灯は、明かりを押さえてある?。うっすら。

 お話し。高村光太郎、智恵子、荷風、賢治の「ような」人物と架空の人達。
 構成。智恵子の死をはさみ、4部構成。終演まで暗転なし。「田園」でつなぐ
 30年。あと今回、開演時間前の演技はなし。
 光太郎に山内健司。智恵子に急きょ代役。平田陽子は、3日前、急病で
 入院したとのこと。お大事に。役者はみな、いままでの芝居と変わらぬ演技。

 注釈のない台本を読んだ印象。時間を経ても、変わらぬ登場人物。こころの状態?
 。変化を外観で表現するのは、不要?(内面も変わらないようだけど)。感情表現
 もほとんどなく。うーん。わからない。
 これは資料なのかなあ。お客の知識、想像力によって、脚色できるお芝居。面白い
 
 といっても。会話はとりとめなく。平易で私達と同じ。すなおに頭に入り、楽しめ
 るもの。登場人物達が、何を考えているか、わかんないけど。
 こんな静かな芝居も、きらいじゃない。でも興味以上はもてなかった今回でした。



思い出せない夢のいくつか (94.2)

 地方公演へと向かう、歌手(由子)とマネージャー(安井)と付き人(貴和子)の、車中の会話。それが、この劇の唯一のシーンである。
 無邪気で破天荒な由子は離婚経験があるが、安井とはもう長年の付き合い、気心知れた中である。ロマンチストで素直な貴和子は、歌手への夢を半ばあきらめ、結婚にもおぼろげな期待を抱いている。ふたりのさりげない愛情を、ひょうひょうとした安井が落ち着いて受け止め、あるいは受け流す。そんな、なにげない会話。
 だらしのない大人達が、さりげない愛情を心に暖めながら、星や宇宙への憧憬でもってひとつの方向にふとまとまる。そんな微妙なつながりの一瞬を、描き出そうという、微妙にして困難な試みが感じられた。

 試みが、完全に成功しているとは、やはりいいがたい。1時間という時間は、十分な人間描写のためには短すぎる。さりげなさとは、テーマ性を露にしないことであり、それはどうしても、芝居の散漫さにつながってしまう。シーンチェンジが一切ない以上、それを補う想像力のふくらみが不可欠だが、これは容易なことではない。

 さりげなさの中にも訴える強い力を持たせる、というのが理想だとすれば、その強い力を持つには至っていなかったといえる。このあたりは、賛否の別れるところだろう。

 俳優の演技は、素晴らしかった。年配の両役者はもちろん、貴和子役の平田陽子さんのしゃべり方・声は非常に魅力的で、また次をみてみたい気分にさせてくれる。

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青年団プロデュース
思い出せない夢のいくつか
1994.2.4Fri-2.15Tue(2.8Tue)
シードホール

作/演出 平田オリザ

緑魔子 由子
木の内頼仁 安井
平田陽子 貴和子
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(下の文章の文責:まねきねこさん)


2/11(金)7:00-8:00PM 晴れ 渋谷・シードホール  青年団P
 「思い出せない夢のいくつか」 作・演出:平田オリザ 満席

 片思いの人と、こたつでミカン。の暖かさと切なさ。相手もそれを知ってて・・。
 「銀河鉄道の夜」をモチーフのひとつに。緑魔子、木之内頼仁、平田陽子3人芝居。

 お話し。旅芝居の女優と付き人、マネージャー。夜の列車、車中でのあれこれ話し。
 ほのかな気持ちを、細かなさり気ない台詞で。終盤のとうとさ(よいことばが?)
 にも好感。よいです。緑魔子のテンションにつられてか、木之内、平田両人がいつに
 なく上調子。気のせいかな。
 (劇中、平田さんの歌う曲は?。オリジナルかしら。ちと、気になる曲なんで。)
 


東京ノート (94.5)

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    【 東 京 ノ ー ト 】     青 年 団
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 東京の美術館のロビーでの細やかな人間模様。2004年、ヨーロッパは
 戦争の渦中にあるが、日本は態度を明確にすることなく、国民は漠とした
 不安の内にある。戦火を逃れたフェルメールなどが集まる美術館のロビー
 に、登場人物達が現れては消え、会話を交わす。会話の内容は、絵画や戦
 争や家族などについての日常的なもので、あらわな求心力をもつものでは
 ない。むしろ、重ねられた断片断片の後ろから、何かがおぼろげな残像の
 ように浮き上がってくる構成だ。その何かが、ラストシーンで不意に結像
 する瞬間は感動的といってもよいが、描写はあくまでも繊細で抑制を失わ
 ない。
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《感想》

・静かな進行、寝ている人も。いったん受け身になると、牽引力の弱い芝居
 だけに、劇空間から見放されてしまいそう。客にとってはきつい芝居だ。

・絵について語られる内容は、そのままこの芝居自体についての自己言及に
 もなる。いわく、「絵をみるのってほんとうにむずかしいですね。」

・ラストシーン。どうして景色や人そのものよりも、絵の方がいいんだろう
 、という宙に浮いた質問と、私を描いてください、という決意のようなせ
 りふ。このふたつが、頭の中をぐるぐるまわった。

