竹中直人の会


概要
竹中直人が役者を集めて年に一度、自分の好きな芝居を上演している。作・演出は岩松了が担当している。

構成員
主な作家
岩松了
主な演出家
岩松了
主な役者
竹中直人
主なスタッフ
劇団の公式ホームページ
不明(たぶんない)

過去の公演

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Vol.2 鉢植を持つ男 (91.6)

(下の文章の文責:一寸小丸さん)


竹中直人の会 Vol.2「鉢植を持つ男」6月27日7時(1:30')
下北沢/ザ・スズナリ 前2800円 当3200円 6/25〜7/1(9ステ)
作・演出/岩松了 03-3469-0511 スズナリ 客200(満員)

昨年から始めた岩松VS竹中の2回目。鈴木伸幸、神戸浩、芹明香、参加。

泣けるう。岩松了の世界をきっちり表現。ぢわっと来るぞお。

旅公演中なんだよ、主役なんだよ俺(鈴木)。ウィークリーマンションがいっぱい
で、兄貴の旅館に、こいつ(神経質な演出家=竹中)と泊まってんだよ、二人で。
一応、たまにしかここには来ないことになってっけど、兄貴の嫁さんとナニしちま
ってんだ。泥沼よ。なんだよ、その目、てめぇだよ。もちっと感情を入れて芝居し
ろってか。ごちゃごちゃうるせぃ演出だよ。知ってんだろ、義姉さんと煮詰まって
んの。煮詰まってんだよ。てめぇだって、自分の兄貴の嫁さんとナニだったんだろ。
何もしてねえって。できんかったんだろ。泥沼なんだぞ。兄貴は知ってんじゃねぇ
か。知らねえよ。大変なんだぞ。あの人、いい人なのか。どうなんだ。俺、どうす
りゃいいんだよ。薬くれよ。・・・・わーーーーー。

岩松を観るのは乾電池の「お父さん〜」、HIHO^2の「サラダボール」に続き3作目。
始めてちゃんと作ってあった。それぞれの役者が、ギリギリに追い詰められた人間
を細かく演じていた(ちょっち芹さんのテンション低かった)。岩松描く「噴火寸
前の人間達」の緊張に満ち満ちたお笑いが、あたしゃたまらなくファンだ。

見終わって「異化効果神戸ちゃんまで芝居してんだもん。すごいなあ。」



Vol.3 市ケ尾の坂 (92.9)

(下の文章の文責:一寸小丸さん)


竹中直人の会 Vol.3「市ケ尾の坂」9月20日7時(1:53')
下北沢/ザ・スズナリ 全指4000円 9/10〜23(19ステ)
作・演出/岩松了 03-3462-4738 客180(超満員=立ち見まで)

竹中直人と岩松了が組んで行なう公演の3回目。マドンナは荻野目慶子(一昨年は
三股亜由美、昨年は芹明香)。加えて村松利史で活躍の田口トモロヲ、大人計画の
温水洋一、ブリキの自発団の片桐はいり。岩松のホンで、こんだけ役者が揃えば、
その水準は、低くなりようがない。4000円分、見逃すまいて。

●たいへんだ。ボクんちの近所に越してきたあの人は、画家の奥さんだってさ。
若いぞ、美しいぞ。二人の兄ちゃんも舞い上がっている。うちってホラ、兄
弟三人暮らしだもんねいい年して。突然、あんなきれいな人がうちに遊びに
くるんだもんなあ。まいったよなあ、あせっちゃうよなあ。

あの人、苦労してんだ。後妻だしね。しょうがないけど。そうか、あの子供、
前の奥さんのだったのか。じゃあね。でも、ダンナは何やってんだ。あんな
人を泣かせるなんて、オレが許さねぇぞ。

オレなんか何もできないけど、ドナルドのバッジを買ったんだ。あの人にあ
げるんだ。「子供に」って言ってさ。ほら、子供とうまくいってないみたい
だしね。あげるんだ、あの人に。

