そとばこまち


概要

構成員
主な作家
生瀬勝久
主な演出家
生瀬勝久
主な役者
生瀬勝久
後藤英樹
山西惇
新庄諭
藤原考一
小原延之
みやなおこ
西村頼子
渡辺陽子
浜田満貴子
主なスタッフ
美術:綿谷登
照明:黒尾芳昭
音響:勝山由佳子
衣装:金ヶ江美香
劇団の公式ホームページ
不明(たぶんない)

過去の公演

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冬の絵空 (92.2)

(下の文章の文責:一寸小丸さん)


そとばこまち「冬の絵空」2月28日7時(2:30'2')
下北沢/本多劇場 前3300円 当3500円 2/27〜3/2(6ステ) 大阪(6ステ)アリ
作/小松純也 演出/山西惇 06-885-3033 客400(通路まで超満員)

京都大学学内サークルとして76年結成、78年に創立メンバー全員脱退で新生スタ
ート。79年、大阪進出。東京では10年ぶりぐらいの公演と言っていた。主宰は4
代目座長の生瀬勝久。数多くいる座付作家により、様々な作品を上演している。
基本はエンタテインメント。娯楽性の強い、誰もが楽しめるものを目指している。

今回はマゲものだ。新釈忠臣蔵。大人から大人まで楽しめる作品。小丸は違う。

浅野の切腹の後、大石は動かない。二枚目役者の宗十郎とそのタニマチである商
人の娘が恋している。商人は武士の忠義を図るべく、吉良成敗を画策する。不人
気の大石の汚名挽回のため、娘との結婚を認めるかわりに「悪人成敗の大石」の
一芝居を宗十郎に命じる。町の悪漢を凝らしめ、大石の人気は急上昇、ヒーロー
となる。商人の娘までもが憧れるようになる。その商家に居候する大石の前に、
浅野が現われる。切腹したのは影武者の方だというのだ。その浅野は吉良を殺せ
と大石に迫る。しかし、お家再興が大事と大石は動かない。悩む大石は、娘と関
係を交わしてしまう。絶望する宗十郎。大石の弱腰を嘆く商人。苦しむ二人は12
月のその夜、一世一代の大芝居を画策する。宗十郎を大石にみたて、あだ討ちを
熱望する47士と共に吉良邸へと乗り込む。雪が血に染まる。大石に炎が・・。

仕上がりの水準は高い。稽古量も十分で安心して見ていられる。30人もの役者が
次々と。何人かの役者のレベルも高い。うまいし個性的だし。そして音楽のすべ
てを担当し、ライブで演奏する「おかげ様ブラザーズ」の存在も大きい。相変ら
ず演奏技術は高いし、なんでもこなせて、芝居心があるし、最良の選択だ。

しかし、小丸は燃えなかった。完成度の高さを要求してないから。どハデな演奏
と照明とか、和服を着てのダンスとか、エンタテインメントとしての方法に目新
しさはない。10年ぶりの東京公演で、きっちりやりたかったんだろう。その意図
は理解できる。この次はもっとシンプルな装置での役者芝居を見てみたいな。

見終わって「水準高いし、十分評価できるんだよ・・・だけどさ・・・。」



独人 (93.10)

(下の文章の文責:まねきねこさん)


10/30(土)3:00-5:00PM 雨 新大久保・パナソニック・グローブ座 そとばこまち
   「独 人」     作・演出:生瀬勝久       ほぼ満員

 ことばとこころ。同一性。を笑いのうちに問う。難しい。考えるねこ。
 
 舞台。グローブにしちゃ、狭い。両端と奥行きを切って。中央に、扉が起立。
 かみしもに白い天幕。これで場面を切り替える。せっかくの広さと高さを、
 生かして欲しいなあ。

 お話し。自分たらんと、会話を断とうとした男。の、願いと挫折=社会復帰
 の物語。落ち込みねこ、ざんした。
 ヒトリ(藤原孝一?)は、鳴る留守電に出ようとしない。と、相手の女が
 部屋に。あと、次々と変なやつらが入ってきて、たまらずヒトリは床穴から
 逃げる。さきは、J.B(山西惇)のバンド。パスポートを人質に、日本語を
 話すことを強要するヒトリ。が、ここでも会話の渦にたまらず逃げる。
 先は、赤点先生(生瀬勝久)のはなし方教室。ここで、会話、ことばを拒否
 した少女と出会い、共に逃亡するが果たせず・・。
 結局、集団、ことばのなかに、帰っていくのだった。

