上海太郎舞踏公司


概要

構成員
主な作家
主な演出家
上海太郎
主な役者
上海太郎
室町瞳
沖埜楽子
主なスタッフ
劇団の公式ホームページ
http://www.shang-bu.com/

過去の公演

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Vol.3 非ユークリッド恋愛学 (92.3)

(下の文章の文責:一寸小丸さん)


上海太郎舞踏公司 Vol.3「非ユークリッド恋愛学」3月19日7時(2:00'-10')
表参道/青山円形劇場 前3000円 当3200円 3/18〜20(4ステ)
構成/上海太郎 演出/丸山啓吾 振付/冬樹 03-5410-3937 客180(8割)

私は知らない大阪の劇団。上海太郎についてはおぎさんが昔書いてたね。本作品の
レビューもおとーたまさんが昨年末に書いてた。青山円形では3回目の公演で、昨
年のを見ようと思ってたけどメゲちゃった。おぎさんが何か言ってたんで見逃して
悔しい思いをしたのを思い出す。だもんだで、コンジョー入れて、見た。確か「そ
とばこまち」の人だったんだよね上海太郎って?。芝居をやんのかと思ってたぁ。

オムニバス・ショートコント的ドラマチック・ダンス15本。ひとつひとつのメタ
ファーが実にわかりやすくって楽しい。あたしゃ、ここ好きだ。ちょっとわかりや
すすぎて、ものたりないけど、とにかく役者がいい顔してっから小丸さんのポイン
ト高いぞ。思わずセリフをしゃべらしてみたい。みんな個性あってかっこいい。

男女テーマを身体で表現。基礎はバレエやジャズだけど、顔の崩し方は芝居です。
幼い日の淡い恋心から、すれちがい、悶々、いらだち、打算、一途、用意周到、移
り気、ガッツ、寄り切り、あびせ倒し、逃避、かけひき、・・・断片の数々。

こいつらの名前って、なめてんのか。上海太郎、木ノ下平八郎、室町瞳、桃麿、沖
埜楽子(おきのらっこ)、うみのさち、青井蜜、いつもくにこ、鈴木鈴(すずきり
んぐ)、磯子・・・なんだかなあ。上海太郎って吉田紀之みたいな顔。んでもって、
あたしゃ個人的に、らっこさん(だと思う)が好きだ。こいつぁーええで。

見終わって「関西の劇団で、私をつかまえたのは初めてだぞ。あたしゃ好きだ。に
しても、つくづくセリフを喋らせてみたい。テンション高いもんな。」



ダーウィンのみた悪夢 (93.12)

(下の文章の文責:まねきねこさん)


12/3(金)7:30-9:30PM 曇    渋谷・BEAM  上海太郎舞踏公司
  「ダーウィンのみた悪夢」 構成・振付・演出:上海太郎 満席

わかりやすくて、優しく面白い。やっぱ、大好き、上舞ダーウィン。
 91年6月(青山円形劇場)から、海外公演を経てのうれしい再演。
 
 まず、プログラムから。ソロ、群舞など、人間含めて「動物物」ダンス。
  
 1群盲          :象(4人蛍光布巻き足にして)をなでで・・
 2上海太郎舞踏公司的題目 :きびきびの群舞、好きだあ。お茶飲むのもね
 3街の風景機       浮浪者のみたものは?。流れる時の静止。
 4少年時代        :蝉取り少年の迷った先は・・
 5進化          :アメーバから人間までの群舞マイム。細かい
        
 6猿まね         :人かと思うと猿。猿かと思うと。磯子猿○
 7SEXミクロ編機    ГΔ叩で精子達GO。アイドル卵子ふりふり
 8アニマルセックス    :動物すり替えネタ続く。
 9SEXミクロ編供    Ы王様卵子にいやいや。お客いただきます。
10深夜徘徊族       :ゴソゴソゴキ。ホイホイに増えるのは大笑い。
  休憩          :10で残した靴を東京都ごみ袋へ。上海太郎
               とちゃんと記名。大阪人えらい。
11王選手の場外ホームラン :位置エネルギーの増減を卑屈<->尊大マイムで。好き
12パスカルの情景     :どんなだっけ。忘れた。13,14に続く構成
13胡蝶の夢        :サラリーマンは幻視した蝶に誘われて。14の狐の
14狐のお宿         屋敷に迷いこむが・・。
15TVの中の宇宙     :テレビの真空管に星雲をみる少年。
16街の風景供       浮浪者に少女は勘違い。でもね。
17サークルゲーム     :屋上バレー。どんどんボールが増えて。
18おもいで        :どんなだっけ。忘れた。
19プロローグ        :演目をビデオを巻き戻すようにダンス。すごい

 2、5、19群舞の才知にぱちぱち。かっこいいしね。10のとほほだけど
 お茶目も○。全体だけでなく、細かなしぐさとか、よくできてるのも感心。
 こころざし高そうだけど、わかりやすい。上海太郎えらいよん。
 役者。ちっちゃい沖埜楽子、かわいい。みてるだけでうれしいなあ。