また来たのに渡せねーんでやんの。よく来るなあ。ちっちゃい兄ちゃんとよ
く話してんのな。なんだよお。ずるいよなあ。抜けがけだよお。

やた。渡したもんね。これできっと子供とうまくいくさ。一歩抜きんでたな。

っだよぉ。松葉杖のこと話してんだもんなあ。兄ちゃん達、キタネエよお。
いつだってそおだ。兄ちゃん達、勝手だもんなあ。クソーッ。

ウソッ。なんでだよ。なんで渡してねーんだよ、子供にー。オレのだからか。
ドナルドだからか、なんだよ、何怒ってんだよ、兄ちゃんがバッジを見たか
らか、兄ちゃんは偶然なんだぞ、バカヤロー、バッジを渡してねえのはオメ
ーだろ、あのバカ画家の息子なんかに気ぃ使ってよお、なんだよ、兄ちゃん、
言ってやれよぉ、ガツンと言ってやれよお、兄ちゃん悪くねーんだからよお、
なんだよお、なんでだよお、キタネエなー、バカヤロー。

ま、素朴な三人暮らしの兄弟の生活に、突然乱入してきた美しい人妻ってパターンで
す。人妻なりに苦労してて、三人して意識してて、三人とも純粋だから何もできなく
て、だんだん欲求不満がつのっていって、しまいにゃ爆発して・・・。

今日の田口トモロヲさんのテンション最低。竹中さんと温水さんと片桐さんの高さと
比べると残念。もちろんトモロヲさんの高いテンション芝居を見たことありますので、
たまたま今日がだめだったのでしょう。残念です。

そいでも竹中さんと温水さんで、結構維持してました。それぞれの役割が重要なポイ
ントを占めるので、一枚欠けてもつらいのですが、ま、なんとか。

去年の芹明香さんも甘かったけど、今年の荻野目さんは、ちょっと無理でした。ニナ
ガワさんとこで、でかい和物シェイクスピアとかやってましたけど、やっぱ小劇場は
ごまかせません。彼女がなぜ、あの兄弟の家に通っていたのか、という理由を示して
いません。その精神の不安定さを描いていません。だから、兄弟達の対応の必然性が
生まれません。彼女が追い込まれているから、彼らも追い込まれるのです。終盤に温
水さんに向かって言い放つドナルドのセリフが唐突になります。そもそも彼女はいつ
も「何言ってんだか」ってぇ存在であるはずなのに(思考回路が飛躍しているの)、
セリフが結構具体的になってんの。もっとぶっとんでて、三人が憧れる理由が納得で
きる女性であって欲しかった。もちろん、母親を感じさせるものなど、出せてない。

竹中直人は相変らずすごい。息を飲むぞ。笑いを作るしね。こんなのに対抗できる役
者は、そうはいない。・・・柄本明とやらせたい・・・けど、それは贅沢だね。対抗
できる女優は・・・若いのではなかなか・・・かえすがえすも三股亜由美を見逃した
のが悔しい。

見終わって「温水さんがすっころんじまったの。たら荻野目さんが笑っちゃって芝居
になんなくなった。ちょっとヤバイぞ。岩松の芝居なんだからな。」

−−−

楽日のテンションは、みんな高かったらしい。トモロヲさんもすごかったらしい。
やっぱ私も2回見ればよかったなあ。とにかく私が見た日のトモロヲさんと荻野目
さんのテンション、低かったから。んでも、ま、美しい荻野目さんを間近で見れた
んだから、それはそれで良しとしなければいけない。きれいだったなあ・・・ポッ。

知人が言ってたんだけど、岩松了はやっぱ、高いレベルの役者でないとイカンそう
だ。しかり。「アイスクリームマン」のように、ホンの面白さで楽しんでしまうの
は邪道だもんね。岩松了が要求する高いレベルの芝居を、やっぱ表現してくんなく
っちゃだ。最近見た中で、それをやっていたのは竹中、温水、柄本(お父さんのお
父さん)、三股(サラダボール)ぐらいだもんな。

全く岩松の要求は高い。んで、役者が必ずしも描ききれていないと思われるもんだ
から、知らず知らずに想像を逞しくしてしまう。いまだに余計なことを考えちまっ
ているもんね。余計なことだ。あれやこれやだ。
(それにしても私の見た日は荻野目さんとトモロヲさんが・・・)