 ラストが悲しい。ほかに道はないの?。正解じゃなくともさ。
 こころを表現するために、言葉を覚える。でも、それは他人の言葉(こころ)
 自己を得ようとすれば、言葉、コミュニケーションを断つしかない。それを許さない者
 進歩を盲信する者達がいる。おしつける、おしつける、おしつける。で敗北。
 恐いお話し。でも、ねこもやってることだ。うーん。

 わかりあいたい。でも、ここは日本だ。日本語を話せよ。主人公がアメリカ
 人に強要する場面。こっけいな日本語。大笑いの客。ふと、かつてアジアで
 日本がしたと聞く暴力のことが、頭をよぎる。でも、可笑しいから、ねこも
 笑っちゃう。きびしいよ、これは。
 結局。ここで主人公は、会話の強要と断話の矛盾に、ねじ切れてしまう。
 うわっ。そんなこんな。テーマが深くて、沈没ねこ。額にしわしわ。

 観てて、桃唄309「若建の國」パンフも思い出す。古代人が、山を見て感動
 したら、簡単。「山よ!」の一言。うん。これで済めば、一番だ。

 ギャグ笑えます。J.Bのコピー(SEXマシーンとか)も、お上手。楽しい
 でも、全体だと、すっきりしない構成。シリアスの台詞が、断片的なことも
 あってわかりにくい。考えないといけないのよ。ギャグが手放しで、楽しめる
 だけ、これは辛い。
 
 役者。やっぱ。座長の生瀬勝久。声がよくでる。で、舞台がぱっと明るくなる
 ええのう。次回は、座長のアフリカみあげをもって、7月(だっけ)に
 サンモールで、とのこと。今回みたいだと、いやだなあ。


王様の決めた7つのルール (94.6)


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     【 王様の決めた7つのルール 】    そとばこまち
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過去を探し求める青年の心の旅。幼い頃に見失った心のときめきを求める
青年が、旅先で妙な床屋に出会い、彼の語る物語の世界にスリップしてし
まう。そこは、花王の治めるソープランド王国。大臣ナテラは「賢しき7
つの御誓文」を悪用して国民を身分とルールで縛ろうとしている。賛否別
れて国は混乱するが、花王にはなすすべがない。過去も名前も失った青年
は、床屋ヌカに引き取られ、そこでレジスタンスの若者達に出会い……。
自分探しのわかりやすいストーリー。巧みなギャグと、派手な衣装・美術
・照明・振付に彩られた楽しい舞台だ。ラストがこじつけがましいのが残
念。生瀬・山西がツボを押さえた好演。後藤・藤原が健闘。
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 6/22(楽日)ソワレ             サンモール すでに終了

 《感想》

  ・楽しい舞台だ。美術や衣装だけでもウキウキする感じがする。多彩なギ
ャグはキレがいいし、大勢出てくるシーンの騒ぎっぷりも楽しい。

・メインストーリーは典型的な自分探し。細かいアラはギャグでカバーし
 、サイドストーリーと謎かけとをうまく絡めてひっぱる。

・いただけないのは、ラストの展開だ。青年が伝説の男として認められる
 肝心のシーンに、説得力がまるでない。ここはギャグ抜きのマジなシー
 ンだけに、不自然さは隠せない。それで王様がいきなりひざまづいてし
 まっても、ちょっとしらけてしまう。

・生瀬勝久は少し引いた演技で、山西惇はパワフルな演技で、それぞれ魅
 せる。スパーク役の藤原考一も楽しい。青年役の後藤英樹は、二枚目の
 難しい役どころにしては健闘だろう。女優陣も随所でいい味を出してい
 たが、数が多すぎてひとりひとりの印象は薄い。僕の好みは渡辺陽子。

  = 次回作は? = 「12月、違った毛色の作品。チラシみて決めます。」

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 【王様の決めた7つのルール】 そとばこまち 
  作・演出:生瀬勝久
  美術:綿谷登 照明:黒尾芳昭 音響:勝山由佳子 衣装:金ヶ江美香
  出演:生瀬勝久(床屋) 後藤英樹(青年) 山西惇(ナテラ) 新庄諭
     藤原考一 小原延之(花王) みやなおこ 
西村頼子 渡辺陽子 浜田満貴子 他多数
  1994.6.17-22 新宿:サンモール 全席指定(前3500 当3800)
  6/22(水)19:30-21:30 I列上手より観劇 客入り:満員?
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(下の文章の文責:まねきねこさん)


