サードステージ


鴻上尚史のほかさまざまな作家・演出家を招いて質の高いプロデュース公演を打っている。
概要

構成員
主な作家
主な演出家
主な役者
主なスタッフ
公式ホームページ
http://www.thirdstage.com/

過去の公演

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ヴァンプショウ (92.2)

(下の文章の文責:一寸小丸さん)


サードステージ・プロデュース Vol.5「ヴァンプショウ」2月25日7時(1:59')
新宿/スペースゼロ 3800円(当日補助席まだある) 2/24〜3/8(17ステ)
作/三谷幸喜 演出/池田成志・板垣恭一 03-5485-1272 客600(満員)

ある種の異種格闘技。エンタテインメント・ホラーコメディ。楽しめたよ。

話題の東京サンシャインボーイズの三谷幸喜がホンを書く。演出はサードステージの
精鋭の板垣(選曲がもろ板垣してた)。加えて演出に成志が挾まる。ハデな照明は倉
本・APS・泰史だ。個性が強すぎるスタッフ陣だ。

出演するのは、サンシャインボーイズの西村・がんこおやじ・雅彦、京・じてキン・
晋佑、まつお・健康・あきら(一番サンシャインボーイズっぽかった)、んでもって
熱海・成志と新感線・ヤマタノオロチ・古田だ。同じつか芝居と言っても、成志と古田では
関東と関西の違いぐらいある。三谷のホンと全く合わないテンション芝居を成志がや
れば、完全に関西風ボケをかます古田は絶好調だ。成志ファンは不満ありか?。でも
って、おいしいとこをさらったのは一橋壮太朗・ひさしぶりの役者稼業だ(三谷だ)。
忘れちゃならないヒロイン藤井かほりは、どんでん返しのジャガーチェンジだ。こん
だけ芸風が違う役者を集めて、ようまとめました。それだけで、えらいえらい。

ホラーですホラーです。ヴァンプはヴァンパイアのヴァンプ。スピルバーグorジョー・ダンテ。

旅の途中の5人組は、血を求めての全国行脚。列車が来ない田舎の駅で、時間つぶし
の夜の停車場。待ってた少女に素性を知られ、殺してしまおか仲間にしよか。たまに
ゃ新鮮血の乾杯を、やってみたいな、やめときなよ。仲間増やせば楽しい旅だが、分
け前減って、つらい旅だ。日本全部をヴァンプに変えりゃ、きっと夕刊が厚くなる。

いつもの三谷の通りで、「もしも現代日本人がヴァンプになったら」です。ハデな演
出と、三谷の巧妙な仕掛けが楽しい。エンタテインメント作品として、3800円分だ。

2日目ということで、セリフは食うは、セリフはとばすは。裏方のガンバリとホン自
体で持ちこたえた。役者もがんばってたけどね。京さんの芝居がホンに合っていた。
成志はきっと西村さんのをやりたかったことだろう。西村・藤井のシーンがいまいち
遊んでない。ちょっと西村さん苦しい。う〜ん、後半になれば、みんなずっと良くな
るだろうなあ・・・。楽日とか、きっと楽しいだろうなあ・・。誰か報告してね。

見終わって「化け物よりも怖いものが身近にいる、なんちて。」



トランス (93.11)

(下の文章の文責:まねきねこさん)


11/28(日)2:00-4:00PM 晴れ 渋谷・青山円形劇場 サードステージ
  「トランス」   作・演出:鴻上尚史    ほぼ満員

 献身?。暖かく切ない気持ち。でも、がっかり。鴻上氏の新作としてはね。
 
 トリッキーなサイコ・ストーリー。それはどうでもよくて。
 恋する、大切な人を思う気持ちがふんわと、心に広がる。背景の問題よりも
 そのほかほかの心を感じたお芝居。

 でも。別の切り口、お話しにしてほしかった。3年振りの新作だもの。
 観たふうのテーマには、がっかりねこ。先を走ってくれよう。
 
 本編とは直接関係ないけど。小わざきびきび、ギャグも冴え。さりげなく
 ダンス。うん。第三舞台だ。うれしいなあ。
 深刻テーマを背負って、ケ・セラ・セラの明るさ。大人ですね。
  東京12/5まで
 といったところで、ごきげんよう。 まねきねこ


ゴドーを待ちながら

サードステージの、『ゴドーを待ちながら』を観てきました。
確かに多少は眠くなりましたが、結構おもしろかったです。

僕はよく、風呂に入る順番とか、ケーキを選ぶ順番とか、いろんな
ことで弟とじゃんけん勝負をします。勝ち負けがあまり大事でない
ときは、僕はチョキを出します。弟はそれを知っていて、グーを出
します。つまり、僕はわざと負けるのです。けれども、時折やって
くる大切な勝負のときには、僕はここぞとばかりにパーを出すので
す。弟はもちろんグーなので、僕が勝つというわけです。「肉を切
らせて骨を断つ作戦」ですね。(^^) ……(1)

ところが、去年、二人でアメリカ旅行をしていた時に、弟も僕の手
口に気付いたらしく、ここぞという大勝負で、僕のパーに対してチ
ョキを出してきたのです。こうなると、僕も考えて、次の大勝負は
グーでいきました。弟はチョキで、僕の勝利。さらにその次は、僕
がグーだと弟が読めば、弟はパー。すると僕はチョキだけど、弟は
さらに読んできっとグー。だから、僕はさらに読んで、パーだ!
結局、僕はパーで弟はチョキ、僕の負けでした。 ……(2)

鴻上氏は勉強家なのか、いわゆる哲学や思想の方面にも明るい人の
ようです。それで、例えばもしポストうんたら主義とかなんたらが
どこかにあったとすれば、それはテツガクなんてオケラが笑う女子
高生の中にもあるということを、知っているのでしょう。時代の空
気というやつをです。