だから一番思うのは、荻野目さんが描かねばならなかったことの数々です。まず、
亭主と子供に追い詰められていることです。片桐はいりを雇えるような裕福な家庭
で何不自由なく暮らしていながら、3兄弟のうちをオアシスにしなければならない
状況というのは何だ。彼女は3兄弟に波風を立てていることなんか知っているんで
す。それはそれで楽しいんです。でも、無邪気ですから、平気でやってくるわけで
す。なんせあの夫ですから。見たでしょう夫を。なんですかあのファッション。ど
こが画家なんでしょ。イヤミなやつです。用もないのに3兄弟を訪問しちゃったり
して。そーゆーやつなんです。追い詰められますよねえ彼女。見守る3兄弟もたま
りません。彼女の焦燥感あっての、3兄弟のひずみです。

荻野目さんに母性が欠如してたのもイカン。なんせ3兄弟はマザコンですからね。
美しいものを神聖なものとしてしまうとこはあっても、つっつきゃ鼻血が出る年頃
ですもの。たまってんですから、押し倒してしまうべきなんでして、それをさせな
いのは彼らが意識していなくても、「母性」にあるんですよ。でないとエンディン
グが生きません。

もひとつ。荻野目さんのぶっとび度です。3人の存在なんか忘れて、突然わけわか
んないこと口走ったりするんです。それが3人には嬉しかったりするんです。荻野
目さんの一言に3人が横並びで微笑むシーンがありました。ですけどね、そんなに
ぶっとんでないんだもの。勝手にやってきては、そこにいる男心とか知らん顔して、
ひっかき回すオンナっていますよね。その人が帰ってからの残された男のむなしさ
については小丸さんは熟知しております。来れば来たで混乱させられ、いなけりゃ
いないで気になってしまう。平和はトーブン訪れません。その蓄積していくストレ
スが、終盤のパニックにもつながるんです。荻野目さんはもっと、ひっかきまわし
てくんなくっちゃだわ。

つうことでね、「美しい人妻を恋慕う3兄弟」ってぇ構図しか見えなかったのだ。
トモロヲさんなんか、実直なサラリーマンで、一番良識がある、って存在だもんね。
全然違うよなあ。やっぱ楽日に見れば良かった。そうです。楽日に見た知人は、
「トモロヲさんが一番危なくって、息をのまされた」と言ってました。そりはずる
い。私もそれを見たかったぞ。



Vol.4 こわれゆく男 (93.12)

(下の文章の文責:まねきねこさん)


12/19(日)7:00-9:10PM 晴れ 下北沢・本多劇場 竹中直人の会
  「こわれゆく男ー中産階級の然るべき頽廃」 作・演出:岩松了 満席

 いつになく、ドラマチック。な、岩松世界。竹中演技も○。
 お話し。海の見えるマンションの一室。サーフィン大会のイベント会社。
 そこの社員のあれこれあれこれ。
 背信。悋気。愚劣さ。嫌悪。親切という名の静かな暴力。孤独な心。
 おっ、恋もあったな。静かな芝居のなかで、心情の花火がぽっぽっ。
 岩松作品にしては、そのままの「愛憎」表現の今回。
 
 しかし、仕事など表面はいいけど、内面はメチャな人達。こんなの会社じゃ
 やってけないよ。ちと、カリカチュアぎみだか、おもしろい。
 のぞき趣味?。他人の不幸は蜜の味ってね。

 役者。竹中直人。残熱をもった団塊おやじ役。よく動いて、台詞と独特の
 ボケ(?)も多い。うれしいなあ。布施絵理の存在感も大きい。胸もね。



(下の文章の文責:一寸小丸さん)


竹中直人の会 Vol.4「こわれゆく男」12月25日7時
下北沢/本多劇場 前指4000円 当4300円 12/17〜26(15ステ)
作・演出/岩松了 03-3402-4836 セプティマ・レイ 客450(超満員=立ち見まで)

4年目の竹中直人の会は、高岡早紀、ビシバシステム、布施絵理らをゲストに迎え
ている。岩松了との共同作業も4回目を迎えた。竹中が岩松のホンに惚れ込んで始
めた公演だが、スズナリから本多へと躍進。この二人が芝居をやり続けることがで
きるということが、一番すばらしいいい。可能な限り、続けて欲しいもんだ。

