Zinjanthropusboisei


概要

構成員
主な作家
中島諒人
主な演出家
中島諒人
主な役者
主なスタッフ
劇団の公式ホームページ
Theater Zinjanthropusboisei

過去の公演

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ワルツ(95.1)

(下の文章の文責:一寸小丸さん)


Zinjanthropusboisei 「ワルツ」1月28日2時(1:50')
恵比寿/イーストギャラリー 前2300円 当2500円 1/25〜29(7ステ)
作・演出/中島諒人 03-3485-6208 客80人(ほぼ満員)

初見。チラシの裏に横内謙介と平田オリザとうにたもみいちのコメントがあった。

イーストギャラリーは、体育館みたいな空間。むきだしのコンクリート柱と土壁に
覆われている。床はプールみたい。深さ1m、幅8m、長さ15mのプールの周囲
を4m幅のプールサイドが取り巻いている感じ。今回は、プールの中が客席で、イ
スが80個ぐらい、乱雑に並べられている。周囲のプールサイドが舞台で、全方位
だ。ただ、いわばスタート台のある方向に、白いタイルで壁を覆ったものがそびえ
ており、こっちがメインステージっぽい。イスの多くも、こっちを向いている。

客の頭ごしに会話とかあって、ある雰囲気をかもしだすはずなんだけど、あまり効
果は感じられなかった。あっちこっちで芝居があり、首が疲れただけだ。

芝居は、アバンギャルドっぽい。セリフが現代詩手帳・・・というより「鳩よ」っ
ぽいね。「鳩よ」って、創刊号しか見てないけどさ。

リーフレットによると、登場してたのは8人の天使だそうで(皆、薄物の白布をま
とっている)、「巨大な白い壁の立つ砂漠。腐った死体が折り重なる天使たちの墓
場。そこで愛する男または女に出会い、その瞬間からちょうど10年後の死が約束
される。最後の時を迎えるまで、遊び続ける4組の男女。」の物語。

んだけど、小丸が理解していたものは・・・

●8匹のハエ。核戦争後(あるいは巨大地震後)の東京。なかなか腐らない、け
ど確実に腐っていく死体が散乱している場所。中性子爆弾により、最新のオフ
ィスビルは残っている場所。ハエ達は約束の日を待ち続けている。

2匹は出会ってからちょうど10年目に死が訪れる。愛を知った日から、死へ
のスタートが始まる。約束の死。腐りゆく人類。はかなくも、最後のまたたき
とも言える一瞬が積み重ねられていく。楽しまなくっちゃ。「永遠」の訪れは
もうすぐだもの。

退屈しました。それでもきっと最後の瞬間には感動させられるかと期待してました。
不発でした。きれいに貼ったタイルを、崩すぐらいやらんと・・・。

ことばがね、デジタルじゃないの。こーゆーネタは、デジタルしないとと思う。イ
メージがきちんと構築できていかないのは、どうにもセリフがアナログだから。空
間とか衣装とか化粧とか照明とか、かなりのものがデジタルしてるのに、肝心のコ
トバがアナログなんだもの。なんつうか、「死」みたいに、ガッチガチにデジタル
なのがあるし、「うんこ」とか「臭い」とか、アナログだよなあ。「アンニンドー
フ」とかはデジタルだけど。「排泄物」とか「腐臭」とかならデジタルなのに。

役者さん達は、学生さんみたいに若いです。難しいことをやってますから大変です
けど、もちっと異化されてないと。思わず、ハエたたきでぶったたきたくなりまし
た。その生命力のなさは、現代っぽくて良いと感じてたんですけど。

開演直前に劇場に飛び込んで受付したら、「招待させていただいております」って
んで、タダだった。なんかの間違いだと思うけど、ラッキー!。

前衛ですし、面白いことやってると思います。これで、お客を引っ張っていくため
には、役者の肉体のガンバリと、コトバのキラメキしかない。かなり甘いと思う。
学生っぽいノリを感じる。それはそれで良いとこもあるけど、やっぱ客は引いてし
まうと思う。

見終わって「これで印象に残るのは、コトバと役者だけであるはず。」



Vol.9 Mermaid (95.08)

(下の文章の文責:にしかど)


〇〇〇〇〇 Mermaid × Zinjanthropusboisei 〇〇〇〇〇

見覚えのある方も多いでしょう。
揺らめく水面に戯れる、上目使いの白いワンピースの少女。

くそ暑い真夏日の続くこの時節、熱波にとろけた脳ミソに、雑誌宣
伝に使われたこの写真の涼やかさは、ちょっといい感じでした。場
所が東京芸術劇場ですし、クールな舞台が期待できるってものです
(じっさい、冷房で凍えそうになりました)。さてさて。

劇場に入ると、期待通りの舞台美術。舞台の中央に、プールです。
プールといっても、まあ3×4mくらいの小さなやつですけど、ち
ゃんと水が入ってます。水面がみえないのが残念ですけど、それで
もうれしくなります。やっぱり、夏は水にかぎりますね。