・この芝居のキーワードは、能動的な働きかけとしての「みる」という行為
 だろう。何かがある。それをみる。このふたつの間にあるものをめぐって
 、あるいはそれをかすめるようにして会話が重ねられる。

・何かがある。例えば、風景がある。戦争がある。家族がある。役割がある
 。関係がある。それらはみな事実としてそこにある。

・人は、それをみる。正しくみようとして、宇宙的な視点、神の視座にあこ
 がれる。遠くの高みから、客観視することを。あるいは、それがだめだと
 知って、みることを拒む。地面の中に頭をつっこんで。

・どうして景色や人そのものよりも、絵の方が感動的なのか。それは、みて
 いるからだ。何かがある。それを、画家はみる。絶対的な正しい見方など
 ないけれど、それでもみる。みようとする。みるということは、他人事の
 世界を、自分のものとして生きようとすることだろう。

・婚期をのがしてひとり田舎に残り、年老いた両親の面倒をみる長女。そし
 て、その弟の嫁。二人の間にあるのは、与えられた家族の関係だ。その関
 係は、ある。他人事のようによそよそしく、それはある。

・弟夫婦の離婚によって、ふたりは赤の他人になる運命だ。もはや、関係は
 なにもない。そしてそのとき、弟嫁は、わたしを描いて下さい、わたしを
 みて下さい、と言う。ふたりが、お互いの関係を、みようとする。そして
 そのときはじめて、ふたりの関係が、ほんとうに自分達のものとして、生
 きたものになる。たとえそれが、ほんの一瞬の幻のようにはかないもので
 あったとしても、それは感動的な一瞬だ。

・役者では、志賀広太郎・平田陽子の両学芸員がよかった。

・アゴラはなかなかみやすくてよかった。ただ、後半ひどく暑苦しかった。
 集中力のいる芝居だけに、つらかった。

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【東京ノート】 青年団 第27回公演
 作・演出:平田オリザ
 美術:鬼頭路加 装置:杉山至+突貫屋 照明:岩城保+ZEST
 出演:松田弘子(長女) 山村崇子(次男の嫁) 平田陽子(学芸員)
    志賀広太郎(学芸員) 山内健司 大木透 永井秀樹 他
 1994.5.13-31 こまばアゴラ劇場 全席自由(前2700 当3000)
 5/26(木)16:00-17:30 4列目中央より観劇 客入り:超満員
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(下の文章の文責:まねきねこさん)


5/20(金)7:35-9:05PM 晴れ 駒場東大前・アゴラ劇場 青年団
  「東京ノート」    作・演出:平田オリザ     満員

 懸念を表出。隠されたものが浮かぶ。より強い訴え。簡素だけど細やかな台詞。
 
 お話し。とある私設美術館のロビー。絵を見に上京してきた女性と姉妹。 
 恋人達。友達。絵を寄贈に来た女性と弁護士。学芸員。の行きかい。
 いつもの荒立つことのない静かなスタイル。違うのは「しかけ」の多さ。
 日常と今の時代の素顔がより前面に。劇中の絵画論、「見たいもの、見せたい
 ものに光を当てる」は、なるほどこの芝居。
 
 ラストは心動かされる。行き場のない義理の妹と気遣う姉。思いやり交わされる
 二人の視線と言葉。余韻の残る切ない幕切れ。



S高原から (94.8)

(下の文章の文責:まねきねこさん)


8/5(金)7:30-9:05PM 雨 六本木・俳優座劇場 青年団
 「S高原から」    作・演出:平田オリザ  満席

 かわらず行間を読む楽しみ。死がテーマの今回。ラストは、なるほどなねこ。

 再演。ねこは初見です。お話し。高原のサナトリウム。長期療養の患者達の
 行きかうロビー。他患者の死のうわさ、見舞客の憶測、疎遠な恋人達の語らい
 ・・・など。さまざまの示唆が重なる舞台。声高な嘆きも悲しみもなく、死が
 確かにあるだけ。想像力からのリアルさが、すごい。
 友人の死を何でもなく話したりは、違和感。でも、そうなんだとも思う。
 何にしろ、どうしようもないし。生きてるものには、わからないんだから。

 エアコン、確かにうるさいので終始停止。後半、ちとむっとしたけど、大した
 ことなくて良かった。でも、マチネはちとくるかもしれない。
 それよか、このとこ暑さで、脳へたりねこ。和田さんに投げキスもらっちゃう
 状態ですわ。



転校生 (94.11)

(下の文章の文責:まねきねこさん)


11/3(木祝)6:35?:40PM くもり 渋谷・青山円形劇場 青山円形劇場P
  「転校生」 作・演出:平田オリザ          ほぼ満員

 深刻や変話題もあっさりの取り留めなさ、◎。ラストは、せつなくて泣きねこ。

 青年団みたい基調舞台。ペーパーホワイト一面。背もたれのない21個の椅子が
 整然と並ぶ。机なし。上下に通路スロープ。頭上には、長短パイプのチャイム。
 かすかに揺れる音色、命令口調じゃない優しさ。天国的にも感じた舞台の女子生
 達にとてもあって、◎。制服。ポケットのワンポイントもいいグレーのブレザー
 、赤いチェクフャjスJ、赤いリボン。ベストはグレー(カーディガンは自由
 ?)。かわいい制服です。