●地方の海添いの街。ちょっとしたイベントの準備室。海外からのゲストも
呼ぶんだから、その街では大事かもしれない。イベントが近づいている。

数名の若い男女がいる。痴情の果て、一人が死ぬ。事件である。そして愛
を告げる。争いが起きる。興奮する。そしてイベントが近づいている。

相変らず緻密なホンです。演出的にも、作為的にシカケがたくさん施されています。
何かが起きる「予感」を、たくさん仕掛けています。イベント開催への高まりに、
登場人物の高まりが重なっていきます。うまいなあ。

例年にも増して、次々と事件が起きます。何も起きない「日常」を再現する岩松の
ホンとしては、異例とも言えます。この芝居は「普通」ではありません。何故、そ
うなってしまったのかと言えば、おそらく役者のせいでしょう。ビシバの二人は、
「普通」から逸脱します。飛び越えちゃうんだ。布施絵理もだ。

先日のジャンジャンでのビシバと布施絵理のライブを思いだしてしまう。ホンは三
木聰。あっちの方が、ずっと面白かったと思う。この三人の異常性を、まんま生か
していたもの。この三人は「緻密」より「大胆」が似合う。

んでも、水準は高い。竹中は変わらずスゴイ。本人が楽しんでいるからなあ。ビシ
バの二人も楽しそう。二人も岩松のホンが好きに違いない。贅沢な話しだ。

岩松の芝居を桟敷の最前列で見れないのは悲しい。トップスでもスズナリでも、い
つもそうだったのに。ホンが役者に要求する高く細かい演出を、全部見たいのにな
あ。岩松と役者との真剣勝負こそが魅力なのに。たぶん、一番贅沢な岩松芝居の見
方は・・・稽古場でだろうなあ。・・・見たいぞ。

見終わって「実は寝ちゃいました。途中で、ホンを読めばいいと思っちゃって。」



Vol.5 月光のつゝしみ in スズナリ (94.12)


---------- 【月光のつつしみ】 竹中直人の会 ----------

 竹中直人と桃井かおりの姉弟とその周囲の人々をめぐる、ある
種の愛を描いた芝居です。スーパー・エキセントリックな役作り
で圧倒的な存在感を誇る桃井をはじめとしてみんなどこか変で、
関係性はねじれていて、世界は変形していて、愛はそこに不気味
な濃密さで立ち込めている、そんな芝居です。僕は感情移入はで
きませんでしたが、暗転してゆく舞台をみながらどうにも背中が
ぞくぞくしました。

 やはり、スズナリで観た方がいいのではと思います。当日券は
毎日30枚程度出るとのことです。ただし、ほとんどは立ち見だ
と思います。

-------- 以降はこれから観る方はパスしてください --------

 わかりやすく図式化されることを拒もうという意志の感じられ
る舞台でしたが、それでもあえて図式化するなら、竹中と椎名が
桃井に愛情を持っていて、それぞれの妻である石堂と吉添が桃井
に嫉妬する、ということになるのでしょう。

 しかしすべての背後にあるように思えるのは、共有された過去
(共有できなかった過去)への異様なこだわりで、このこだわり
力が彼等の関係空間の座標軸をうにゅっとねじまげてしまうとい
ったことになっているわけです。

 僕は、このねじまがり具合を楽しみながらも、少し謎めいたも
のとして捉えてもいて、やがてそのこだわりの原因がなんらかの
形で提示されて、まあ一種のカタルシスを客たる僕に与えてくれ
るといったことになるのではないかと予期しつつ観ていました。

 が……。

 まあ、でも、すっきりしない分、それだけ、細部のごたごたし
たリアルさが、役者のヘンさが、心に残る結果になっているのか
もしれなくて、なんだか複雑な心持ちがしています。

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【月光のつつしみ】 竹中直人の会 第五回公演
 1994.12.13-29 ザ・スズナリ 1995.1.11-22 本多
 12/19(月)ソワレ 座席最前列 超満員
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(下の文章の文責:まねきねこさん)