6/19(日)6:00-8:10PM あめ 新宿・シアターサンモール そとばこまち
 「王様の決めた7つのルール」 作・演出:生瀬勝久 満席

 座長(生瀬さん)いいな。力抜けてて、巧いし。内容は、無難と言うか・・。

 お話し。旅の若者が吸込まれたのは、物語?のソープランド王国。そこで彼は、
 世を乱す者と忌み避けられるのだった。と、不吉な今こそさかしき7つのご誓文
 の封をとくと、謀略一物の大臣が言い出して・・。(#350おとーたまRも参照方)

 ”ルール”に簡単に振り回されるお話しが?。寓話、お約束でもなあ。しっくり
 こない。”サンポール:混ぜるな危険”(ギャグばらし、すまない)がやりたく
 て、創ったってことはないよね。
 謀略のとこは、興味引かれたけど。外したばたばたが、なんか目について・・。
 所々楽しみ、全体ちと疲れたねこ。


おまえを殺しちゃうかもしれない (96.4)

私の聞くところではこの舞台賛否両論のようです。私は賛の方です。
簡単にまとめると、精神錯乱ネタ含みの不条理ものということになる
でしょうが、この手のものは私の好みです。わりと丁寧に作ってあり
ますし、主役3人(生瀬/山西/みや)の演技は安定しています。

新宿はスペースゼロにて、21日(日)まで。(その後大阪で公演)
私が観た金曜日ソワレは満席でした。生瀬人気でしょうか。当日券目
当ての方は早目に行って並んだ方がよいかと思われます。

ここから後は、ネタばれありあり。

賢者のプレゼント、でしたっけ。愛し合う二人がお互いにプレゼント
を買おうとして、でもお金がなくて、女は髪を切って売って時計の鎖
を買い、男は時計を売って櫛を買ってさあたいへんっていう話。あの
話の主旨って何でしょう。相手を思う気持ちこそが一番の贈り物、で
したっけ。でもそれでは失敗の積極的な意義がないがしろにされてし
まいます。恋愛が最高に輝くのは、お互いに気狂いしているときであ
る、ってのはどうでしょう。マヌケや非常識、恥や失敗こそが愛の深
さを証明する。

観客を理解と安心から極力遠ざけるためか、物語の順序と構造が複雑
になっています。そこが巧みな作劇ってわけですけど、あえてちょっ
と三角関係絡みの骨子を抜粋して並べ換えてみましょう。

1)生瀬(生瀬)は恋人のサトコ(みや)に対して無頓着。
2)サトコは不満と不安を鬱積させ、精神科医(山西)のもとへ。
3)精神科医はサトコに恋をする。
4)精神科医はサトコに生瀬はミッテランだという妄想を吹き込む。
5)同時に精神科医自身がナマセになり替わり、サトコと擬似恋愛。
6)サトコは生瀬(生瀬)を精神科医=ナマセ(山西)に会わせる。
7)ナマセは他の患者も巻き込んで生瀬をミッテランに仕立てようとする。
8)フランス社会党の異常な集会(これがオープニングから延々と続く)。
9)失敗。
10)サトコから生瀬に入魂のプレゼント。
11)生瀬、人を殺すことを決意。

実際にはこれに、生瀬がそとばこまちの役者として舞台に立っている
という設定が加わって、虚実ないまぜの複雑さが増しています。やや
ムチャクチャです。でもこれは不条理モノですから、設定の多少のむ
ちゃくちゃさは、むしろプラスに働くというわけです。

問題はやはり、11)でなぜ生瀬が人を殺すことになるのかということ
でしょう。論理的に冷静に考えると、理由はありません。まともな神
経の人が見れば、気が違ったということになるでしょう。賢者のプレ
ゼントの例を引くなら、サトコの気狂いにふさわしいレベルの気狂い
をみせることこそが愛の証明になるという解釈も可能でしょう。でも
それにしてもなぜ殺人なのでしょう。

そういえば鴻上脚本の「トランス」では、三人が妄想トライアングル
の中に閉じこもってしまうのでした。こちらの三人にも、妄想トライ
アングルの中に閉じこもるという選択は有り得たはずです。その輪を
打ち砕くためには相当なパワーが必要だったのかもしれません。でも
それにしてもなぜ殺人なのでしょう。

人を殺すことが、自分が何者であるかを確認することにつながるとか
いうのなら、もう少しそこは詰めてくれないと……、とか思ったりも
しましたが、私はさっきのあらすじで言えば8)にあたる部分の長っ
たらしいわけわかんない集会のシーンとか、結構楽しくて、それだけ
でも良かったと思ってしまえるわけです。ダメな人は、そこで寝ちゃ
うと思いますけど。



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にしかど(nskd@enpe.net)