(1)と(2)、僕は同じパーを出しました。
(1)では負けて、(2)では勝ちました。
……でもさ、(2)のときの方が、いろいろ深読みしたんだぜ。
……それに、(1)の勝負があったからこそ、(2)もあるわけだし。
でもやっぱり、負けは負け、食べられるケーキや入られるお風呂や、
その他第三者にとっちゃあ、深読みなんて知ったこっちゃないですね。

そして少なくとも、パーが駄目でチョキならいいとか、単純にはそ
ういう問題じゃあないわけです。

例えば『ゴドーを待ちながら』が、それについて語ることを無意味
化させるという意味か、そういう意味そのものの無意味か、何かそ
ういうところに存在する作品だとすれば、例えば構造とか表層とか、
ずれとか形而上学へのアンチテーゼとか、そういう用語を持ち出す
ことは無意味だし、無意味だと断定することも無意味だし、無意味
だと断定することも無意味だと断定することも無意味だし……

だけど、そこから何とかもう一歩踏み出さないと、「やってられな
い」ことを僕達は知っています。正しいとか間違っているとかいう
前に、「やってられない」のです。『ゴドー』は、単純に言って、
僕達にはつらすぎます。

そして、つらい状況を直視することと、つらく思うこととの間には
僅かな間隙があって、例えば観劇の感激の中でその僅かな間隙をと
らえて躍ることができるかもしれないと知って舞台を作る人もいる
だろうし、あるいは躍ることを知った上で辛い状況を捉え直す人が
いるかもしれない。まあ、躍ってばっかりじゃあ、お前はアホかと
いわれるかもしれませんしね。

少なくとも僕達はゴドーなんか待っちゃいないし、むしろゴドーが
群れなしてゾロゾロやってきて、おかげで途方に暮れちゃって、中
にはもう、何でもいいやってんで適当にゴドーを選んでトンズラし
ちゃう奴まで出てきたりして、「うん、それもまた一興」なんて言
っちゃうのがオシャレでまいっかみたいなとこにいるかもしれなく
て、まあ、何とか今日この日をうまくやり過ごさなきゃってとこく
らいを辛うじて共感できるってなことかもしれないとすれば、鴻上
氏がいくら「ごあいさつ」の中で自分の実体験を語り、開幕時に「
ゴドー」の文字をいろんな具体例に置き換えてみせ、劇中で「古典
はうんぬん」なんてやって、そんなふうに思いっきりおせっかいを
焼いてみても、どうしても痛々しい感じで、まあ、観てる人も、ま
あ、今回は、しょうがないよ、なんて言っちゃったりして……

こんなふうな感想こそが、『ゴドーを待ちながら』にとって最もふ
さわしくないっていうか、モナリザ見て、ほう、いい絵の具を使っ
てるね、みたいなところがあるわけですが、でも、でも、「それも
また一興だよね」といってあっさり許されるというのがたぶん今の
空気ってもので、だからこそ古典『ゴドー』の立つ瀬もあるっても
んなんじゃないか、と僕は勝手に思っているわけです。
ちなみに僕は1968生まれです。

弟が、「兄貴はチョキだろう」と深読みしてくれてはじめて、僕が
パーを出す意義が生じるわけでもあるわけですから。そしてさらに
深読みした弟がチョキを出すところに、兄貴としての喜び?がある
わけですから。何も考えずにチョキ出されて、勝たれて、喜ばれた
って、こっちはしらけちゃいますもんね。

で、深読み合戦の末に、もはや深読みすることの意味なんか消え去
って、意味も脈絡もなく、「俺はパーだ!」とかいうところに辿り
ついたとすれば、ほら、それもまた一興、の声。

古典としての『ゴドー』の共有。
それは第三者にとってはどうでもいいわけですが、これからもじゃ
んけんし続ける当事者にとっては、意味のあることなのです。
……なんて詭弁に、みなさんは納得するでしょうか?

だって、僕は何を隠そう、初対戦なのです (^^) 新作が楽しみですね。

# 「考える」小須田さん、すごかったなあ。
  あっぱれ、あっぱれ。(^^)


祈る女 (95.1)

(下の文章の文責:まねきねこさん)


1/21(土)2:00-4:15PM 晴 渋谷・青山円形劇場 サードステージP
 「祈る女」 作:鈴木勝秀、演出:木野花    満席

 孤独な者達。差し伸べる手と拒む心。加納幸和が面白い。はしゃぐ戸川純になごむ

 お話し。「契約」で結ばれた元医師と看護婦。彼女に依頼された仕事とは・・。
 閉ざされた部屋でのサスペンス。羊がオオカミな、スズカツ世界。

 配布パンフにある「支配ー被支配」が、随所に見える。でも、契約、支配の言葉に
 は、なんも感ぜず。はるか遠い世界。そのせいか、寝不足のせいか、たまに気を失
 う。終盤、引っ張るのも、ちと退屈。それより、医師(加納幸和)の薄氷上な危う
 さに興味。堅固な孤独な心、意思と、暖かみ(母性?)を求める心が同居。見た目
 じゃ、渋いちょびひげインテリ・おやじ+お茶目可愛いおじさん。ここんとこも、
 面白い(微笑み)。ファンサービスもあるか?。
 
 居丈夫な役者達のなかの戸川純。もう住む世界が違ってます。猫背でたどたどしい
 、わたしはスピッツです、な家政婦役が○。台風が好き!と、なんかフリーな演技
 も微笑ましい。成志はいつもどうり。山下裕子は手堅い感じ。彼女の真後ろ(Eブ
 ロック端)電話演技は、こまったねこ。


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にしかど(nskd@enpe.net)