後方には、木の化け物みたいな、それでいて無機的な感じのする巨
大オブジェ。ビーチパラソル。そして、舞台の全体と背景を覆いつ
くした純白真っ白の布。全体的に、とてもポップな雰囲気です。

さらには、衣装が凝っていて、原色のあざやかな配色、コーン(円
錐)の立体感をうまく生かしたデザイン。そして、中盤に登場する
人魚の、きらきらひかる銀色のうろこのきれいなこと。

てなわけで、美術系のスタッフがいい仕事をしてます。こういうの
は、やっぱり、しっかりほめてあげたいですね。

役者も、美術と衣装の雰囲気そのままに、寓話的なキャラクターを
おとぼけポップな浮き世離れしたテイストで演じます。なかなかむ
ずかしい作業ですけど、まあ健闘しています。

内容はといえば、死体を葬るとやがて生まれ変わるというプールを
めぐるおとぎ話です。人魚姫の話をしたじきに、魂の循環、死ぬこ
と生きること復活すること、などが描かれていきます。

ホン自体はやや散漫だし、場面構成にも改善の余地がかなりあると
いう感じですが、美術などにも後押しされて、描こうとしている世
界のなんとなくの雰囲気は伝わってきます。

現時点ではまだ決して面白いとは言い切れませんが、可能性はいろ
いろと感じられる舞台でした。スタッフ陣の気合も伝わってきます
し、この先、期待していいんじゃないかと思います。

●いきなり天気予報。いいのかこんなんで。

(1,はな) 晴れときどき曇り。
(1,マル) 曇りのち晴れ。
(1,はな) ではみなさま、ごきげんよう。(^_^)/

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【Mermaid】 Zinjanthropusboisei
 台本・演出:中島諒人(まこと)
 舞台美術:中島諒人/宮本浩典 コスチューム:Emma
 1995.8.9-13 東京芸術劇場小ホール1
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(下の文章の文責:一寸小丸さん)


Zinjanthropusboisei Vol.9「Mermaid」8月12日7時(1:58')
池袋/東京芸術劇場小ホール1 前2300円 当2500円 8/9〜13(7st)
作・演出/中島諒人 03-3485-6208 客130(8割)

91年設立のジンジャントロプスボイセイは、「制度から自由でタフで軽やかな身体と
コミュニケイションの模索」をテーマに、演劇のお約束から自由でありたいとの試行
を提案し続けている。小丸は前回公演(恵比寿EAST GALLERY「ワルツ」)をかなり辛
辣にレビューしている。彼等が表現しようとしていることと、そこに現われた作品と
にギャップを感じた。まだまだ表現法を模索している段階と感じたのだ。しかし、や
っぱ普通のお芝居じゃないってことで、今回はどんなことをやってくれるんだろう
と、思わず期待してしまう。

 ●命の復活をも可能としてくれるプール。その街の人々は、その水の恩恵を受
  け、少しずつ生きている。絶えることのない不思議なプール。人々は毎日、
  水を汲みにきている。

  水の量が減りだした。ありえないこと。驚き、恐れる人々。プールの管理を
  司る双子の床屋は、途方に暮れる。

  突然、一人の人魚がやってきた。彼女は、人間になるべく、そのプールに。
  しかし、人魚の存在は、数百年に一度、プールの水を浄化するため、その血 
  が使われる運命だと知らされる。人魚がいけにえとなり、世界はまた、平和
  を取り戻していく。

多分に寓話的な作りですが、小丸はすごく宗教的な意味あいで解釈してました。血に
よっての浄化、世界の終わりと再生、唯一絶対の場としてのプール、リインカネーシ
ョン。そんで、それらのちょっとヘビーな設定を、役者のへろへろな演技で軟化させ
ているところが、なかなかにうまいと感じました。

がしかし、不満も多い。美術はかなり飾り込んでいるんですが、飾り込んだだけで終
わってしまってます。照明にしろ音響にしろ、ほとんど芝居に参加してません。美
術、照明、音響は、こーゆーコラボレートな場の場合、演技させないと。芝居に参加
させないと。作り込むだけだったら、たいしたことない、と言ってしまおう。

舞台下手奥に、芝居の最初っからずっとそれが置いてあります。巨大な構築物です。
当然、最後に大きな関わりを示します。バラバラに切断された人魚の肉片をそこに投
げ入れ絞ると、そこから流れてきた水でプールが浄化されるという・・・。だけど、
それにしては大した動きがありませんでした。動いて演技してくれるとうれしいの
に。

最後に絞られた人魚により、水が流れてくるのですが、やっぱ「血」は赤の方が良か
ったのではないでしょうかね。青でもいい。色が欲しかった。すごい神秘的なシーン
なのに、ちろちろと水が流れるだけで、インパクトが弱かったの。ハデにするために
も、装置を考えるのと同時に、色が欲しかったように思う。

見終わって「今回もあまり楽しめなかった。けど、次回も見に行くだろう。」


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にしかど(nskd@enpe.net)