 お話し。ある日目覚めたら、転校生になってたという子がやってきた教室の一日
 無邪気さと、世界を垣間見る不安な心。人はなぜうまれてくる?、どのようにし
 てうまれる?の疑問。文化祭発表準備での差別される「世界の高校生」達の記事
 などのWHYとHOW。「変身」、「風の又三郎」のこと。が、とりとめなく、
 だけど時に重く、平行した会話で描かれていく。

 台詞の絡まりが、すごく楽しい。ぽんぽんはずんで飛ぶ会話が、◎。堂々とした
 演技だし。現役の高校生ですよね。たいしたものです。
 ラスト◎。転校してきた子と転校するかもしれない子の二人。自分の椅子に頬杖。
 互いに手をさしのべ、触れ合う。居場所と時間を確かめ、繋ぎとめるように。
 はかなげなで、胸にくるねこ。記憶に残るだろう場面。

 あとは。変身の話しをする順子役・吉田浩子さんが、たよりになりそな(?)感
 じでいい。顔がはでめでショートの美和子役・さわきゆきこさんも、期待できそ
 う。みんな、輝いてる。微笑みねこ。また、どこかで舞台の彼女達をみたいなあ。


火宅か修羅か (95.5)

(下の文章の文責:まねきねこさん)


5/21(日)7:00-8:30PM 曇 駒場東大前・アゴラ劇場 青年団
 「火宅か修羅か」  作・演出:平田オリザ    満員(80人)

 お話。海に面した古い旅館のロビー。ソファセット二つ。お客も大きく二つ。
 妻の死後、家を離れ住み着いてる小説家と、訪ね来る、編集者、娘と新妻。
 おなじ高校ボート部の同窓会。かつて遭難事件で同級生を亡くした彼ら。
 静かに通りすぎ、触れ合う人と会話の春の午後。

 重なりあう会話と間合いが、絶妙な関係。いつものスタイルだけど、とりわけ
 可笑しく、楽しく感じる今回。旅館の人と客のやり取りとか。くすくすの白い
 余白が、○。平易な日常の言葉。すっと、胸に入って好感。

 そんな中。人の死にわだかまる修羅の暗さが、浮かび沈む。表立たない悲しみ
 、苦しみ。五歳のとき、母は私をかばって死んじゃったらしいんですよ(不正
 確)。とか、ぶっきらぼうに言われると、ぐっと来てしまう。のんきな可笑し
 さと相まって、微妙な思いねこ。それがまた、よいです。(5/18-6/12)

 最近、青年団はいつも脇の階段に整列入場。10番毎にNO.掲示してるのが、
 ありがたいです。客数を限定してるのも、混乱しなくていいとこかも。のど、
 えへん虫でいがいがだったねこ。受け付けのフリー「のど飴」に助かりました。



南へ (95.09)

(下の文章の文責:まねきねこさん)


 台本20P分(20分)遅刻。新宿から1時間30分掛かるのね。年1回はいくのに・・。
9/23(土)3:10-4:45PM 晴 藤沢・湘南台文化センター(0466-45-1550)青年団VOL.30
 「南へ」 作・演出:平田オリザ 前売、当日3000 舞台最後尾より 客席8割

 '90初演('90-9/7-17アゴラ劇場)。上演時間、15分位長くなっている?。
 会場。ばか広、天井高い湘南台文化。幅30mいっぱいの舞台=船の甲板。ローラー
 スルーで走る役者も気持ちよさそ。中央。2つのテーブルと椅子。それらの後ろ
 が通路。上手後ろにもテーブル。下手には天井まで幾葉の白い帆。舞台後方の黒
 い衝立は何?。照明は客席も含めた一様な陽光。ともかく、広くて気持ちいい。
 
 お話。近未来。成長が鈍化し、黄昏の日本。船に乗り、見果てぬ島に行く人々。
 なにかしらを求めて、日本を脱出した彼らだったが。
 いつもの日常会話舞台。が、意外に良く通る声。広い会場でも障害なし。どこか
 屈折したキャラ達が明確。役者もさりげなく、巧くて○。

 純粋日本人達は、混血というだけで従業員と距離をおく。日本で育ち、なにも自
 分達と変わらない彼ら。対立という交流もなく、一方的な日常の差別。と一方的
 な反撃(椅子の画鋲とか)。一見善良、小奇麗でいて、醜い日本人の姿。たいし
 て事もない舞台に巧く浮かばせてて、◎。しかし、ねこの中にも感じる、この閉
 じた黒いものって一体・・。

 密航者役の渡辺香奈。他の人とちと違うのが気になる。自由というか、開放感あ
 るというか。不思議な感じ。あと。チラシ中、平田さんの日経新聞連載のコピー
 あり。未読ねこには親切なはからいでした。(9/22-9/24 3ステ)


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