12/25(日)7:00:50PM 晴 下北沢 ザ・スズナリ  竹中直人の会
 「月光のつゝしみ」 作・演出 岩松了      超満員(立見20)

 濃い。ぞくぞく、興味津々の2時間。石堂夏央を発見して、うれし。

 お話し。弟夫婦の家をたずねて来た姉。遊びに来た幼馴染みの男と婚約者。
 雪降り、照らす月光のもと、緊迫する日常と事件。#137亮さん、#177立花亭蘭坊
 さんのRがあります。

 桃井かおりの姉は、躁病?、神経症(でも、やってる事に苦しみはないようだ)?
 と思うほどの異様な高揚とこだわりが、周囲をねじ曲げていく。思慮深くある、と
 同時によけいな、嫌悪感をかきたてる言葉、仕草。突発する緊張。しかし、思いの
 ほか急速で穏やかな終わり。スリリング、目が放せなかったねこ。
 部分をみると、スラップスティックかと思うとこも。紙一重。今までで、一番面白
 い今回。

 役者。竹中、桃井の主役は言わずもがな。吉添さん、すごい。真摯な集中力で○。
 とり込まれそうで恐い。でも、そうなったら快感?。彼女の舞台はいつも楽しみ。
 石堂さんは、まっすぐの瞳が印象的。オートバイ少女、見逃しました。あがた森魚
 も好きなのに。悔やしい。文芸座とかでやんないかな。

 カーテンコールで、クリスマスプレゼント抽選会。桃井、岩松、竹中の順で3等ま
 で。1、3等が立見、2等が桟敷の人、当たり。苦もあれば、楽もあるってとこ。



Vol.5 月光のつゝしみ in 本多劇場 (95.1)

(下の文章の文責:まねきねこさん)


1/16(月)7:00:50PM 晴 下北沢・本多劇場    竹中直人の会
 「月光のつゝしみ」 作・演出 岩松了      超満員(立見あり)

 本多版。といっても、舞台の壁がハの字に開き、上手のカーテンが大きくなったく
 らい。芝居はいっしょ。12月スズナリ公演(桟敷1列だった)とおなじ、最前列
 で観る。本多やtopsは、ぴあで早めにとると、最前列ってことが多い。吉添さんの
 微妙なぴくり・いやそうにする顔、桃井さんのおびえたような眼とか、まじかで興
 味深く楽しむ。スズナリより距離がある。後ろの席では、違う印象の芝居に見える
 かもしれない。

 必要かな?と思うほどの細かでリアルな演出(突然の雪、帰ってきた人の髪が濡れ
 てるとか)。それと、ねじれた不自然な展開。このバランスがすごい。2度観ても、
 ほんと面白い。あんまないことだ。兄弟のつながり、共有する幸福みたいのを感じ
 もする。自分の妹弟を想い、かってに共感するねこ。そこはか、暖かな気持ち終演。

 両通路も含めて、当日はそれなり(3,40枚?)出てるみたい。なんとかなりそうな
 感じですね。それと。4月末に公演ビデオでる、おまけ企画も付くのチラシあり。



(下の文章の文責:一寸小丸さん)


竹中直人の会 Vol.5「月光のつゝしみ」1月20日(金)7時(1:50')
下北沢/本多劇場 前4000円 当4300円 1/11〜22(17ステ)
作・演出/岩松了 03-3402-4836(セプティマ・レイ) 客430(超満員)

そんなわけで当日券に4時に並ぶつもりだったのですが、寝坊しちゃって劇場に着い
たのは4時半でした。私の前に時かけさんが並んでました。既に長蛇の列。結局、当
日券は買えず、キャンセル待ちの10番という、ほとんど絶望的な順番となりました。
仕方がないのでテクを弄してしまいました。すなわち「チケット余ってる人3原則」
です。開演の10分前に劇場に戻った私は、直後にチケット(H列)を手にいれ、茫
然と立ち尽くす時かけさんを横目に、スキップもんで入場したのでした。俺ってゲス
な野郎だね。