 前回と変わってて、気付いたとこ。瑣末ですが。
 ・11の前の「ティルト・ブラザーズ」がカット。
 ・タイトル1は「群盲象を撫でる」だった。
 ・7から続く9は、女王様に変わらず、アイドルのままだった。しかも
  担ぐんじゃなくて、抱えて連れていった。



マックスウェルの悪魔 (94.8)

(下の文章の文責:まねきねこさん)


8/28(日)6:00-7:40PM 晴 新宿・シアターサンモール 上海太郎舞踏公司
 「マックスウェルの悪魔」    構成・振付・演出:上海太郎  満席

 すべてのものは、熱平衡にいたるがテーマ?。男女の愛憎、町の募金、電車での
 痴漢、行列など、14のダンスやマイム・シーン。善意と悪意がぐるぐる世界。
 そこでは、悪が優位・望まれる存在で、善はうざったい。一筋縄ではいかない皮肉
 な展開は、面白い。最後は、悪魔と天使が共存の「時の翼にのって」世界と思った
 ら、何にもなくなる?。うーん、共存も無も同じといえばそうか。

 悪魔というより、終始すけべひげおやじ役の上海太郎。わかりやすい。天使?役の
 沖埜楽子。体の動きの柔軟さと表現も、一段上だし。彼女なしじゃ成り立たない
 ほど。



(下の文章の文責:一寸小丸さん)


上海太郎舞踏公司「マックスウェルの悪魔」8月30日7時半(1:30')
新宿シアターサンモール 3000円 8/28〜31(7ステ)
構成・振付・演出/上海太郎 06-923-6055(リコモーション) 客220(満員)

すばらしかった。もう一回見たい。感動した。泣けた。

上海太郎は劇団そとばこまちの元座長。生瀬の前の座長ですよね。89年に旗揚げ。
91年「ダーウィンのみた悪魔」で東京進出。小丸は翌年の「非ユークリッド恋愛
学」から。関西の劇団では最も気に入っている(維新派は別格ね)。

本作は今年4月に大阪で初演。日経の中西さんによると、今回は4月の時より、は
るかに良くなっていたそうです。

リコモーションは関西の小劇場の役者の主だった方々が所属するプロダクション。
古田新太などなどが所属し、彼らの出演する公演には制作協力の名でしばしばチラ
シで見かける。てっきり大手かと思っていたら、そうでもないらしい。劇団の制作
を担当するのはこの上海太郎舞踏公司だけらしい。もともとそとばこまち関係だと。
「浅見亜希子」という芝居好きの女性が、かつて好きな作家と演出と役者を集めて
芝居を制作した(銀座みゆき館で公演)。その子がうにたさんの「演劇制作1−2
−3」の後、就職したのがこのリコモーションだ。東京から、なして大阪に行って
しまっただか。顔を知らなかった私だが、今日、とうとう見てしまった。

さて、芝居です。セリフはありません。身体表現のみの舞台です。サンモールの座
席の前5列をとっぱらって、中央通路より前のすべてが舞台です。と言っても前側
は左右両端のみしか使いません。空間を広く使っているのです。でも、全然狭く感
じました。やっぱ上舞(しゃんぶ)は青山円形が合っている。

この芝居の最も優れているのは、演じられる内容が具体的であり、解釈しやすいこ
とにあります。前回は「メタファーがわかりやすすぎてつまらない」とか評した私
ですが、今回は具体的ではあってもスケールが大きく、様々な解釈が成り立つとこ
ろが優れていると思います。一緒に見た知人は「あれは原子なのよ。原子の集散よ。
ミクロなの。ミクロコスモスなのよ。確かに途中は宗教かとも思ったわ。でも、ミ
クロなのよ、宇宙なのよ。すごいわ〜。」・・・ほんとかよ。

●人類の終焉。生命は発生し、生物が引き継ぎ、そしてヒトは旅立った。ヒトは
集まり、社会を形成し、協調と排他と愛と孤独を産み落した。すなわち我々の
社会である。幸福を望むものがいて、幸福のために努力するものがいて、そし
て不幸を作り出す。人は目を見開き、社会を知り、社会に加わり、社会を崩壊
させる。われわれの社会。幸福な社会。一人の少女を壊すことで存立する社会。
9番ボールがコーナーに消える。その時・・・。そして誰もいなくなった。

てな解釈を私はしてました。多分に使われていた音楽の影響が大きいです。確か、
NHKの「脳」(養老さんと樹木希林が出てたやつ)のテーマでしたよね。違う
かもしんないけど、私はそのイメージがつながり、それが今年の「生命」シリーズ
のイメージにも重なり、その結果・・・。

セリフがないからねー。効果的だったねー。もちろん、役者さんの身体表現のレベ
ルの高さがとても重要。みんな、ほんとに豊かな表現だった。青山円形なら、彼ら
の顔の表情まで見れたはずなのに・・・それが残念。