12月にスズナリで22ステを消化したこの公演も、残すところ三日となりました。
スズナリで見るか、本多で見るか、とっても迷ったのですが、前回の本多での「こわ
れゆく男」がいまいち拡散しちゃってて面白くなかったので、その理由を知りたくて
本多を選びました。岩松了は本多では難しいのか。はたして・・・。

結論から言えば十分通用してます。本多でも、その濃密な空間は伝わります。東京乾
電池が岩松を上演した時と同様、柄本さんのような「いい役者次第」で、空間を埋め
ることは可能です。楽しめました。もちろん、スズナリならもっと楽しめたことは確
実です。この芝居をスズナリで見るの程、贅沢なことはありません。うらやまし。

今回のゲスト女優は桃井かおり。と言えば、やっぱイッセー尾形とやった二人芝居が
思いだされます。そりゃあもう、すごいハイテンションの緊縛芝居でした。あの桃井
が、はたして岩松をどう演じるのか、さてさて・・・。

●テンションの高い人々。かん高い姉は、いい歳の女教師。学校で事件を起こし、
弟夫婦を訪ねて来ている。姉を愛しながらももて余し、憎しみも共有している。
姉の饒舌さは神経を逆なでし、回りにいる人々を昂揚させていく。弟の妻も、
心の中の何かが壊され、動揺している。幼なじみとその婚約者が遊びに来てい
た。妊娠中の彼女も、姉に影響され、自らを追い詰めていく。

平和でおとなしい家庭。優しい夫とごくろうさんな妻。働きものの男と美しい
婚約者。愛という名の堅い絆で結ばれ合った夫婦と恋人たちの関係に、鋭利な
刃物のようなコトバと存在が占めていく。こわされる・・・。

壊れませんでした。相変らず高い要求の岩松のホンに、桃井も石堂も吉添も懸命に応
えてますが、ま、半分ですね。それでも、かなりの水準であることは確かです。要求
が高すぎるんだ。桃井や吉添に求められていることは、むちゃくちゃである。桃井の
場合は、自らを刺し殺すオンナだ。割れたガラス片だ。自らに触れることで傷つくが、
それを見ている人間をも痛め、歪めていく。そして、回りを壊すだけ壊し、ギリギリ
のとこでは自らを守り切るやつだ。難しいぞ。

吉添も大変だ。結婚と出産を前にした不安定な時期、夫になる男の幼い日々とその知
人を前にし、自分の知らないことの不愉快さや、気に障る存在に動かされながらも、
もともとしっかりした性格であるが故、持ちこたえ続けているのに、いきなり・・・。
いや、いきなりと感じてはいけないわけで、桃井を常に打ち返していなければならな
かったわけだ。打ち返すことで自らにストレスが生じるわけだ。難しいぞ。

石堂はうまかった。本来の優しさ、従順さを見せながらも、存在のあやうさや鋭さの
両面を、しっかり示していた。もっとシーンが多くても良かったと思う。

なんとか維持していた関係が、壊れてしまうことを、パニックで示していたけど、あ
れはちょっとずるいと思う。あくまでも見た目の関係は維持しながらも、それぞれの
関係が完全に壊れていく姿を、会話だけで示して欲しかった。そして、それでいなが
ら、その原因でありすべてである姉に導かれ、雪の降りしきる庭に遊ぶというのが、
私は好きだなあ。

一番気になったのは選曲です。あの選曲は違うと思うなあ。すべての選曲がさあ。な
んでかなあ。あと、オフで聞こえる声ですが、ライブでやってないんでしょうか。な
んか、前に録音しておいて、音響さんが流していたように思えるぐらい、それまでの
芝居のテンションと違ってました。陰にマイクを仕込んで、ライブでやるのは難しい
のかなあ(単に袖だとテンションが落ちたのでしょうかしら)。

第2回から竹中直人の会をす■歌慰ったと思います。やはり役
者の問題だと思います。岩松にしろ宮沢にしろ、静かな芝居は役者次第だね。

桃井は、なんか、「欲望という名の電車」でしたっけ・・・病気の女が主人公のやつ。
あーゆー型通りの役作りの面も感じてしまいました。やっぱ、岩松の要求の半分です
ね。たいしたもんですが。

見終わって「愛と憎しみの紙一重の世界ですか・・・どう演じろというんだ。」



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