実は、始まると同時にうるうるしてました。理由は「沖埜楽子」に会えたからです。
すんごく会いたかったんです。前回見たのは92年の3月ですよ。2年半も空いて
しまいました。去年の公演が見れなくて、ほんと残念だったのです。幕が開くと、
ひたすら彼女を見てました。んで、ちゃんと育ってるんで、ほっとするやら、うれ
しいやらで感動してしまいましたのさ。良かった良かった。

一つ注文を挙げるなら、なんとかして音楽をオリジナルにしてもらいたい。この表
現だと、あれはヒキョーです。サウンドを見つけて下さい。京都方面なら、なんと
かなるはずです。(知らないけど)

見終わって「人類の未来に思いをはせる・・・なんて贅沢な時間。」

−−−

しかしなんですなあ。こーゆー話題で盛り上がってると、思わず日常でもへんなこと
を口走ってしまいます。文字で書くのとコトバにするのではえらい違いなのに。昨日
会社で、ちょっとえらいおやじが「マルチメディアっつうのは、現実と非現実の区別
がつかなくなるっちゅうのも含めて、世の中をぶっこわしてしまうんじゃないのか」
みたいなジュラシックな(古い)ことを言うもんだから、つい「なにぶっこいてんで
すか、しょせんエントロピーは増大するんですよ、科学技術っちゅうのは不可逆反応
なんですよ。」とか言ってしまい、一瞬シラケてしまいました。話しコトバと書きコ
トバは区別せにゃあかん。

平易な文章にしましょう。

世の中っつうのは、ほっときゃ乱れるっつうのが自然の摂理なわけです(エントロピ
ーが増大する)。てことは、「マック悪魔」は自然の摂理に逆行するやつですから、
乱れなく、秩序を守るやつですから「いいやつ」です。「悪魔」なのに「いいやつ」
なんです。正義の味方の悪魔が「マック悪魔」のことです。

つまり、列は乱れるのが自然、並んだボールはバラバラになるのが自然のことなので
す。ボールを弾きとばしたのは「自然現象」なんですよ。もちろん、それを後押しし
たやつがいれば(キューを握ったやつ)、そいつは超越者なわけで、自然の摂理をつ
かさどるエライ人なわけです。彼には、キューを手放す権利もあるんですけど、結局
とことんつきまくる人なわけで、彼も自然の摂理のしもべなわけだ。

てなわけで、この舞台には「マック悪魔」と呼ばれる正義の味方は登場していません。
「正義の味方はいない」のです。それがテーマです。エントロピーは増大し続けるの
です。争い続け絶滅した恐竜さん達を引き継ぎ、人間さまは登場したわけですェ、自
然の摂理に従い、スーツを身にまとっとTレックスや、ジーパンをはいたティラノザ
ウルス(同じだ)は、吼え、叫び、夜空に向かって咆哮しては、絶滅してゆくのでし
ょう。それは、超越者の望むところではなく、しかし、どうすることもできません。
それを見守る「観客」という名の私達も、どうすることもできません。私達は見てい
ますし、知っていますが、そこで何もしないのが私達なのです。上海太郎は、それを
見せつけてくれました。「ほっときゃこうなるよ、んで、どうすんだい?」と。

さて、上海太郎は間違ってます(キッパリ)。「秩序は崩壊し、そして終わりだ」で
はありません。確かに秩序は乱れるのが自然ですが、それでも終わりは来ません。新
たな秩序を生めばいいのです。キューに弾かれたボールは、一人一人が4つのコーナ
ーという場に墮とされますが、それを否定的に捉える必要はありません。一人一人が
4つのコーナーという新たな場に落ち着くのです。新たな秩序の始まりです。確かに
バラバラの場ではありますが、それでいいのです。中には自然の摂理と抱き合うやつ
だっているわけで、それはそれでいいのです。

上下関係という美徳に守られ、年功序列という秩序に保護された社会が、ネットワー
クだかという核兵器により、壊されようとしています。みんなバラバラで、小さな組
織に分かれてスナフキンの手紙状態を作ろうとしています。いったい、世の中どうな
ってしまうんでしょう、と憂いているおやじもいます。でも、おやじぃ、そーゆーバ
ラバラな世界って、けっこう気持ちいいかもしんないんだよ。確かに会社とか世間と
かに守られ、単一民族ごっこしていられる方が楽かもしんないけどさ、自分勝手で接
続する社会も、けっこういいもんだよ。下から読んでも「マック悪魔」、なんかいな
くても、ちゃ〜んと新しい秩序ができるって。ネットワーク社会だって、運動不足養
成マシンとか言われてるけど、全然違うんだからさ。ネットワーク社会に最も重視さ
れんのは「フットワーク」なんだかんね。ビリヤードの、4つのポケットだって、台
の下ではつながってんだし、九つのうちの八つぐらいは、ちゃんとオフラインするん
だから。だって・・・、コミュニケーションしたいじゃん。



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にしかど(nskd@enpe.net)